ヒトラーとユダヤ人 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061492493

作品紹介・あらすじ

追放、大量虐殺、絶滅…ヒトラーの異常な反ユダヤ主義はいかに生まれ、実行されたのか。ウィーン、ミュンヘンでの青春期に芽ばえ、世界大戦への過程で極限に行きついた狂気の原因、推移を検証する。

感想・レビュー・書評

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  • なんでヒトラーがユダヤ人を迫害したのか
    わからなかった…

  • 本書は時系列がはっきり書かれてあり、わかりやすかった。ヒトラーの生い立ちから最後に至るまでの、ユダヤ人に対しての徹底的な思想はものすごい。
    世界大戦という時代も影響しているのか、関係者もぶっ飛んでいる。

  •  ドイツ・ユダヤ人史、古代教会史を専攻する著者大澤武男氏が、ヒトラーの反ユダヤ主義の経緯とその所業をたどり、人類全体の歴史を通じても類例のない計画性と速効性と近代工業的作業としての大虐殺、ホロコースト、及びそれを可能にした第二次世界大戦という、これまた人類史上最大の戦乱の何故を考察する書籍。専門的用語や、巻末の参考文献数こそそれなりだが頻繁に注釈は入れず読みやすく構成された本。読み終わると第二次世界大戦ヨーロッパ戦線とその中でのみ可能となったホロコースト、それを主体的に決断したヒトラーという人物、彼に独裁を許した政治社会的背景の特異性に思いが飛ばざるを得ない、そんな書物である。
     第二次世界大戦、そのヨーロッパ方面の非戦記的出来事や側面、ホロコースト(ほぼユダヤ人のみに関するが)などの入門書として最適な概説書の1冊と言ってよいだろう。良著判定。

  •  ヒトラーの出生から、ウィーンの青年時代、その後ミュンヘンから出征、帰って来てドイツ労働党で政治活動に参加、ミュンヘン一揆で失敗するも既にナチ党で強固な地位を築いており、議会総選挙で議席を得て、やがて政権を取り、全権委任法を通し、総統となって戦争を指揮していくが戦局が悪化、そして自殺するまでというヒトラーを中心とした生涯を追う形で書かれている。その過程で、ヒトラーの中の反ユダヤ主義がどのような形で現れ、「最終解決」へと向かうのかといったことを、数々の演説や書簡から分析したもの。
     同著者がよく似たタイトルでこれより前に出している『ユダヤ人とドイツ』よりも、ヒトラー自身をクローズアップして、ヒトラー自身がどういう思考を形成させ、表現していったかということが書かれている。
     「決して不幸な少年時代を送っていなかったヒトラー」(p.249)が、なぜユダヤ人絶滅を手掛けなければならなかったのか、という「根本的、実質的、絶対的な理由が何もない」(p.247)し、「また、それを裏づける何らの客観的な事実も存在しない」(同)というのが、この本の結論である。ヒトラーの反ユダヤ主義の中身は「きわめて単純で、しかも粗雑な論理で実質がない」(pp.80-1)ものであることや、「単純、空虚で決してゆらぐことのない極端なユダヤ人憎悪や世界観」(p.158)を表すものであることが繰り返し述べられている。それでいて最後の最後までその正統性を信じ続けていたその理由はなんだろう、という疑問で終わる形となっている。
     また、ウィーン時代にはまだ反ユダヤ思想が根深くはなかったこと、政権を獲得していく過程では、反ユダヤ的態度を翻すかのような態度もとっていたこと、ユダヤ人迫害はヒトラー自身の指示によるものだということ、「生存権獲得のための侵略戦争への失意とユダヤ人絶滅の結構は、表裏一体をなしていた」(p.209)こと、などのポイントが分かりやすく解説されていた。
     いきなりこの本を読むよりは、終戦までのユダヤ人に対する政策などを含めたドイツ史、世界史を扱った他の本を読んでからの方が分かりやすいと思う。(15/08/23)

  • ヒトラーの父は私生児だったため、ユダヤ人の血を引くのではないかと言われていたが、それは誤りだった。
    ヒトラーが5年間ウィーンで生活していた時にはユダヤ人にも絵画を買ってもらっていたので、そこまで憎悪はなかった。
    ユダヤ人は死に値すると述べていた。
    ユダヤ人の生物学的基礎を破壊することができないなら、ユダヤ人はいつの日かドイツ民族を滅ぼすだろう、と。
    ソ連への侵入と同時に始まったソ連ユダヤ人の殲滅作戦は事実としてヨーロッパユダヤ人絶滅の始まるであり、ヒトラーは支配下においたヨーロッパ、ソ連の広大な地域においてとてつもない数のユダヤ人を抱え込んでしまったことになる。

  • 1995年5月発行。もう17年も前だ。その間に出版されたナチス関連の本、きっと多いんだろうなぁ。

  • たぶん、大学のレポート用に買った。

  • ドイツ人がユダヤ人とどのようにして生きて、第二次世界大戦のホロコーストはどのようにして起こったかの明らかにした本。

    歴史は常に突如として生まれるわけではなく、原因や起源があることがよくわかる本だった。

  •  結局、なぜヒトラーがユダヤ人を憎み、大量虐殺をした理由はわからなかった。
     ただ、本の中で言っているように明らかにヒトラーはユダヤ人を絶滅させるという意識が存在したし、ユダヤ人を虐殺するという政策を戦争のため、ドイツのナショナリズムを高めるために利用したことはまちがいない。
     

  • ヒトラーの反ユダヤ主義はどう考えても異常だ。

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