キリスト教と日本人 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 40
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061495517

作品紹介・あらすじ

由比正雪も大塩平八郎もキリシタン?仏教はキリスト教起源かその逆か?歴史に投影された珍説奇説を通して描く、受容の精神史。

感想・レビュー・書評

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  • 日ユ同祖論など、キリスト教にまつわる珍説・奇説を数多く取り上げ、日本人がキリスト教に対してどのような「幻想」を抱いてきたのかを、歴史的に明らかにした本です。

    まず取り上げられているのは、司馬遼太郎の『空海の風景』(上下巻、中公文庫)でも触れられていた、空海が唐への留学中に景教と接触していたという伝承です。また、聖徳太子にまつわる伝説とイエスにまつわる伝説の類似に注目した諸説が紹介されます。このほか、江戸時代や明治以降に流布した、キリスト教と仏教の影響にまつわるさまざまな伝承が挙げられています。

    本書の最後のところで著者は、「あて推量で書くが」と断った上で、第一次世界大戦を境に民族自決論が唱えられるようになり、各民族の文化的な主体性を尊重する文化相対主義の隆盛を見るようになった結果、他民族からの感化を重視する文化伝播論的な発想がしだいに遠ざけられていったと述べています。しかし本書で取り上げられたさまざまな伝承が示しているのは、自分たちの文化的なルーツがここではないどこかにあるのではないかという「幻想」を、日本人が抱き続けてきたのであり、キリスト教はその受け皿として機能したという事実であるように思います。

  • 由井正雪がキリシタン!妖術で有名だったが、当時キリシタンも奇跡の物語と風貌とそして西洋文明の不思議さでそのように見られていた!?仏教は唐時代に景教(キリスト教ネストリウス派)から伝わったなど常識を破る主張の数々。また江戸時代の儒学者たちはキリスト教と仏教を同根と考えていたという。熊沢蕃山、新井白石、司馬江漢ら。そして幕府の御用学者・林羅山さえも仏教はキリスト教同様に危険と考えていた。平田篤胤はキリスト教の影響を受けていたという話もかなり有名です。学問的であるようで、ないようで、雑ぱくなよもやま話としても楽しく読めます。

  • 多神教の日本では一神教のキリスト教はひろまらなかった。

  • [ 内容 ]
    由比正雪も大塩平八郎もキリシタン?
    仏教はキリスト教起源かその逆か?
    歴史に投影された珍説奇説を通して描く、受容の精神史。

    [ 目次 ]
    第1章 幻想のネストリアン(アダムと空海 世界のなかの高野山 ほか)
    第2章 異端の魔術(天草騒動と由比正雪 謀叛人、あるいは売国奴 ほか)
    第3章 仏教と神道と(江戸のアレクサンダー・ロマン 仏教異端説 ほか)
    第4章 ユーラシアのなかで(日本人とユダヤ人 フランス・ルネッサンスの大奇人 ほか)

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    [ 参考となる書評 ]

  • ユダヤ人はロシアで迫害されていたから、日露戦争のときに日本を支援してお金を出した。だから日本はロシアに勝てた。こんなことだからユダヤが世界を征服しているなんて言われる。
    日本ではなぜか仏教学校よりもキリスト教系学校の方が人気がある。駒沢より上智、佼成学園より青山学院。不思議だね。

  • 烏兎の庭 第一部 書評 6.4.04

    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto//uto01/yoko/inouey.html

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