錯覚の心理学 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061492332

作品紹介・あらすじ

現実には存在しえないものが描かれ、存在しないのに見えてしまうのは、なぜだろうか。視覚のメカニズム、知覚や認知の合理・不合理を考察する。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は初めに、次のように書いています。
    「錯覚は人をひきつけてやまない。第一に驚くと共に不思議を感じる。目だましを食らうのは自分であるのに、なんとも楽しくてしかたがない。」
    そして、本題として私たちが良く知っている錯覚のアレコレを紹介。
    錯覚・錯視の歴史・博物館などが数々挙げられていて、それだけでも十分楽しめます。
    では、この錯覚や錯視が何故おこるか?
    また、それを楽しもうという心理が何故働くか、、、という事も縷々述べられています。
    感覚と心。
    感覚は変わりやすく不正確である。そこで心の働きが外界の正確な写しを作り出し、ゆがみを正すという考え方。
    その一方出、感覚は本来正確で環境の真実の姿を捉える様にできている。限界があるのは心であり間違うのも判断能力であると言う考え方。
    その二つの考え方の「橋渡し」となるのが錯覚の研究であると本書は言う。

    「目はだまされるものである」
    と、いうのが錯視の正体なのかもしれません。
    私たちは、自分たちの感覚を信じて日常を送っています。
    空を見上がれば月が輝いている。
    しかし、同じ月なのに、天頂の月と地平のそれとは大きさが違って見える。
    何故?
    あるべきところにあるものが見えない。
    またあるにもかかわらず見えない。
    何故?
    そんな、あんなこんなを分析して、更には3Dにまで話は及びます。
    しかし、今にいたっても錯視の本態が何か分かっていないという。
    そして最後に著者は言う。
    錯覚は時代により、その範囲と形を変えていく。

    つまり、
    つまり、
    昔の人が見た月と現代の我々が見る月は微妙に違うのだろうか???

    心も感覚も「絶対」ではありえない。
    変わるものである。
    と、するなら人は変わることができるし、変わらなければならない。

    「そこにある」
    「今、ここにある」
    それは絶対ではあるが、しかし同時に不確かなものであるとしたなら、
    私たちが、生きる上で何をもって糧・指針とするかと言えば、
    「空=くう」なのかもしれません。
    多分、これとて錯覚かぁ、、、
    と、思えば実に深みがあり極みが見え、
    蒼穹に吸われていく気がして面白い。
    深みにはまります。

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