- 本 ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061494855
作品紹介・あらすじ
考える力をみるみる引き出す実践レッスンとは?いいかえ要約法、箇条書き構成、らしさのショーアップなど情報の達人が明かす知の実用決定版。
私の好きな読書法──私はしばしば「目次読書法」という読み方をする。本をペラペラめくってしまう前に、比較的ゆっくり目次を眺めるのである。……そして目次をよみながら著者が書いていそうなことを想像する。むろん勝手な想像であるのだから、あたっていなくともよい。こうしておきながらやおらパラパラとページをめくり、自分の想定とのちがいを見る。そうすると、最初に想定したことが多少はあたっていたり、まったく予想はずれになることもあるのだが、その想定距離と実測距離との差異が読書を加速させ、立体化させるのである。……鉛筆やボールペンで本のページをマーキングすることも多い。……マーキングのしかたにはだいたいルールがあって、重要箇所を囲むばあいの線の種類や、固有名詞と概念名詞を区分けするマークや、あとでその1冊をさっと見て思い出せるようにしておくマーキングなど、いろいろ用意してある。──本書より
感想・レビュー・書評
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『知の編集術』松岡正剛氏
1.購読動機
松岡正剛さんの著書だからです。
本屋にいくと彼だけのスペースがあります。
その書籍内容、タイトルの広さにまず関心がいきました。
一冊めがこちらです。
理由は、仕事を通じて文章を書く機会があるからです。
2.書籍のお得度
松岡正剛さんが知るところの編集とは?を定義から方法論まで開示してくれているところです。
3.こんな方にオススメ
松岡正剛さんに関心があるひと。
また、関心がなくても、文章を読むよりも書く方面に関心があるひと。
そんな方にはオススメです。
4.文章における分母と分子。
たとえば、彼はピアノがうまい。
この文章を
プロのピアニストのなかで
とするか?
会社員かつピアノ演奏家として、
とするか?
そう、主体の文章 分子にたいして、分母をどのようにするか?で、読み手の印象は大きく変化するということ。
5.最後に
松岡正剛さんの読書方法も記載あります。
だから、なかなか読み応えある書籍です。
#読書好きなひとと繋がりたい
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知の編集術
著:松岡 正剛
紙版
講談社現代新書 1485
編集という言葉を、広範にとらえ、情報を加工し、人々とコミュニケーションを行う手段として捉えています。
情報をどのように取り出し、編集し、さまざまな局面にいかすようにできるかを、編集術といっています。
気になったことは、以下です
・編集には、堅い編集と、柔らかい編集とがある
堅い編集 印刷やVTR,コンピュータの機能や属性を活かした編集
柔らかい編集 人間の感覚や知覚、言葉やしぐさ、行動によって理解されたり、伝わっていく編集
・編集の基本的な技法、地、図、がある
地:情報の地模様
図:情報の図柄
・情報の解決の糸口は、幾つもの主題を結び付ける「あいだ」にあって、その「あいだ」を見出す「方法」こそが重要である
・カイヨワの遊びの4分類
①アゴーン:競争
②アレア:サイコロ遊び
③ミミクリー:真似
④イリンクス:めまいをともなう自己編集的な遊び、ディスコなど
遊びにつきまとう2つの状態
パイディア:興奮の状態
ルドゥス:忘我の状態
「面白いから、我を忘れて、興奮しながら遊ぶ」
・嘘の効用:欧米では離婚は難しい、離婚した夫婦は、夫から殴られたことにして、裁判所に訴える
裁判官も、わかっていて、それを認め、離婚を認可する これが効用である
・2つの編集術
コンパイル:ある法則性、相互関係性を保ちながら情報を加工する
エディット:自由な幅をもって情報を加工する
・編集とは、要約と、連想である
【要約】
・箇条書きにしてみる
・要点をつかむ
・プレゼンテーションスタイル 言明型のプレゼンテーション、暗示型のプレゼンテーション
・らしさのショーアップ⇒略図型原型をイメージする
ステレオタイプ:典型性
プロトタイプ:類似性
アーキタイプ:原型性
・要約編集のための6つのモード
①重点化モード ⇒ダイジェスト
②輪郭化モード ⇒ガントチャート、アウトライニング
③図解化モード ⇒図表化
④構造化モード ⇒システム図、フロー図
⑤脚本化モード ⇒シナリオ化
⑥報道化モード ⇒要約化
【連想】
・連想ゲーム、伝言ゲーム
・3つの連想化
①ひとつの事項から、たくさんのイメージ・オプションが想定される
②最初に浮かんだイメージがすばやく選択されている
③他人の提供した案に相乗りするしかない
・大切な「いいかえ」、同義性の拡張、意味のシソーラスつくり という
・12の編集用法
①情報を収集分類
②情報を系統樹やネットワークにする
③情報群をモデル化、シミュレーション化する
④情報を入れ換えして、意味を多発、もしくは、沈静させる
⑤情報の多様性にオーダやルールが生まれるようにする
⑥情報を年表、地図、図表にする
⑦情報群に引用、注釈を加える
⑧演劇や音楽などを編集する
⑨デザインや修飾をほどこす
⑩異文化コミュニケーションを可能にする
⑪ゲームやスポーツなどを作る
⑫遊びのための編集を行う
・編集八段錦
①区別する
②相互に指し示す
③方向をおこす
④構えをとる
⑤見当をつける
⑥適当と妥当
⑦合意を導入する
⑧語り手を突出させる
・ストーリ展開
①発端
②継承
③転回
④結末
・スクリプト、定番のプロット
①故郷からの旅立ち
②困難との遭遇
③目的の察知
④彼方での闘争
⑤彼方からの帰還
・未知の情報を、ブラックボックスから、推定する
①単語の目録
②イメージの辞書
③ルールの群
・知の略号、知の記号を、ツール群として活用する ⇒エディトリアル・ギア と称す
・対象となるテキストを、言語、記号、図解まじりの1枚のノーテーション(記号、略号をつかったもの)にまとめる
【結論】
1 編集は遊びから始まる
2 編集は対話から生まれる
3 編集は不足から生まれる
1 編集は照合である
2 編集は連想である
3 編集は冒険である
目次
はじめに
第1章 編集は誰にでもできる
第2章 編集は遊びから生まれる
第3章 要約編集と連想編集
第4章 編集技法のパレード
第5章 編集を彩る人々
第6章 編集指南・編集稽古
あとがき
編集稽古の原作と解説
ISBN:9784061494855
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:264ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2000年01月
2000年01月20日第1刷発行
2008年08月20日第17刷発行 -
読み終えたが消化不良気味。もう少し自分自身に落、内容を落とし込めるよう再読必須かも。
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「知の編集工学」より後に出版された本書は、著者の掲げる「編集術」の方法がより具体的かつ体系的に説明されている。
ここに書かれている「編集術」を少しづつでも実践していきたい。 -
印象に残ってるのは、オリジナリティにこだわると編集はできないという言葉。オリジナリティを疑うのが編集だと。
僕も正直、ガンガン人を真似ます。ただ、真似きれるほどの器用さがないので、その妙なブレこそ個性なのかなとか今は思ってます。 -
あらゆる情報を自分たちの役に立つようにしていくことを編集という。
人間の歴史は情報の歴史であり、編集の歴史。
編集で最も大事なことは、事実や事態や現象のあいだにひそむ関係を発見しつなげていくこと。
これは読書についてもいえることであり、
網目のようにつながっている単語と単語、文と文、本と本のあいだの関係を連結させていくことだ。読めば読むほど面白くなる。連結が強化され深くなり拡がるからだ。
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一回読むだけじゃ咀嚼しきれない。期間を空けて何度か読めば理解が進むんやろうかって感じ。
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著者が提唱する「編集工学」の基本的な発想とそのテクニックを、分かりやすく解説した本です。
編集工学的世界観と編集術の間に明確な区別を設けることなく両者を説明しているところに、本書の特徴があります。編集工学は、世界を情報の集積とみなし、私たちが世界の中でおこなっているあらゆる活動を、情報を切り取り、つなぎ合わせることで、新たな意味を作り出していくプロセスとして捉えます。
具体的なテクニックを学ぶための本というよりは、「編集」という観点から世界を見るということがどのようなことなのかを知るための本と言ってよいのではないかと思います。 -
第1章 編集は誰にでもできる
第2章 編集は遊びから生まれる
第3章 要約編集と連想編集
第4章 編集技法のパレード
第5章 編集を彩る人々
第6章 編集指南・編集稽古
著者プロフィール
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