知の編集術 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.43
  • (66)
  • (95)
  • (219)
  • (28)
  • (9)
本棚登録 : 1744
感想 : 140
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061494855

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著者主催の勉強会に際し通読。

  • 編集とは何であるのかを、知の巨人である著者がさまざまなジャンルを超えて手ほどきしている。
    編集とは安易な整理術ではないと否定し、編集とは情報を創発する行為だと著者は述べる。それは情報から、何を新しく感じ取ることができるかが重要だからということだ。そして俳句、歴史書、ビジネス書、歌詞など、ありとあらゆるジャンルの事例を引っ張り挙げて編集術を論じている。それらを横断して引っ張り出すことのできる著者の知識の広さは圧巻だ。
    また、編集稽古と題して練習問題を挙げながら編集を理解してゆくのがおもしろかった。この本は編集を指南する教科書ではなく、極めて実践向けの練習ドリルに近いと思った。

  • 編集術は人生の様々な局面で生きるって言いたいんだろうけど、生きることと編集することって同義じゃない?ってなったら編集って言葉の強さが弱まってただの思考トレーニング本に感じて読む気がなくなりました

  • 10年ぶり?に読んだ。面白い。

  • 編集というオペレーションは、日常あるれている行為であり、誰もが行っている。その編集技巧を整理分類して紹介し、編集の楽しさを教えてくれる。読めば多種の編集技巧が身に付くと予感して手に取った私だが、単なる編集技巧の紹介ではなく、編集という行為を分類/体系化し「工学」として捉えなおすところに視点があるらしい。知的好奇心を刺激される一冊。

  • P88「編集稽古06」は必読

  • ブログ、ポッドキャストで多読な氏のことを知った。編集工学とは何ぞやと漠然とした疑問を持っていたが、この本でああ、こういうことを言っておられるのかとその一端がのぞき見ることができた。

  • 読書=編集

    編集の例の一つにに「津軽海峡冬景色」が取り上げられていることに驚かされた。

  • 始めはぐいぐい引き込まれた。
    でも後半からは私の体力が疲れたのか、結構斜め読みしてしまった。
    具体的になればなるほど、興味が減っていった。

    始めの編集とは、で「文脈」がでてきたのはおおってなった。
    あと遊びの4分類も興味深かった。
    アゴーン、アレア、ミミクリー、イリンクス。
    これは「あの人は○○がすきで、私は○○ね」みたいな趣味思考でもいえるのかな。
    全員が感じる面白さ、ってことなんだろうか。


    あとさいごのサントリーの広告がよかった。
    やっぱりプロのコピーライターの仕事はすごいな。

  • 先月の一人気まま旅の途中で、今 最も熱いたこ焼き屋 と言えるたこ阪の店主@otakohanさんよりお借りした本、

    知の編集術-発想・思考を生み出す技法/松岡正剛

    の内容を、ようやく、なんとなく掴めた。(私には少し難しく感じる本でして、その内容を掴むのに何度か読まなければならず、こんなに日が経ってしまった。)


    この本は、 「情報」 を 「われわれにとって必要な情報」=「知」 にするための 「編集」 をさまざまな場面や局面に活かしてみようという 「編集術」 について書かれた入門書と位置づけられている。(入門書なのに私には難しかった。)

    難しかったので今回は、もはや このブログのメインとなっている春秋要約と関連付けて読んでみた。


    まず「要約」というのはこの「編集」の一部であり、「要約」を掴むためには「編集」の概要について知っておいた方が良いと思い、そこについて学習。
    編集を学ぶにあたって三つの入り口があるのだが、その一つが「文化」と「文脈」を大切にすること。
    文化とは「習慣化された情報文化」であり、文脈とは「会話や出来事や状況に流れている情報的な脈路すべて」。
    つまり春秋要約を行う際なら、どのような習慣化された文化を持っている人が書き(読み)、その文章だけでなく現在の社会に流れている情報的な脈路まで何なのかを掴み、それを生かさなければならない。という事だ。
    (他二つについても書きたいのですが、ここでは伏せておきますw)

    そして「要約」だが、氏は
    「要約とは、何らかの必要な情報を絞り込みながら、その情報がもっている特長をできるだけ簡潔に浮き立たせることである。そのために切り捨てる情報と選び取る情報とがはっきりしてこなければならない。」
    と言っている。この部分は春秋要約と被っている。
    これは最近 要約をやっていて思うことなのだが、今の私の要約に足りないのは「必要な修飾語」ではないだろうか。(他にもいろいろあるとは思うが・・・たとえば主張を読みきれていないとか。。。)

    最後に、この稽古方法についても書かれているので、春秋要約時に併用して使えそうなものを幾つか挙げてみる。
    キーワード選びの方法
    ・・・どんどん読み進めながら、自分でこれはキーワードだなと思う言葉を囲んでいく。で、また読み返す。するとキーワードだけでなく、前後の言葉や章句も目に入ってくる。
    記号を使って図式化
    ・・・記号上手はノート上手と言っているが、その前に書かれている「良い図解例の見分け方」が気になった。その見分け方とは、矢印のはっきりしている図解を選ぶという事だ。そしてその矢印の意味が書かれていれば、尚良い。これを選ぶ時に使うんじゃなくて、逆に利用すればいいと思う。

    春秋要約と関連付けると、大まかにはこのような感じだが、他にもこの本には、
    ・編集がどのような場面で生まれ、使われているのか。
    ・具体的な編集技法。
    ・要約とは反対に連想する方法。
    ・これからの編集はどうあるべきか。
    等の事が書かれており、私のバイブルとなりそうである。

    何度も読んでいけば、何度でも新たな発見ができそうな本であり、今度は実際に購入し、キーワードに丸を付けながら読み進んでいきたい。

全140件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

一九四四年、京都府生まれ。編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。一九七〇年代、工作舎を設立し『遊』を創刊。一九八〇年代、人間の思想や創造性に関わる総合的な方法論として″編集工学〟を提唱し、現在まで、日本・経済・物語文化、自然・生命科学、宇宙物理、デザイン、意匠図像、文字世界等の研究を深め、その成果をプロジェクトの監修や総合演出、企画構成、メディアプロデュース等で展開。二〇〇〇年、ブックアーカイブ「千夜千冊」の執筆をスタート、古今東西の知を紹介する。同時に、編集工学をカリキュラム化した「イシス編集学校」を創設。二〇〇九~一二年、丸善店内にショップ・イン・ショップ「松丸本舗」をプロデュース、読者体験の可能性を広げる″ブックウエア構想〟を実践する。近著に『松丸本舗主義』『連塾方法日本1~3』『意身伝心』。

「2016年 『アートエリアB1 5周年記念記録集 上方遊歩46景』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松岡正剛の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島由紀夫
ジェームス W....
深澤 直人
中沢 新一
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×