ゲーデルの哲学 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 54
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061494664

作品紹介・あらすじ

あなたが矛盾しないことをあなたは証明できない-人間の理性に限界があることを証明し、神の存在証明をも行った"アリストテレス以来の天才"。その思想の全体像を、はじめて平易に解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • ひと通り読み終えたは読み終えたが、読んだだけでは理解度は低いと感じた。何かしら自身で「考える」という実践が有用に感じた。

    これまでゲーデルについて知っていることといえば、概念を素朴に捉えたもの(不完全性定理とは証明不可能なことである)だけだったので、特に奥深さを持たなかったが、こうした単純な認識が揺さぶられたのでその点はよかった。

    不完全性定理に限らず、いわゆる「ヒュームの懐疑論」と呼ばれるものや、メタの問題、無限の扱い(本書でのユークリッド公理5)との関係など、おもしろそうなんだけど、つい先を急いであまり考えずに読み進んでしまう点は反省。

    論理学の本てせっかく買ってもつい先を急いであまり考えずに読み進んでしまう。思い悩みながら読んだほうがいいのに、読み終わってから「深く考えながら読めばよかった」と思い悩む悪い習慣。

    https://twitter.com/prigt23/status/1044200671728168960

  • 不完全性定理について”文系”的に一番よく書かれている本だと思う。不完全性定理というのはとかく文系の人には拡大解釈されがちだが、適用範囲がきちんと限定された数学的な定理であって、決して”「うそつきのパラドックス」を数学的に言い換えたもの”ではない。この本をちょっとていねいに読めばそのことがわかるだろう。(読みたいことを読みたいように読み飛ばせばどんな本を読んでも同じことだが)
    ゲーデルのかんたんな伝記や晩年の思想についてもふれられたとてもコストパフォーマンスのよい入門書。

  • 読み終えた。
    しかし、ただ読み終えただけであり、数学が出てくるところで私の理解をこえるところになった。

    誰が読んでもわかりやすいようにという趣旨で、新書という形で発行されたようだが、何というか自分の知性を恥じる読書体験になってしまいました。

    現代思想は本当に面白(そう)い、と思うのだが必ずそこには数学や科学の存在がある。文系の頭が拒絶するのか、単に私がアホなのか、それはわかりませんが、大いなる壁である。

  • 読み応えのあるゲーデル本。やはり縦書きの本であり、不完全性定理の証明のテクニカルな側面よりも、歴史的な背景と哲学的な意義について詳しく解説している。1930年のケーニヒスベルク会議と、1951年のギブス講演について詳細に書かれているのがとても嬉しい。ケーニヒスベルク会議は、ヒルベルトの記念講演「自然認識と論理」に加えて、数学基礎論における3学派(論理主義、形式主義、直観主義)の討論会が行われたり(フォン・ノイマンも講演している)と、華々しく開催されたのであるが、皮肉なことに、ゲーデルが初めて不完全性定理のアイデアを公表したのも、このケーニヒスベルク会議だったのである。結果的に数学界では受け入れられなかったブローウェルの「直観主義」が、ゲーデルにインスピレーションを与えたというのも、歴史的な皮肉としか言いようがない。

  • ゲーデル概論。完全性定理、不完全性定理と神の存在論的証明の概説からノイマン、アインシュタイン、ウィトゲンシュタイン、チューリングらとの人生の総括まで。
    初心者向けであり、読んでいる間はなんとなく理解した気になれるのだが、振り返ってみると自分で説明が可能だとは言い難い。
    これは勿論、新書として入門に最適な分量に収めている本書のせいではなく、自分の知識不足。
    理解したいという意欲は十分に得られるので、これを機に一から学びたい。

  • 【目次】
    はじめに [003-012]
      本書の主題と構成
    目次 [013-015]

    I 不完全性定理のイメージ 017
    1 真理と証明 018
      アナロジーとパズル
      ‎外科医のパズル――問題
      将軍‎のパズル――問題
      ‎外科医のパズル――解答
      ‎将軍のパズル――解答
      ‎チンパンジーのアナロジー
      ‎ナイトとネイブのパズル――問題
      ‎ナイトとネイブのパズル――解答
      ‎ナイトとネイブの発言のパズル――問題
      ‎ナイトとネイブの発言のパズル――解答
      ‎真理の対応理論
      ‎命題論理
      ‎モダン・トレンスのパズル――問題
      ‎モダン・トレンスのパズル――解答
      ‎妥当性と錯誤
      ‎法廷のアナロジー
    2 不完全性定理と万能システム 037
      悪の天才のアナロジー
      ‎憲法第九条のパズル――問題
      ‎憲法第九条のパズル――解答
      ‎証明と公理系
      ‎LOVEパズル――問題
      ‎LOVEパズル――解答
      ‎ペアノの自然数論
      ‎述語論理
      ‎ナイト・クラブとネイブ・クラブのパズル――問題
      ‎ナイト・クラブとネイブ・クラブのパズル――解答
      ‎ゲーデルの証明
      ‎ゲーデルの証明の意味
      ‎万能システムのアナロジー
    3 自己言及と自意識 066
      ワニのパズル――問題
      ‎ワニのパズル――解答
      ‎自己言及のパラドックス
      ‎信念と自意識
      ‎双子のパズル――問題
      ‎双子のパズル――解答
      ‎ぬきうちテストのアナロジー
      ‎様相論理
      ‎ぬきうちテストのパラドックスと不完全性定理
      神の存在‎のパズル――問題
      ‎神の存在のパズル――解答

    II 完全性定理と不完全性定理 089
    1 ウィーン時代のゲーデル 090
      父ルドルフ・ゲーデル
      ‎母マリアンヌ・ゲーデル
      ‎兄ルディ・ゲーデル
      ‎少年時代
      ‎ウィーン大学
    2 ウィーン楽団とヒルベルト・プログラム 104
      集合論
      ‎論理主義
      ‎ウィトゲンシュタイン
      ‎ウィーン楽団
      ‎形式主義
      ‎完全性定理
      ‎アデル・ゲーデル
    3 不完全性定理の反響 121
      カルナップの日記
      ‎直観主義
      ‎ケーニヒスベルク会議
      ‎不完全性定理の誤解
      ‎精神的危機

    III 不完全性定理の哲学的帰結 135
    1 プリンストン時代のゲーデル 136
      選択公理と一般連続体仮説の無矛盾性証明
      ‎ウィーン脱出
      ‎プリンストン高等研究所
      一般相対性理論の回転宇宙論解
      アメリカ合衆国永住
    2 ギブス講演 155
      アインシュタイン賞
      ギブス講演
      数学基礎論における若干の基本的定理とその哲学的帰結
      人間は機械か
      数学的真理と客観的実在
    3 数学的実在論 169
      反機械論と客観的実在

    IV ゲーデルの神の存在論 177
    1 晩年のゲーデル 178
      親友の死
      神学的手紙
      一般連続体仮説に関する信念
      ゲーデルの死
    2 ゲーデルの遺稿 195
      ドウソン目録
      ゲーデルの哲学的見解
    3 神の存在論的証明 203
      アンセルムスの存在論的証明
      ア・ポステリオリな論証
      デカルトの存在論的証明
      ゲーデルの存在論的証明(一九四一年頃)
      ゲーデルの存在論的証明(一九七〇年)
      ゲーデルの存在論的証明の意味

    V 不完全性定理と理性の限界 221
    1 不完全性・非決定性・停止定理 222
      テューリング・マシン
      不完全性定理以降の進展
    2 人間機械論争 232
    3 真理のランダム性と神の非存在論 235
      アルゴリズム的情報理論
      神の非存在論

    おわりに(高橋昌一郎 一九九九年四月二十八日――ゲーデルの生誕九十三周年を祝して) [243-246]
    参考文献 [247-254]

  • S410.96-ゲン-1466
    000374140
    ものの本によると、「食通」の行きつく所は、「ホヤ」だそうである。ならば、「知」の行きつく所はゲーデルの「不完全性定理」であろうか。

    「すべての真理を知る無矛盾な存在を神と呼ぶならば神は存在しない」(哲学者グリムは不完全性定理による神の非存在論を証明した)
    「不完全性定理を証明したために彼は病気になったのか、あのような業績のためには彼の病気が必要だったのか」(数学者フルトヴェングラーの言葉)

  • 初ゲーデル。集合論におけるラッセルのパラドックスやチューリングマシン、神の存在証明など論理学の興味深さを思う存分味わった。前半のアナロジーは若干難しいが、メタ視点や集合論における自己言及の破綻を思い起こせば深くはなくとも理解はできる。論理学は強烈なツールであることを改めて感じた。カントとヒュームが示した演繹法と帰納法の限界についてさらに知りたくなった。

  • 不完全性定理について新書レベルの解説を期待して読み始めたが・・・第2章からはほぼ目的を失ってしまうことに・・・面白かったけど・・・次を探します。

  • 最初が面白かったので、
    不完全性定理をわかりやすく説明してくれているいい本だと
    のめり込んでいったが、

    途中から完全ストップ。
    何度読んでも分からない箇所が続出。
    あとは鈍行運転で、なんとか終了。

    不完全性定理は不完全にしかわからなかった。

    数学と哲学はつながっているようだ。

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著者プロフィール

1959年大分県生まれ。國學院大學教授。専門は論理学・哲学。ウエスタンミシガン大学数学科および哲学科卒業後、ミシガン大学大学院哲学研究科修了。主要著書は『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』『ゲーデルの哲学』(以上、講談社現代新書)、『東大生の論理』(ちくま新書)、『小林秀雄の哲学』(朝日新書)、『哲学ディベート』(NHKブックス)、『ノイマン・ゲーデル・チューリング』(筑摩選書)、『科学哲学のすすめ』(丸善)など。超自然現象や疑似科学を究明するJAPAN SKEPTICS副会長。

「2018年 『愛の論理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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