シュタイナー入門 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061494589

作品紹介・あらすじ

学校を問う!神秘を問う!思想を問う!巨人、待望の入門書。「いのちの神秘の法則性」を説いた思想家シュタイナー。その本質を平明に語り思想史の中で捉えなおす。

感想・レビュー・書評

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  • シュタイナー教育に、興味があったのですが、シュタイナーさんが書かれた『子どもの教育』で、完全に挫折しました。(笑)当時は、子どもをシュタイナー学校に入れようかと考えていて、体験会とかも行ったんですよ。かなり真剣だったんですが・・・。(汗)

    結局、子どもは普通の小学校に入ったのですが、どうも学習障害っぽい。そこで、改めてチャレンジしたのが、この本です。

    まず良かったのが著者自身が、「シュタイナーについて、まだ良くわからない部分はある」と、言い切っているところでした。そういう立場から、シュタイナー教育、その根本に流れる考え方、そしてシュタイナーという人物を解説しています。ドップリ浸かっていない感が、私には調度良かったです。


    結論から言うと、シュタイナーは「霊能者」だったってことでしょう。ただし、自分が教祖となり祭り上げられる学校ではなくて、そういった宗教じみたオカルトの話は禁止されていて、「自分で考え、自分で判断する 主体的な人間になっていく」ことを目指しています。そこは、チャンとしているわけです。

    そうすると元々私が興味を持ったイメージを多用した学習やゆったりしたペース配分なんかも生きてきます。理屈は違うんですが、これって『絶対学力』の糸山先生がいっていることと同じなんですよ。なるほどなぁ〜って感心しました。

    「その学校は歓迎され、その思想は敬遠される」っていうのが良く分かりました。学校に入れることはしませんが、家庭でシュタイナー教育的に接して行きたいと思います。

  • シュタイナーを知る入り口として読んでとてもわかりやすかった。
    他の思想家との比較や著者自身の理解や戸惑いなども書かれていて親しみやすい。
    科学と思想を繋げた。

  • ユング以上にオカルトに近づいた思想家であるシュタイナーは、アカデミズムの研究からシャット・アウトされ続けてきました。とはいえその思想は、20世紀初頭、多くの作家や芸術家たちに影響を与えたことは間違いありません。熱狂的なシュタイナーの礼賛ではなく、思想史的な観点から冷静にシュタイナーの思想を解説しているような入門書を求める読者は、けっして少なくないと思います。

    本書は、必ずしも思想史的観点からの議論に尽きているわけではないのですが、思想史的な概観もある程度含まれており、そうした読者の要望にある程度まで答えてくれる本ではないかと思います。そうした意味では、比較的バランスの取れた入門書といえそうです。

  • 03095

  • 読んでてどきどきした。すごく読みやすいし、おはなしも面白いし。

    僕は精神世界みたいな話好きだなーと思った。

    確かにシュタイナーの思想には非科学的でオカルティックなにおいを感じるかもしれないけど、彼の中で論理が一貫しているという点では別にそれでもよいんじゃないかと。彼の中には彼の思想が本当に見えてると思う。

    忘れることの大切さ。覚えてもすぐ忘れちゃうといって恐れている生徒に伝えてあげたくなる。
    夢を見ることの原理。以前恋人が僕に教えてくれた意味不明な理論と一致していて驚いた。
    死後の話、びっくりしちゃったけど、たぶん合ってる。


    ただ、入門であるにしてもちょっと軽すぎたかな。もっと彼の思想に深く入り込んでいきたい。
    入り口としては良書だったので、他の本でシュタイナーの思想をより深く。

    著者の西平氏、奥付にあるよう東大助教授だと思って読んでて、読み終わってから彼の消息を調べていたら、いまはうちの大学に所属しているらしい。授業もぐってみよう。

  • [ 内容 ]
    学校を問う!
    神秘を問う!
    思想を問う!
    巨人、待望の入門書。
    「いのちの神秘の法則性」を説いた思想家シュタイナー。
    その本質を平明に語り思想史の中で捉えなおす。

    [ 目次 ]
    第1章 シュタイナー教育の実際―自由ヴァルドルフ学校からの問いかけ(「エポック授業」と「八年間一貫担任制」;子どもの自由と教師の権威 ほか)
    第2章 シュタイナーの生涯(独学のスタイルの確立―若き日のシュタイナー(1861‐1890)
    模索の三十代―誠実ゆえの大混乱(1891‐1900) ほか)
    第3章 シュタイナーの基礎理論―『神秘学概論』を手がかりとして(認識論―シュタイナーの学問方法論;人間論―「物質体」「エーテル体」「アストラル体」「自我(私)」 ほか)
    第4章 思想史の中のシュタイナー―思想史的測定の試み(思想的背景―「認識論としてのゲーテ」と「神智学」;同時代の思想状況の中で ほか)

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  • やっぱわかんねえ。
    が感想。

    ドイツ人と結婚してるもんで「あらードイツー?いいなー。オーガニックとか盛んだよね。シュタイナーとか」ってたまに言われるので、はあ、って思ってたんですが、どうもスピリチュアル系か英才教育とは違うけど子供を自由に伸ばしたいのよ的なママなイメージが多くて避けてました。

    さて、この著者も興味はあるけど?なんだよね〜的なので、そりゃーオイラがわかるはずもない。つか原著を真面目に読んだ所で膨大すぎてわかりっこないよね。

    やっぱりどうしても、霊的なもの、自分で掘り下げて感じるしかないモノをシステマティックに整えているへんが余計にキモチワルク、オイラにはダメっぽい。なんかわからないけど、スゴイチカラがあるんだよそこに!って方がまだシンパシーが。

    ま、いっか。あと一冊入門的なの借りてきてるんだけどどーしよっかなー。

  • 入門以前

  • シュタイナー教育の一番大きな特徴はエポック授業⇒集中したひとまとまりとして学ぶ(忘れることの大切さ)
    教師は芸術家でなくてはならない

    シュタイナー教育は非常に興味の沸くモノである。。。


    「偉大と思われるものなら、たとえ立場は違っても賞賛を拒んだりすることはなかった」「その人の価値を認め上手に付き合っていく」
    「異質なものと対立するのではなく、相手の立場をその内側からたどって理解する」⇒ 同化 ⇒ 解釈

  • 前々から気にはなっていたものの最後のほうを読み飛ばしたせいか、いまいちしっくり来なかった。まあ、それだけシュタイナーの思想が難解というかオカルトよりというかそういうことなのかもしれない。

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著者プロフィール

1957年生まれ. 専攻, 教育人間学, 宗教心理学, 死生学, 哲学. 現在, 京都大学教育学研究科教授.
著書,『エリクソンの人間学』(1993), 『魂のライフサイクル──ユング・ウィルバー・シュタイナー』(97), 『教育人間学のために』(2005), 『世阿弥の稽古哲学』(2009, 以上, 東京大学出版会), 『無心のダイナミズム──「しなやかさ」の系譜』(岩波現代全書, 2014), 『誕生のインファンティア』(みすず書房, 15), 『稽古の思想』(2019), 『修養の思想』(2020), 『養生の思想』(2021, 以上, 春秋社), 『東洋哲学序説 井筒俊彦と二重の見』(ぷねうま舎,2021)ほか.

「2021年 『東洋哲学序説 西田幾多郎と双面性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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