神道の逆襲 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061495609

作品紹介・あらすじ

日本人は神さまとどのようにつきあってきたのか。古代から近世、そして今に至るまで、多様に展開された「神の形而上学」を検証。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの過激さとは裏腹に、穏便で真っ当な一冊。

    「反転した世界」と表現される、日常の中にある「非日常」。
    冒頭で述べられる、神道の本質は「そこ」にこそある、という著者の主張には、深く納得した。
    昨年くらいから神社巡りをしているので、そのことがよく分かる。
    鳥居をくぐって境内へと入った瞬間に、そこは「日常」の風景では無いのが感覚として分かる。
    しんと凪いだ空気や、ぴりっと張った雰囲気。
    そのような「場」を準備することで、日常の非日常を感じさせてくれる場所が、神社という場所なのだと思う。
    「そこ」が大事なのではなく、「それ」が大事。

    また、伊勢神道だけではなく、吉田神道や垂加神道などといった様々な教説を丁寧に解説してくれているので、神道が辿ってきた歴史がすっきりと見えた。

    神道は、日本の風土や気候と密接に絡み合った宗教なのだなと改めて思った。
    日本人が持っているメンタリティの根幹も、本書に書かれているような神道に依るものが大きい気がする。
    とはいえ、そこには「フィードバック」という要素も多分にあるんだろうな、とも思うけれど。

  • 神道とは何なのか.身近なはずなのによくわからない.そんな疑問を解消すべく本書を購入.
    読んだけどやっぱりよくわからないというのが正直な感想だが,新しい知見も得られた.

    日本人にとって,神様はお客様.突然どこからかやって来て,おもてなしした後に帰っていただく.これがすごいしっくり来た.
    仏様とかキリストの神様のような,いつも見守ってくれてるとか,全知全能のスーパーマンとか,なんかちょっとしっくり来ない.
    でも,お客様と考えるとその距離感や重要性含めてしっくり来る.我々は神様を接待して,要は神様のご機嫌を取りながら生きているのだ.

    御伽噺の話も興味深い.日本の御伽噺が説くのは,神様に愛されるのは「無分別としての正直」を持った人間である.それは平たく言うと,子供のような純真無垢さを維持しているということ.子供のまま大人になった人間を推奨する神道.

  • 神の存在の曖昧さを考えると、この国それ自体の曖昧さをも考えざるをえなくなる。
    天照大神、天皇、日本、戦争、アメリカ…。


    「自分以外にも人がいる」から、他者があったから、思想が生まれ、神が生まれ、国家が生まれ、天皇が生まれたという気がしてならない。
    要するに。
    怪しい、不吉な「他者」を疑う心の働きが、歴史そのものなのではないか。
    自らの安心・安定こそが追求すべき正しい事柄であるとして、様々な「ラベル分け」によって、時には排除によって、人類は幸福(とされるもの)を獲得してきた。
    世間で事実とされている歴史の正体って、実はその程度のものなんじゃないのか。

    「その程度」のものの表面のみをすくい取って、教科書に貼り付け、それを事実であるとしているだけなんだけど、学ぶ気力のない人間は(楽をしたがるから)本当にそれを信じて、おしゃべりを始める。

    その無気力さが、神の曖昧さと交わって尊王攘夷思想に結実したのが、この島国の歴史。
    「〜主義者」とやらに都合よく、歴史がねじ曲げられた。


    歴史は、「あるようでない」の代表格。


    「あった」としても、それは物凄く個人的な性質を持っているはずだ。


    その個人的な編集作業を誰にどう引き継ぐのか、自分が参加したい社会をどう築きあげるのか…。
    そういう「気付き」に歴史性が宿り、遺伝し、物を語らせ続けるんだと思う。



    「もののあわれ」、「かなしさ」を人の最も根源的な神がかった経験であるとした本居宣長は、個性の重要さに気付いていたのではないか?

    悲しさは、無常観とは違う。

    喪失する悲しみが、自分がどれだけ「未完」であるかを物語るからだ。
    「未完である」から、「可能性」がある。

    子供の存在はただただ正しくて、どこまでも未完成。
    だから、「世界は、生まれたもの、すなわち本来的に子供であるところの存在者を愛しかわいがる為に存するのである。(P270)」




    おれは民族主義者でもなんでもない。

    国家、民族、性別、宗教。

    誰の目から見ても明らかな、人間の(最低限の)共通した性質、よく似ている部分を利用することでしか自分を主張出来ない、他人との違いを確認出来ない人というのは、悲しい人間だと思っている。


    「個性」の大切さを知ると、自らの所属する社会のルーツを知る必要性が生まれる。

    「学びたい」という欲求が、とても解り易い姿で目の前に現れる。
    時々、快楽も一緒に現れる。

  • ●非常に難しい内容だった。結局のところ神道とは何なのだろうか。

  • まず、目次を見て何が書かれているのかイメージできない。それで興味関心を持つ人もいれば、どういう論旨で書かれているのか?と困惑する人もいるだろう。内容的にも比喩というか例え話が脱線的で少々読みにくかった。ただし、世界観や系譜の図表はわかりやすくてよかった。

  • 途中で挫折、近いうちに再度チャレンジ。

  • 哲学がないとよく言われる神道を解説していく内容。

    日本人の魂を理解するのには役立つか?

    でも、内容難しい。

  • 【目次】
    はじめに [003-005]
    目次 [006-009]

    第一章 神さまがやって来た 011
    神さまはお客さま/神のあらわれ/外部から来る者/祭祀の力/風景の裏側/神の定義/神道をどうとらえるか

    第二章 神道教説の発生 047
    二つの大神宮/神道五部書/天皇系譜の裏ルート/幽契の構造

    第三章 神国日本 065
    日本は何の国?/「神国」の用例/神を祭る国/武によっては成りがたし/神の国の真のすがた/乱から治への反転

    第四章 正直の頭に神やどる 091
    正直爺さんは良い人か/神に愛される者/無分別と正直/正直の託宣/左の物は右に移さず/子どもの目は正直

    第五章 我祭る、ゆえに我あり 113
    祭祀から宗教へ/神道界の怪物、吉田兼倶/元本宗源唯一神道/究極神・国常立尊/形而上学としての神代紀/我祭る、ゆえに我あり/吉田神道の儀礼/我即神の行法

    第六章 神儒一致の神道 143
    上下秩序と神道/儒学者山崎闇斎/朱子学の理論/究理と持敬/心身一致の工夫/敬は臣下の道/神を迎える心身

    第七章 神道の宗源は土金にあり 169
    土金の伝授/神道の道徳化/君臣合体守中の道/日本という心身/猿田彦神の教え/聖人としての天照大神/景色の裏側の道徳

    第八章 危ない私と日本 195
    歌と祭り/私情の発見/『万葉集』の理想世界/高く直き心/漢意批判/「いづ」(武)と「にぎび」(和)/素戔鳴的人間像

    第九章 人はなぜ泣くのか 217
    泣き叫ぶ子ども/本居宣長の物のあわれ論/物語としての思想/一生のまこと/真実在と黄泉国/形見としての世界/亡き母を求めて

    第十章 魂の行方 247
    死者はどこへ行くか/平田篤胤の神道説/伊邪那美は生きていた/火のケガレ/幽冥界と大国主命/死後の幸福/幽冥界のありか/子どもを大切にする思想

    結び 神さまの現在 271
    神々の近代/鉄腕アトムと『ひょっこりひょうたん島』

    あとがき [279-281]

  • 20140415

  • 20140303途中まで。いずれ再読。

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著者プロフィール

2021年5月現在
東京大学名誉教授。皇學館大学特別招聘教授。

「2021年 『幕末維新英傑伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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