新しいヘーゲル (講談社現代新書)

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  • 講談社
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レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061493575

感想・レビュー・書評

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  • 『精神現象学』などのヘーゲルの著作を、わかりやすい日本語に訳したことで知られる著者による、ヘーゲル哲学の入門書です。

    本書では、ヘーゲルは「近代」という時代の思想家として位置づけられています。教会の権威を否定して、神の前に立つ個人としての信仰者の姿を打ち出したルターの宗教改革に象徴されるように、個人の形成と自由な主体の確立が、「近代」という時代を特徴づけています。

    ヘーゲルは近代的な個人を、みずからの内の理性に絶対の信頼を寄せる者として理解しました。そうした個人は、現実の中で出会うさまざまな困難と格闘しつつ、否定をくぐり抜けて「絶対知」へと進んでいくたくましさをもっています。本書ではヘーゲルの『哲学史講義』や『歴史哲学講義』、『美学講義』などを題材に、理性がたくましく前に進んでいく姿がイメージ豊かに描かれています。

  • 第1章から3章までは面白かったが、4章くらいからつまずきはじめて大体6割ほど読んでみた。

  • 弁証法を知りたくてamazonで「弁証法」を検索してヒットしたのが本書。
    弁証法のくだりは、言わんとしていることが分かったような、分からないような、、
    その他の部分は哲学とか興味ないんで、辛かった。「精神現象学」を読みたいと思わせたのは、筆者のすごいところだと思うが、多分読みたくはない。

  • 弁証法と「モメント」について知るために読んだ。最初に書かれている通り、難解そうな用語はほとんど出てこない。また、引用の後にはいつも著者自身のことばで補足がなされており、最後まで読みきることができた。

  • ヘーゲル学入門。

  • 初めて長谷川宏の本を読んだ。公開授業を聞きに行ったけど、ヘーゲル一筋でしかも在野ってのが凄い。オリジナルは多分読むことはないからまたお世話になるかも。

  •  時々、文字が右から左に流れていくような所があって、ちゃんと理解できたかどうかはわからない。わからないけれど、とりあえずヘーゲルは“古い”と思いました。

     この本を読んで理解できることは、ヘーゲルにどういった“思考の癖”があったのか?ということ。

     時代や他の思想家などを筆者が断定的に切り捨てる箇所がところどころあって、私のように捻くれていると「本当にそうなのかなあ」と思えて来てモヤモヤしてしまう。
     そのモヤモヤ感から「この人ホントにヘーゲルのことわかって書いてるのかな?」という気にもさせられてしまうんですが、ヘーゲル原著をバリバリ読んでいろいろ考えてる人で無い限り、読む価値はあると思います。

     ここからは、私が読んで思ったことを自由に書きます。

     “ヘーゲル以後”の哲学、とか言われることがたまーにあるのですが、何故かがこの本を読んでわかった気がします。おそらく、彼の哲学がそれまでの世界観を否定して、新たな価値を提案したからでしょう。彼の哲学は近代という時代の転換点そのものだったように思えてきます。

     また、ヘーゲルの思想と言うのは、プロレタリア革命のように、一度経験して超越しなければならない思想なのかもしれないと思うようになりました。彼の思想というのはとても理性的で、時代や文化的な相違から今の私達がそのまま受け入れるということは不可能であるし、そうすべき思想でもありません。
     ですが、一度ヘーゲルの思想を完全に受け入れた上で、それを否定し、超越しようとする姿勢は求められているような気がします(本書とはあまり関係がありません)。

     どうでもいいですが、ヘーゲルがこれほどまでに古代ギリシャに傾倒していたとは知りませんでした。私は彼とは見解を若干異にしていますが、古代ギリシャの芸術と宗教の合致性を指摘している人がこの時代に存在するとは思わなかった!それだけでもヘーゲル先生は仰ぎ見るに十分かもしれない。

  • 社会を矛盾と対立のるつぼととらえ、そのむこうに統一と秩序を見通した哲学者。壮大で華麗な思想の躍動を平易な日本語で説きつくす。』
    上記の触れ込みを見て思わず購入してしまったが…やっぱり分からない(笑)!!
    弁証法に魅了されてヘーゲルに接近してみたのですが、ドイツ哲学の集大成を成し遂げた彼の功績は複雑過ぎて咀嚼できない。。というよりも僕の頭がついていかない(笑)
    哲学関係は程々に読んでいる僕ですらこの本の理解度は十分に達していないので初めて哲学に触れる人には「絶対」入門書とは言えません←きっぱり!
    まぁでも、所々『へぇ~』と思える箇所はありました。

  • 理性的なものは現実的であり、
    現実的なものは理性である。
    ・・・・・・『新しいヘーゲル』79頁

    この本は、ヘーゲルを中心に、当時の宗教観や、西洋哲学に対する日本、ヘーゲル以後の哲学などについても語られており、俯瞰からの解説という印象を受けた。
    ヘーゲル自身の著作を読んだことがないのもあって、
    朧気な人物像しか掴めていない。
    最初に、生の言葉を聞いてから、解説書として読むべきだったかもしれない。まずは、『精神現象学』がいいだろうか。。。

    断片的な印象をメモしておこうと思う。

    理性への信頼。その姿勢には大いに好感が持てた。
    この感情は、カントやスピノザの思想に触れた際の、感覚に似ている。
    私は、ブルース・リーの教えにはついて行けない質なのだ。

    ルター率いる、プロテスタントに賛同するキリスト教信者であったこと。
    形式に拘るカトリックへの反発は、「自由なる理性」、「自身との対話」を重んじていたからこそ。つまりは、理性への信頼によって。

    青年期にフランス革命を体験したことが、その思想に大きな影響を与え、
    哲学、宗教、芸術という枠組みを用いて、頑然たる体系的哲学を創り上げた。

    なにより、近代哲学を語る上で欠かせない存在であること。
    それは、ほぼ全ての哲学解説書に「ヘーゲル」が登場しないことがないという事実が裏付けている。
    近代以降の哲学の多くが、ヘーゲルへの反発、もしくはヘーゲルを踏み台としているようだ。
    中でも、真正面から反発したというキルケゴールに興味が湧いた。

    哲学は広大だ。

  • 知への道は、意識の思い込む真理の失われてくる過程なのだから、知への道は疑いの道であり、もっと言えば絶望の道である。

著者プロフィール

1940年生まれ。東京大学卒業。著書「ヘーゲルの歴史意識」「格闘する理性」他。訳書フッサール「経験と判断」ハーバーマス「イデオロギーとしての科学と技術」他。

「2019年 『美術の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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