- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061492929
作品紹介・あらすじ
絢爛豪華な日光東照宮は徳川家康を「神」と祀る。なぜ日光の地なのか。東照大権現とはいかなる神か。創建にまつわる謎と、彫刻群が伝える壮大なコスモロジーを解読。
江戸のほぼ真北――東照宮を江戸の真北に祀るということは、都城制における大内裏の位置を北端に設けるのと同様の意味があったのではないか。すなわち、久能山において神として再生された東照大権現が、江戸城の真北に遷座されることによって、その神格が「宇宙を主宰する神」と一体化されたことを意味しよう。つまり、東照大権現を「宇宙を主宰する神」へと昇華せしめるために、江戸城の真北に遷座しなければならなかったのである。これこそが、東照宮の日光遷座の最大の理由であったのである。――本書より
感想・レビュー・書評
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東照宮ガイドの参考に
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あのきれいで壮大な日光東照宮にまつわる逸話、記録、歴史の話がまとまっている。
日光東照宮は、当時の国内GDPの3倍の資金を徳川幕府の予算から捻出してつくったことなど、読み物として面白い。
東照宮の彫刻は、5000以上
全体として1つの大きな宇宙
総工費2000億円
GNP比 2.8%
自衛隊の予算の3倍
徳川幕府の支出
こんな本もあるんですね。 -
おもに家康と日光の関係についてと、東照宮の装飾と家康と徳川家の関係について書かれていました。手頃に読めた上に面白かった。
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日光は生前の家康と特別なかかわりを持っていた地ではありません。家康は岡崎で生まれ、久能山に埋葬されました。そんな家康が日光に祀られた理由としては、「家康の尊敬していた源頼朝の信仰の地だった」「日光と言う名前が太陽を想像させてくれる」「陰陽五行説の立場から、祀る場所は王城の北がよいとされたこと」などが挙げられています。3つ目の理由の中の王城とは家康にとってはエドであり、日光は江戸の真北に位置しているそうです。こうして家康は死後も江戸を見守っている・・・だけではないようです。家康が見守るのは、日本全国いやもしかしたら世界中かも知れない、と言うのがこの著者の意見です(ちなみに著者は東照宮で働いている方です)。
東照宮から真北を見上げればそこには北極星があります。東照宮陽明門のちょうど真上に北極星が見え、そしてもちろん星は北極星を中心に回ります。家康を北極星に見立てる文献はすでに見つかっており、家康は宇宙を主宰する神・北極星となった、というのが筆者の意見です。なんだか壮大なスケールの話になってしまいました。
この本の前半のテーマは家康が日光に祀られた理由、後半のテーマは東照宮の彫刻の謎、です。 -
家康が祀られる日光東照宮。なぜ「日光」に建てられたのかという理由と意義を、地勢(方位)や星の向きなど要素を組み合わせたコスモロジーに求めた第1部。
「眠り猫」や「三猿(見ざる、聞かざる、言わざる)」の如く有名なものを筆頭に、無数(正確には5173体あるという。数えたのか!)に存在する彫刻。これらの丹念な調査結果をもとに、意匠に込められた意味を解く第2部。
以上の2部構成で、著者の東照宮(そして家康)への情熱と愛情が語られる。日光東照宮の入門や観光ガイド的な内容を期待すると、意表を突かれるディープな本で、著者の思いが強すぎて、やや客観的な言及に欠ける印象があるのが残念。 -
日光に行こうかなーと思って読みました。彫刻の霊獣の見分け方など、とても勉強になりました。
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日光旅行の下準備のために購入。東照宮では聖獣を探しまわって楽しかった〜