写真美術館へようこそ (講談社現代新書)

  • 講談社 (1996年2月20日発売)
3.47
  • (6)
  • (10)
  • (28)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 181
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061492875

作品紹介・あらすじ

“まなざしの芸術”――写真は、何をどのようにして表現してきたのか。古今東西の名作・快作を集めた“紙の上の美術館”へご案内。その魅力と本質を縦横無尽に語り尽くす、本格的写真入門。

「写真表現とは何か」――そこで当館の展示では、あえてその「写真表現とは何か」という基本的な原理を考えてみようと思うわけです。具体的には写真史のはじまりから現代までほぼ時代順に5つの部屋を設けております。それぞれの部屋がまた3つくらいのパートに分かれている。第1室の「光学・発明・絵画」だったら「写真がなかった頃」、「写真の誕生」、「絵画と写真」、第2室の「鎖・肖像・裸体」は「鏡と“顔”」、「向こう岸のイメージ」、「裸体の饗宴」といった具合です。つまり私のもくろみといたしましては、第1室から第5室までざっと見ていただければ、写真表現に関わるいろいろな問題について、19世紀から現在までの写真の歴史も含めて自然に無理なく理解することができる、そんな展示をめざしています。あまりにも欲ばりな企画で、うまくいくといいのですが……。――本書より

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ふむ

  • 一九世紀に発明されて以来、約一五〇年間の写真史を追った入門書。


    西洋中心の写真史に比較材料として日本人の作品が挿入される、そのバランスがちょうどよかった。世界初の写真を使ったセルフポートレートが、写真家が死体の演技をして撮ったものというのは象徴的で面白い。
    撮影者と被写体の非対称性にはあえて踏み込まずに書いているのはわかるけど、どうしたって裸の女性ばかりがモデルとして出てくるのは気になってしまう。メイプルソープの項で彼が男性を性対象にしていたことに触れるなら、男性から女性へのまなざしにも一言くらいはエクスキュースを入れてもよかったのではないか。シャルコーがでっちあげた女性のヒステリー患者の写真を、最終的に肯定しているのも気にかかる。

  • 大学入る前に読んだ本です。
    日本大学芸術学部写真学科に入る前に読んで勉強しました。
    2002年から2003年に読みました。

    写真の歴史と写真作家のことが幅広く書いてあったような気がします。

    写真を志す方は入門書としていいと思います。

    作家性を学ぶにはいい本だったような気がします。
    もう18年も前に読んだので。あまり覚えていないのですが、写真の大学入る前に読むといいです。

  • 古今東西の名作写真を集めた紙の上の美術館には5つの部屋がある。第1室は発明、第2室は肖像、第3室は風景、第4室は出来事、第5室は色彩。写真は「選択の芸術」。写真には写真家の無意識が映り込む。カルティエ・ブレッソンは決定的瞬間は何かという問いに「内面と外面の世界が互いに交流し一体となる時」と答えており、混沌が調和のバランスをとる瞬間を見出している。

  • 多様な写真表現の歴史。とてもわかりやすい。

  • 写真の歴史の基本が勉強できる

  • そろそろ本を読むのは一旦やめて撮りまくらねば.

  • 飯沢耕太郎氏の文章は、わかりやすくて面白い。
    興味を引くので、さらに深くはまっていきたくなる。
    こんな美術館があったらいいな。

  • [ 内容 ]
    “まなざしの芸術”―写真は、何をどのように表現してきたのか。
    古今東西の力作・快作を集めた“紙の上の美術館”へご案内。
    その魅力と本質を縦横無尽に語り尽くす、本格的写真入門。

    [ 目次 ]
    第1室 光学・発明・絵画
    第2室 鏡・肖像・裸体
    第3室 風景・モノ・都市
    第4室 出来事・社会・私
    第5室 色・複製・フレーム

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 写真史の授業のレポート用に。
    ビジュアルが多くて写真のこれまでがよく分かります。
    巨匠ばかりなのは仕方のないことなのかもしれないけど…同じ棚に並ぶ「世界写真史(美術出版社)」と内容がほぼ同じだったのはちょっと残念。

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

(いいざわ・こうたろう)
1954年生まれ。写真評論家、きのこ文学研究家。きのこ関連の著書に、『歩くキノコ』(水声社、2001)、『世界のキノコ切手』(プチグラパブリッシング、2007)、『きのこ文学大全』(平凡社新書、2008)、『マジカル・ミステリアス・マッシュルーム・ツアー』(東京キララ社、2010)、『きのこのチカラ きのこ的生き方のすすめ』(マガジンハウス、2011)、『フングス・マギクス 精選きのこ文学渉猟』(東洋書林、2012)など、編書に、『きのこ文学名作選』(港の人、2010)、『きのこ文学ワンダーランド』(共著、DU BOOKS、2013)、『世界のかわいいきのこデザイン』(共著、DU BOOKS、2016)、『きのこ漫画名作選』(Pヴァイン、2016)など、監修に、玉木えみ『少女系きのこ図鑑』(DU BOOKS、2013)、玉木えみ『増殖・少女系きのこ図鑑』(DU BOOKS、2015)などがある。

「2024年 『泉鏡花きのこ文学集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

飯沢耕太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×