交渉力 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061495098

作品紹介・あらすじ

立場・利害の異なる者同士が、要求と譲歩を重ねながら、たがいに納得できる共通の着地点を探るプロセスが交渉。そのメカニズムとマネジメント方法を明らかにして、成功のために必要な具体策を提示。

感想・レビュー・書評

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  • 中嶋洋介著「交渉力」講談社現代新書(2000)

    「交渉にも理論がある」という軸から書かれた本である。個人の経験をベースにした特殊なモノが多い中で、交渉術ではなく交渉理論を展開しようとしている本書の内容には一見の価値はある。個人的に私の仕事の多くは海外企業との交渉。確かに個人の経験をベースに進めてしまうことが多くあるため、個人的には大変貴重な内容である。

    *交渉が勝つか負けるかのサバイバルゲームではない。交渉は対立の解消と合意を目的とする社会行動である。交渉には要求と譲歩があり、要求のための譲歩がなされるなど、理性的な大人の立ち振る舞いが要求されるのだ。
    *交渉は当事者感の提示された初期の要求から、交渉可能領域を推定しながら進めて行く。そのため、最初の要求を高く提示しておくことは非常に重要なことである。日本人はこれがなかなかできない。理由は、日本人独特の謙遜や恥の感情にある。
    *交渉は、地味で目立たないものの方が結果がすばらしいということを理解しなければならない。交渉リーダーが最終決定者であっても自分には組織内に報告すべきボスがいると装うことも有効な交渉戦術である。ところが現在の交渉ではこの逆のケースが目だし、交渉相手に自らの力を誇示し、自分が最終決定者ということを隠さないばかりか、交渉相手に譲歩までしてしまう。交渉相手に賞賛されることで満足している交渉が目立つためだ。交渉相手にに賞賛されるとは、交渉相手から脇の甘い人物と評価されていることと同義語である。
    *交渉におけるプレゼンテーションで大切なことは説明する内容を交渉相手を主語にして徹底して言い換えることである。これは単なる言葉の問題ではない。交渉相手を主語にして説明を組み立てるときに、交渉相手の抱えている問題点が見えてくるからである。交渉相手の抱えている問題点が見えてくれば、プレゼンテーションの内容を相手のの立場から表現し直すことは容易である。

  • [ 内容 ]
    立場・利害の異なる者同士が、要求と譲歩を重ねながら、たがいに納得できる共通の着地点を探るプロセスが交渉。
    そのメカニズムとマネジメント方法を明らかにして、成功のために必要な具体策を提示。

    [ 目次 ]
    第1章 交渉の時代(「交渉学」が必要とされる時が来た;オレンジをめぐる交渉理論 ほか)
    第2章 交渉のプロセスとメカニズム(交渉の構造;交渉のクリティカル・パス ほか)
    第3章 交渉のマネージメント(交渉の責任者;交渉は総力戦で ほか)
    第4章 交渉と説得(理性軸と非理性軸の交渉;交渉のツール ほか)
    第5章 交渉学への期待

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