- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061494824
「家族」と「幸福」の戦後史 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評
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こういう話を聞きたかったんだよ~
江東区も「郊外的」となると、まあそういう意味でも郊外は全国的ですよね。都市ってどこのことだろうね。それこそ千代田区みたいにオフィスしかないところ、職住一体の下町。人が住むだけじゃないところ。住民以外の者の侵入を拒まないところ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
郊外になんの恨みがあるんだ…と思うような後半の無根拠な郊外disを除けばまぁまぁ面白かった。郊外の誕生、アメリカと日本の郊外の関係、などなど。
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戦後のアメリカで始まり、やがて日本にも波及した、郊外に家を構え、消費生活を楽しむという家族のスタイルの成立を、多くのデータを通して明らかにするとともに、そうしたライフ・スタイルにひそむ問題点について論じた本です。
郊外に暮らす家族の消費が、社会の安定と正当性を示すという「アメリカン・ウェイ・オヴ・ライフ」は、しかしながら多くの専業主婦たちに空しさを感じさせることになったと著者は言います。こうした問題を逸早く指摘したのが、ベティ・フリーダンの『女らしさの神話』でした。その後、若者たちは郊外の価値観を打ち砕くエルヴィス・プレスリーを熱狂的に受け入れるようになっていったと、著者は論じています。
アメリカに20年から30年遅れて、日本でも消費革命が始まり、人びとは郊外の生活の豊かさを享受するようになりました。しかし、やはりそこでも人びとは満たされない思いを抱えていると著者は指摘します。郊外には共同性や歴史を育むはずの「世間」が存在せず、そこでの価値観から零れ落ちていく少年たちを受け止める緩衝装置が存在していないのです。こうした問題が、郊外を舞台に頻発する少年犯罪の遠因になっているのではないかと、著者は語っています。
前半のデータを駆使した実証的な論証と、後半の著者自身の印象に基づく記述との間に、少しギャップを感じました。 -
郊外という問題が犯罪を生んでいる、という論など、ほんまかー??と思いつつも全体的には納得させられた。今まで郊外について勉強してきたと思っていたのに、まだまだだったと唸らされた。郊外論の入門書、と筆者は言っているけど、それにしては初めの方の章は出来事の羅列なので少し重たいかなあ。しかし面白かった。社会学面白い。
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マイホーム、アメリカ、郊外住宅、理想、現実超える、副題がテーマを示しているようだ。
夢の部分はアメリカの事情説明。アメリカから持ち込まれたもの、アメリカでは企業が作ったもの、万博という形を借りて、国、世界の幻想となったものである。後半、日本の郊外地域では、郊外に住むことの問題点が発生する。精神的なもの、それが大きな社会問題となり、事件が発生する。
本書の書かれた時代では、それが当てはまったのかも知れないが、今ではそうとも言いがたい。事件は郊外に限ったことではない。個人による、根深い部分があるのかもしれない。まあ、環境が人生を作るとも言うが、あてはまるところも、原因もあるのかもしれない。
個人の幸せは、個人単位となった。家族と分かつものではない。 -
[ 内容 ]
家庭内でそれぞれ孤立する夫・妻・子供たち。
アメリカ的豊かさの象徴であるはずの「郊外」生活が、戦後日本にもたらしたものは何か。
[ 目次 ]
第1章 マイホームという神話
第2章 ニューヨーク万博と郊外・家族
第3章 レヴィットタウンとアメリカの夢
第4章 冷たい戦争と暖かい家族
第5章 郊外への反乱
第6章 55年体制の中の郊外
第7章 郊外という問題
第8章 郊外を超えて
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
最後の2章くらいはオリジナルの主張で面白かったけど、前半はほとんど文献のつなぎ合わせみたいな感じ。戦後史と銘打つくらいで歴史を振りかえるからそんなもんなのかな。ニュータウンに対峙する街として高円寺が紹介されてました。今後に注目。
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大好きな先生にすすめられて読んだ本。
視点がまことにとっては新しくてすごく面白かった。
何回か読み返したい一冊。 -
一通り触れることが出来て楽しかった。初めて郊外論に触れたからという面もあるかもしれない。
郊外というものが単に住宅の問題だけでないし、実にさまざまな問題と絡み合っている様子が良く分かった。
アメリカで第二次世界大戦後爆発的に人気が出たのはすでにニューヨーク万博でプロパガンダが存在した。
そのニューヨーク万博では理想の未来、住宅として郊外が打ち立てられ、都市は働く場所として住む場所は離れた郊外の場所として打ち立てられた。
そこではきれいな緑・空気があった。たしかに、郊外というものが産業革命期の都市の劣悪な環境へのアンチテーゼも存在した面もあった。
また都市と郊外は自家用車で結び付けられた。またそのための道路や高速道路建設も進められた。
他にも郊外の生活のイメージとして、新しい理想のアメリカン・ウェイ・オブ・ライフがメディアを通じて大量にばら撒かれた。理想の家族像としてのホームドラマ、例えば「パパは何でも知っている」「うちのママは世界一」「陽気なネルソン」「ビーバーちゃん」などである。
政治的には郊外は反共の手段ともなった。格好の例が台論争であり、大衆消費社会の豊かさの恩恵を享受することで共産主義に走らない事をねらい、ロケットやミサイルで負けても大衆消費社会に豊かさで勝負しようとした。
ところが、実際に郊外に家が建てられると、どれもが同じ形の家がそれこそ理路整然と密集して同じように立てられていた。実際1960年代に成ると問題が噴出した。例えばフリーダンは郊外の主婦に「名づけようのない問題」が存在していると指摘。
日本ではどうか。アメリカの豊かさが貧しかった日本はまさにアメリカに後を追い続けた。アメリカで郊外が普及してから20年後に日本で普及し、アメリカで問題が噴出してから20年後に日本でも問題が出た。まさに20年のタイムラグを持って同じことが起きた。
最近の少年犯罪も郊外の合理的過ぎる空間が関係しているのではないかと著者は指摘する。仕切りが多く、役割付けがされており、機能的で合理的な人間らしくない空間が郊外なのである。
ベッドタウンという名がつく様に、まさに寝るための場所であり、例えば父親が働く姿なども見たことがない。郊外には身体性がない。昔と違って他人の子どもを怒らなかったりするのも郊外の特長である。
と、こんな感じだろうが。なかなか勉強になりました。
強いて言うならば、浸透の様子がわからないというのか。ニューヨーク万博から民衆に郊外が広まっていく様子、日本がアメリカを追随して郊外が浸透していく様子、つまり中落ち感というのか、それがあるようで残念。といってもこれは新書の範囲外かもしれない。
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