メディチ家 (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061494428

作品紹介・あらすじ

勃興期の謎、富と栄光の黄金時代、そして君主・教皇への道-ルネサンスを演出した名族五百年の興亡。

感想・レビュー・書評

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  • 2011/3/21 予約 3/29 借りる 4/13 結局読みきれず返却
    面白そうだったが・・・。

    放送大学 芸術史と芸術理論 8 イタリア・ルネサンス美術 で 講師がすすめた本

    内容 :
    出版社/著者からの内容紹介
    勃興期の謎、富と栄光の黄金時代、そして君主・教皇への道――ルネサンスを演出した名族500年の興亡!

    メディチ家の紋章の由来――メディチの紋章(金地に数個の赤い球を配する)の由来については、2つの説がある。
    ひとつは、「メディチ」(Medici)の家名そのものが示すように、彼らの祖先は医師(単数medico/複数medici)ないし薬種商であり、赤い球は丸薬、あるいは吸い玉(血を吸いだすために用いる丸いガラス玉)を表しているという説である。
    もうひとつは、メディチ家をフィレンツェ随一の大富豪にした当の職業、すなわち銀行業(両替商)にちなんで、貨幣、あるいは両替商の秤の分銅を表しているという説である。
    家名の本来の意味を考えれば、医師・薬種商の出身で、丸薬を意匠化したと見るのが自然であるが、
    13世紀以降の医師・薬種商組合の史料にメディチの一族が登録していた形跡はない。
    しかし、一方、貨幣ないし秤の分銅を意匠化したと考えることは、銀行組合(両替商組合)の紋章と比較すると疑問が生ずる。
    なぜなら、銀行組合の小円板のモティーフは明らかに貨幣を意匠化したものだが、
    そこでは小円板はコイン状の平板な形状を示しているのにたいし、
    メディチの紋章では、当初からヴォリユームゆたかな半球状の球(パツラ)が並べられているからだ。
    ――本書より

    著者 : 森田 義之
    1948年神奈川県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修了。
    ヴェネツィア大学講師などを経て、愛知県立芸術大学教授。イタリア美術史・都市史専攻。
    著書に「メディチ家」など。

  • イタリア旅行前の本① メディチ家というとルネサンス期のパトロン一族というイメージしかなかったけど、フィレンツェという都市国家、トスカーナ地方で君臨した政治的側面を初めて知った。政治的衝突が多かった地方において、慎重に存在感を増していった時期、経済力をヨーロッパでその名が轟くほど広げた時期、教皇を何人も輩出したのち、スペインやイギリスの勢力拡大に圧されてしぼんでいった時期。矛盾を抱えた人が多くて、それが一族の両面性を編み込む糸の一つになっている。

  • フィレンツェで政治・経済・文化を牽引したメディチ家の約500年(1260年頃~1742年)に及ぶ一族の歴史が書かれている。

    本書には数多くの芸術家の名前が登場するが、その誰もがメディチ家と関係を持っていたというのも凄いことだ。改めてその影響力の大きさに溜息が出る。


    特に注目するのは15世紀の「ジョヴァンニ」「コジモ」「ピエロ」「ロレンツォ(・イル・マニフィコ)」の4代だ。メディチ家が最も繁栄した時期であり、一族の政治力や財力に加え、当主の人文学的教養や芸術への深い造詣なしでは、イタリアルネサンスは存在し得なかっただろう。

    また、長男「コジモ」から連なる系譜に、次男「ロレンツォ(=ジネヴラ・カヴァルカンティ)」から連なる系譜の「ピエルフランチェスコ」「ジョヴァンニ(・イル・ポポラーノ」「コジモ1世」などが次第に食い込みはじめる。二つの大きな系譜がフィレンツェだけでなくイタリア全土あるいはキリスト教世界を舞台に協調や反目しあうのも面白い。

    それにしてもメディチ家には「コジモ」「ピエロ」「ロレンツォ」「ジュリアーノ」といったファーストネームを持った人物が多すぎる。美術史系の書籍を読んでいて誰が誰やら分けが分からなくなる。そんな時のために本書巻末の『メディチ家家系図』が便利。


    歴史的名著「ルネサンス画人伝(ヴァザーリ著)」、この時期の演劇に関する数少ない日本の文献「ルネサンスの聖史劇(杉山博昭著)」、ルネサンス末期の工房で働く少女を描いたコミック「アルテ(大久保圭著)」など、フィレンツェに於けるイタリアルネサンスを描いた著作物を読む際の副読本として必携だ。

  • フィレンツェとともにあった1300年〜1700年のメディチ家歴史概論。多くの歴史的事実が記され、各人物の人となりもわからなくはないが、どうにも事実に拘り過ぎてて感情味がなく、教科書的。いや教科書としては間違いなく正しいのだが、<a href="http://mediamarker.net/u/akasen/?asin=4334034691" target="_blank">名画で読み解く ハプスブルク家12の物語</a>のような主観バリバリの視点を楽しんだあとだと、やや物足りなさを感じる。
    また、政治宗教芸術などの周辺事情に関しては全体観がなく、一度限りしか出てこない人名地名も多いので素人向きではないが、細かな名称まで記載してあるので参考資料として役立つ。しかしこれだけ精緻に書かれても、誰の時代がどれだけの力を持っていたのか、規模感がわかりにくい。『数値で見るメディチ家の勃興と凋落』みたいなの求む。

  • 中世ヨーロッパの勉強のために購入。
    メディチ家の流れを知るには良い。
    ダ・ヴィンチのパトロンとして有名なこのメディチ家がどのような一族であったかを知るために最適。

  • 再読の価値ありです。

  • 特に突出した個人についての面白いエピソードを深く紹介ということは少ないが、メディチ家の流れを追うという点では最適。
    半ば伝説化している人物もいるが、淡々と流れを追っている点はよいと思う。
    小説的な楽しみ方は他の本で。

  • やっぱり人が出てこないと歴史ってうまくひっかからない。そういう意味ではメディチ一族の足跡を追いながらなんとなくルネサンスのガイドラインみたいなものが頭の中にできた気がする。気がするだけだけど、とっかかりは大事。

  • 他のメディチ家について書かれた本と比較したわけではないので、ベストなどと書くつもりはないが、個人的には読みやすく感じられた。これだけの年代を一冊で扱っているため、詳細については別本が必要になるのも仕方がないと思うが、メディチ家を取り巻く重要な事象は描かれているように感じられた。

  • 何か忘れた美術展の売店で買った。作品を作るにはお金がいる。ものすごく少ない知識の中で、パトロンと言えば・・・というので買ってみて読んでなかったが、イタリアに行く機会に持っていった。

    行ってからフィレンツェに行くことになった。
    結局読まずに帰りの飛行機で読んだ。
    名前が入ってこないので飛ばして読んだ。
    まあ、帰りで良かったかもしれない。
    ああ、あれはこうだったんだ
    と思えることがちらほら。

    そしてまた行かねば。

    人の能力や運命ってなんとも言えない。

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著者プロフィール

愛知芸術大学文学部名誉教授/イタリア美術史

「2021年 『マニエーラ・イタリアーナ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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