- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061493575
作品紹介・あらすじ
読めば本当のヘーゲルがわかる絶好の入門書。弁証法とはどんな思考法か。意識とは、歴史とは何か? 近代社会の自由と自立を求めて、道徳や宗教より「知」の優位を説いた思索を、平易な日本語で描ききる。(講談社現代新書)
読めば本当のヘーゲルがわかる絶好の入門書。弁証法とはどんな思考法か。意識とは、歴史とは何か? 近代社会の自由と自立を求めて、道徳や宗教より「知」の優位を説いた思索を、平易な日本語で描ききる。
感想・レビュー・書評
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よくまとまってるし、面白いと思う!
けど、そもそものヘーゲル自身の哲学にどうしても興味がもてなかった、、、
次にいこう!人生は限られてる
ドイツ観念論とは、なんかうまく馴染めなかった
かなりの部分が、下手くそな日本語訳の謎の言葉に辟易した、ということにもあり、そういう哲学研究の歴史に腹が立つが、そこのところがこの本の冒頭にあって嬉しかった
そうそう、もう少し日本の権威主義的なドイツ観念論が漂白されていくとよいのになーと思う詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本を読むのは2回目。楽しく読めた。ルソー、ルター、カントの時代からどのようにヘーゲルに行き着いたか、それを受けてキルケゴール、ニーチェ、サルトル、マルクスはどう反応したかが2回目に読んでようやく理解できた(気がする)。もすこし、ヘーゲルとは付き合わねば。
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名著である。難解な哲学の中でも難解と言われるヘーゲル哲学を理解できる形で提出されている。
『現実的なものが理性的であり、理性的なものが現実的である。』
ヘーゲルの哲学は、社会や現実、生活世界に開かれており、その現実との格闘において、精神は成長していく。
ますます、ヘーゲル哲学に興味を抱いた。 -
『精神現象学』などのヘーゲルの著作を、わかりやすい日本語に訳したことで知られる著者による、ヘーゲル哲学の入門書です。
本書では、ヘーゲルを「近代」という時代の思想家として位置づけています。教会の権威を否定して、神の前に立つ個人としての信仰者のすがたを打ち出したルターの宗教改革に象徴されるように、個人の形成と自由な主体の確立が、「近代」という時代を特徴づけているということに著者は目を向けています。
ヘーゲルは近代的な個人を、みずからの内の理性に絶対の信頼を寄せる者として理解しました。そうした個人は、現実の中で出会うさまざまな困難と格闘しつつ、否定をくぐり抜けて「絶対知」へと進んでいくたくましさをもっています。本書ではヘーゲルの『哲学史講義』や『歴史哲学講義』、『美学講義』などを題材に、理性がたくましく前に進んでいくすがたがイメージ豊かにえがかれています。 -
ヘーゲルはむずかしいか?そんなことはない!
社会を矛盾と対立のるつぼととらえ、そのむこうに統一と秩序を見通した哲学者。壮大で華麗な思想の躍動を平易な日本語で説きつくす。 -
期待していた「新しい」ヘーゲルがどうも良くわからなかったというか、絶対精神とか弁証法とかのメジャーなところに斬新な批判をしていくように勝手に想像していたのだけど、全体的にヘーゲルを賞賛して終わってしまった感がある。
ただ6章「ヘーゲル以降」はなかなかおもしろく読めた。特にキルケゴールやフロイトを交えて不安という「感情」をキルケゴールがどう取り扱って、ヘーゲル以降はどうなっていくのかについてのくだりはおもしろい。 -
ヘーゲルの入門書。タイトルの「新しい」の意は、やたら韜晦な感じがするヘーゲル像の刷新を図る、ぐらいのものだろう。その方法論は、新たなヘーゲル解釈を打ち出す、とかではなくて、平易な言葉でヘーゲルの思想を辿る、というもの。実際、かなり気楽に読める。
著者は「あとがき」で、「この小著でヘーゲルを論じつくすことなどとうてい無理だが、その壮大な体系がどういう問題意識と構想のもとになりたっているかを大づかみにはできるよう工夫したつもりである」と書いているが、その狙いは十分達せられていると思う。良くも悪くも「浅く、広く」といった感じだ。入門書としては申し分ないが、やはり本書を足掛かりにヘーゲル自身の著作に挑んでいくことが大事なのだろう。 -
長谷川 宏は、ヘーゲルの専門家であり、本書は入門書として読みやすいが、読みやすいからといって、読者がわかりやすく理解できるとは限らない。
表現がわかりやすいということと、内容が理解しやすいということは別の問題である。ヘーゲル哲学は、内容が理解しにくいことで有名だが、長谷川氏の著書を読むとわかったような気になる。 -
ヘーゲルと言えば弁証法だが、その弁証法の意味が、ヘーゲルの生きた時代の解説を通して本書で体験できた。
近代的個人とはなにか、という問題意識に貫かれている。
日本の文明開化はヘーゲル哲学で多くが説明できる。
ドイツにおけるナチスの登場は近代とはなんなのか?という問いに明確な答えを出せなくなっているが、諦めてはいけないというヘーゲリアンの主張だ。
キルケゴール、マルクス、メルロ=ポンティ、フロイト、ニーチェ、ハイデガー、レヴィ=ストロースが最後に登場。 -
ヘーゲル初心者としては、前半から中盤にかけては参考になった。ただ、ヘーゲルの思想全体の見通しをこれ一冊で得るのは難しいと感じる。内容についての判断は保留。