「複雑系」とは何か (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061493285

作品紹介・あらすじ

21世紀を解く最大のキーワード「複雑系」。生命、自然、物質、社会、経済。あらゆる事象を取りこみ展開していく新たな「知」のパラダイムとは。最先端科学の現場にあなたを誘う恰好の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • エピソードは面白いが、科学を扱う新書としてはあまり良い本ではない。いかんせん、哲学のタームが多すぎる。複雑系を語るのに現象学を持ちだすのは、良識あるサイエンスライターのやり方ではない。
    どうも哲学者は科学を哲学のサブセクションとして位置づけたがるが、その試みはたいてい失敗に終わる。その第一の理由は、総括を試みる哲学者が、科学の最前線に立ってもいなければ、科学を俯瞰する能力も持っていないからである。第二の理由は、哲学の静的な原理的思考が、科学という学問の現在進行性に対しあまりにも無頓着だからである。哲学に出来ることは、せいぜい科学の過去を位置づけることだけであろう。哲学的なパラダイム論からは科学の未来はうかがえないし、ましてや科学を語るのに哲学的思想をアナロジーとして援用するのなどは以ての外。科学はいまだ発展途上の学問であるし、哲学も然りである。両者の垣根を飛び越える際には、十分な思慮が必要である。
    吉永良正はもう少し良心的なサイエンスライターだと思っていたが、本書において彼は哲学に逃げ込んでしまったようである。確かに、現象学の衒学的なタームは著作に重厚な香りを与えるかもしれないが、その香りは偽りの香りでしかない。本書の末尾には、現代思想の無思慮なアナロジーを批判する一節があるが、ならば本書全体に散りばめられている現象学のアナロジーも、同様の批判を受けねばなるまい。☆2つ。

  • コンピューターの人工知能を作る歴史がよく分かる本。 とても面白い! マリーゲルマン… クォークの発見で、ノーベル物理学賞受賞した彼の人工知能への取り組みなど書かれてます。

  • 1997年が初版とやや古い本ですが、内容はそれほど古くもなく、複雑系についてのおさらいとして読むには良かったです。
    ただ物理や数学の用語だけでなく哲学の用語も多々使われていて、普通に読むにはちょっと疲れました。また例も「ティコ・ブラーエとケプラーみたいな関係」って呼んだ瞬間に「わかる」例ではなく、えーと誰だっけ?で思い出すのがちょっと大変でした。(例としてはかなり良い例だと思いますが)

    「見えざる手」を例として、複雑系を説明しているところは、とても良い。

    とりあえず読んで、それぞれ気になったところを掘り下げたい気持ちが湧いてきて良かったです。あと『枝分かれ』を読む前の準備として呼んでおいて良かったかもと思いました。

  • セルオートマトンのところの話を除くと、複雑系やカオスなどの中身の話よりも、それを取り巻く人や環境についての話がほとんど。タイトルから期待していた内容とはだいぶ離れていたけれど、読み終わってから思い返すと、確かにタイトル通りの本であるような気がした、通例に反して。
    セルオートマトンの考えは自分の知っている数学に近いところがあって、久しぶりに新しく勉強してみたいものが増えた。
    170901

  • 渡邊十絲子さんおススメの新書の一冊。
    確かに、自分のような理数系苦手の人間にも、「複雑系」のことがよくわかるように書かれていると思う。
    もっと複雑系の本を読んでみたくなった。

  • 理数科の新しい概念「複雑系」について紹介している本。

    個人的には、このような新しい概念は、わかりやすい例えや図版を使った方が視覚的に読者がわかると思う。その点では、新書という中で説明がわかりづらい面もあったが、仕方ないかなと思う。

    一時よりも複雑系の議論は減ったような気はするが、概念としてはいろいろと学ぶことが多いと思う。

  • 印象に残った部分を1つ

    コンピュータの中の鳥の群れ
    クレイグ・レイノルズ作 「ボイド boid」
    鳥たちが従っている規則
    ⑴ 近くの鳥たちが数多くいるほうへ向かって飛ぼうとすること
    ⑵ 近くにいる鳥たちと、飛ぶ速さと方向を合わせようとすること
    ⑶ 近くの鳥や物体に近づきすぎたら、ぶつからないように離れようとすること

    この3つの規則の元でシュミレーションを行うと、鳥たちの動きは予想以上に自然だった

    この自然や生命の動きも、単なるプログラミングされたものでしかないのかもしれないなーと。

  • 数学や自然科学の分野に現れた新概念「複雑系」について多角的に解説する本。
    自然科学の発展する歴史な哲学的な考察、そして社会科学への言及まで盛り込まれた壮大さを誇る。
    ○○論という言葉がたくさんありすぎて語彙がギリギリだったが、あまり専門的な理系知識を要さずに理解できるよう工夫されていた。

    人工生命など21世紀の科学転換を予感させる様々な研究例が、これ以上ないワクワク感を与えてくれる。
    哲学や理学の語彙に自信ある人へオススメ。

  • 薄っすらとした理解
    また読みたいが、入ってくる土壌がいる。

  • あまり期待はしていないけれど

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