学級再生 (講談社現代新書)

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著者 : 小林正幸
  • 講談社 (2001年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061495616

作品紹介

「学級崩壊」はなぜかくも広がったか。問題解決と予防のコツとは何か-。教育臨床心理学の現場から説く、画期的「教育再生論」。

学級再生 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

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  • 2001年刊行。◆今風に言えば、小一プロブレム(その中でも学級崩壊)を中核としつつ、いわゆる荒れの問題を、過去の状況との比較を交えながら解説し、さらには対応策(特に教員向けに)を論じたもの。◆遊び集団の縮小、異年齢集団の消滅といった現代の子どもを取り巻く社会的状況が、彼らの社会性・対人関係能力の滋養を妨げ、結果、学級崩壊が生じたと見ているのが本書だ。詳細な解読は説得力を持つ。◇もし本書が言うように学級崩壊の要因が社会的要因であるならば、プロ教師の会が言うような処方箋では全く歯が立たないだろう。
    ◆著者のいう社会的現状に鑑みると、もし、学校が子どもに社会性を修得させることから撤退すれば、その役割を果たすものが激減し、大きな損失だ。他方、社会性は強者・権力者が暴力的・威嚇的に振る舞うことで、身につけさせ得るわけではない。人間関係の多様性はそのような一義的・単線的なものではないからだ。◆仮に集団生活をする場として学校が存在意義を持つならば、社会性を身につけるためのプログラムを学校が用意することはありうるだろう。◇が、一方で、社会性を身に付けさせる場の根底に家庭・親族・地域にあることも否定できない。
    ならば、社会、特に家庭との連携を強化するために、学校で策定したプログラムを保護者に正確に告知する必要があるだろう。◇とはいえ、そのプログラムの有効性ははっきりしない(結果が出るのは何年も先のこと)以上、今の保護者はプログラムに対する選択の機会を要求するのだろうな、と感じる。◆しかも、広い意味での学力の基礎に、真似ぶ=社会性が措定されるなら、単線的・画一的で、社会関係の実とは程遠い、現状の対面型の教科教育のスタイルを維持し続けるか、どの程度維持するかすらも、議論の俎上に載せなければならないと感じるところ。

  •  本のタイトルを、学級崩壊ではなく学級再生にしたのはいいですねえ。マイナス思考ではなく、プラス思考というのが大事だと思うわけです。

     この本を読んで本当に学級崩壊を防げるのか、それは誰にも分かりません。なぜなら、学級崩壊の原因や何やらをいくつかのパターンに分けるのは困難だろうし、パターンに分けられないものを、またいくつかのパターンで対応しようというのも無理な話だから。でも、なるほどそういう見方、考え方もあるのかと読者に気づかせてくれるだけの根拠と、解決方法と、説得力は提示されています。

     特に私が面白いと思ったのは、学校で起こる「荒れ」を、時代ごとに整理しているところ。私の出身中学も、お昼のワイドショーで取り上げられるくらい荒れていましたが、それは、今の荒れとは少し違うということがよく分かりました。
    そういう分析的な見方をするだけで終わってしまっては意味がありませんが、少なくとも、事態を解決するために、事態をより詳しく、正しく把握しようとする試みは無駄ではないはずです。

     今まさに学級崩壊を抱えている教師が読むのでは遅すぎますが、当面心配はないと思っている人が、自分の見聞を広めるために、ゆったりとした気持ちで読んでおくのは価値があるのではないでしょうか。

  • [ 内容 ]
    「学級崩壊」はなぜかくも広がったか。
    問題解決と予防のコツとは何か――。
    教育臨床心理学の現場から説く、画期的「教育再生論」。
    「学級崩壊」を予防し、解決する必須ノウハウ!
    学校は子どもを守れるか。

    [ 目次 ]
    第1部 なぜ今「学級崩壊」なのか(学校の「新しい荒れ」と「学級崩壊」の現状 学級崩壊・新しい荒れの歴史的経緯)
    第2部 学級崩壊のメカニズム(「学級崩壊」「新しい荒れ」が子どもに与える影響 学級崩壊・新しい荒れの形成・維持のメカニズム)
    第3部 学級再生のコツ(問題解決の基本的なコツ 問題が深刻な段階で教師が行うこと ほか)
    第4部 学級崩壊や荒れを予防するには(学級崩壊、荒れの予防と社会性の育成 学校を心地よい場にする ほか)

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