本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061492530
感想・レビュー・書評
-
アメリカ全土を旅して、またアラバマを訪れて関心を持ったアメリカ南部の歴史について学ぶ格好の書。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先日読んだ「わが心のディープサウス」と同じ著者による作品。内容もけっこうリンクしているのだが、こちらは新書のせいか、「わが心の…」よりもっと突っ込んで解説されている。
「ヤンキー」はアメリカ人全体を指すと思っていたら、どうやら北部人のことを指すらしく、南部人は「レベル」と呼ばれるらしい。そういうところでも、南部と北部で区分けされているんだなと感心した。南北戦争に敗北し、時流の波にもまれ、多くの貧しい人々がシカゴやデトロイトに職を求めて移動したとかで、それはもしかして、E.レナードの作品の舞台の多くがデトロイトであることと関係あるのかもしれない。
アメリカ国内の、というよりアメリカ北部人の持つ「南部人」のイメージは、総じて「人のよい田舎者」という感じらしいが、………北部人だって、一部を除いてたいがい田舎者なんじゃ…?
それはともかくとして、ジャズ、ブルース、ロックなどの音楽、「風と共に去りぬ」「欲望という名の電車」といった文学、またコーラやゲータレードなどのソフトドリンクなど世界中で親しまれているものが南部で生まれているのは、奴隷制や産業の立ち遅れなどの過酷な歴史や環境による田舎的な鬱屈もあるだろうが、フランス、スペイン、アフリカの文化を取り込んできた、都会的ともいえる洗練さも無視できないのではないかと思うのだった。
全3件中 1 - 3件を表示
森本豊富の作品





