無限論の教室 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1344
感想 : 129
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061494206

作品紹介・あらすじ

アキレスと亀から不完全定理まで、かろやかに笑う哲学講義。「無限は数でも量でもありません」とその先生は言った。ぼくが出会った軽くて深い哲学講義の話。

感想・レビュー・書評

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  • 数学の話かと思ったら哲学の本だった。どっちも真理の追究なので、細かい話にはこだわらないが、読み応えあった!。浮世離れした哲学者による、新入生二人しか受講していてない講義(もちろん架空)の描写。このように小説(対話)の形式で理解を深める手法は、『ソフィーの世界』を連想するけど、ひょっとして哲学では一般的なやりざまなのか?字面を追うだけでなく、腹に落ちるようにゆっくり読み進めたけど、最終講義のゲーデルの不完全性定理は匙を投げてしまった。「実社会で数学は役に立たない」論には反対派だけど、ここまでくると何の役に立つのかね(笑)

  • カントールからゲーデルまでの集合論がたどった歴史を、小説形式で分かりやすく解説している本です。「和尚さん」と呼ばれることになる、冴えない大学生の青年が、彼とタカムラさんという女子学生の2人しか受講者がいない、タジマ先生の無限論のゼミに出席することになり、毎週タジマ先生の研究室で、集合論の歴史と先生の反実在論の主張について学んでいきます。

    数式はまったくと言っていいほど使われておらず、フォーマルな議論をすっとばして、集合論のいちばんおもしろい話題を分かりやすく説明しているところが、本書の魅力だと思います。

  • タイトルの通り、まさに「無限論の教室」が文章で表現されていた。物凄く面白く、またどこか懐かしく、どこか羨ましく……色々な気持ちが刺激されながら無限について探求ができる、大変素晴らしい本だった。タイトルを見て難しそうだと思っていたが、実際は読み進めやすいテンポ・表現・文章で構成されており、いい意味で裏切られた感があった。この本の一番の良さは、共に考える仲間がそこに在ることである。教師が一方的に教える構図ではなく、共に考える、共に掛け合いの中で生まれる思考や議論がそこに在ることである。これが自分の頭を引っ張ってくれる。共に世界に引き込み、学びを高めていってくれる。これはかけがえのない学びの体験でもある。「答え」も最後までぱっきりしないのがまた良い。「無限」を題材に誰かと考え続ける。人の中で学びを生む。これがこの本だと私は思う。

  • 変態の読む本。しかし、理解しやすく悪くない。

  • 高校数学の微分積分で初めて出会う無限に対し、主に哲学的なアプローチで考えていく作品。
    全体が学生と先生の対話という体で構成されているので、サクサクと読み進めることができます。

    自分はこの作品を読んで無限や論理というものにより興味をもち、より専門的な本を読んでみようと思えるモチベーションになりました。

    読むのに必要な数学レベル:
    小中学生レベルの数学用語, 高校数学の集合の基本

  • 数学ではなく、哲学方向からの「無限」を理解しようとする話です。最初は「アキレスと亀」など読者が親しみやすいところから、無限を考える際の不思議さ、難しさを説いてくれるので入りやすいとは思いますが、中盤以降はなかなか考えさせられる構成になっています。
    数学での無限はカントールが「濃度」という概念で無限であるものにも大きさの違いが存在することを打ち出しましたが、哲学の世界ではさらにさらに進んでいきます。
    そういった、人間の思考力の強さを感じられる一冊でした。

  • やっぱり、野矢茂樹、好きかも。「論旨トレーニング」程じゃないけど…というか、無限論はさっぱり分からなかったけど、こんな授業なら私も受けてみたいなぁ、って思わせてくれる。
    無限論って、数学じゃなくて哲学なんだ。
    何の役に立つのか分からないけど、こんな頭の体操のような学問も、教養として悪くないのでは?

  • 考え続ける日々は尽きない。それが哲学であれ、数学であれ、物理学であれ、論理学であれ、存在という宇宙を考えることが人間の性質なのだと思う。
    どのような論理でもって存在に向かっていくか。存在と学問が結びついた瞬間は何にも代えがたいartsだ。学問とはそれすなわちそれを以て生きること。その為人そのものだ。無限論の世界を数学、論理学、哲学をもって進める。永井先生のアインジヒトの対話もそうだが、考えることは対話という形式をとらざるを得ないようだ。
    無限ということばがあってしまう。死とか神とか無もまた同じなのかもしれない。対角線がひかれ、無限ということばがことばであるところに行きつく様は、学問、ひいては生きる人間の限界の淵へと誘ってくれる。
    永井先生も言っていたが、考えること、学問は途方もない他人との距離・深みを埋めるそのひとの努力に他ならない。その学問を身に着ければ社会に役立つのでない。社会が要請するのは技術であって学問ではない。社会という集団の世界で生きていくための学問だと思う。考え続けていたら学問があって続けていただけのことだ。
    一周回ったその時、世界が世界であること、その驚きでしょうがなく社会で生きてやろう、考え続けることが始まる。

  • 学生時代

    読み返すかな。

  • 頑張ったけど「分かった気がする」から抜け出せなかったな

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著者プロフィール

1954年(昭和29年)東京都に生まれる。85年東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院教授を経て、現在、立正大学文学部教授。専攻は哲学。著書に、『論理学』(東京大学出版会)、『心と他者』(勁草書房/中公文庫)、『哲学の謎』『無限論の教室』(講談社現代新書)、『新版論理トレーニング』『論理トレーニング101題』『他者の声 実在の声』(産業図書)、『哲学・航海日誌』(春秋社/中公文庫、全二巻)、『はじめて考えるときのように』(PHP文庫)、『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』(哲学書房/ちくま学芸文庫)、『同一性・変化・時間』(哲学書房)、『ここにないもの――新哲学対話』(大和書房/中公文庫)、『入門!論理学』(中公新書)、『子どもの難問――哲学者の先生、教えてください!』(中央公論新社、編著)、『大森荘蔵――哲学の見本』(講談社学術文庫)、『語りえぬものを語る』『哲学な日々』『心という難問――空間・身体・意味』(講談社)などがある。訳書にウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波文庫)、A・アンブローズ『ウィトゲンシュタインの講義』(講談社学術文庫)など。

「2018年 『増補版 大人のための国語ゼミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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