民族とは何か (講談社現代新書 1579)

著者 :
  • 講談社
3.60
  • (4)
  • (10)
  • (16)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 116
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061495791

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 古本ワゴンでいつぞや買ったまま積ん読だったのを読んで見た。「民族の概念はイギリス宗教改革から誕生した」ってのはおもしろい。いや、オイラが知らんだけで常識なのかも知れんけど、オイラは知らんかった。で、フランス革命の混沌、ドイツでは「ドイツ国家」という受け皿がなくて「ドイツ民族」が成立しなかった、ってのも。そういやナチスは「民族」ではなくて「人種」か、とか。かなり難しいし、オイラも二度読んでもどれくらい理解できてるかはアヤフヤだけど、理解できた範囲はおもしろい。ただ、最後の日本、東アジアについての章は蛇足のような気が。

  • 【民族の定義を考えなおす】
    世界がグローバル化すると国家間の国境がなくなり、世界が一つになるかと思えば、逆に国家間の対立は強くなっている。

    国家は国民をより一国家人として認識するよう要求し、人々は「国籍なんて関係ないよ〜」と表面的には表明しながらも、何かあれば国家にすがろうとする。

    今後インターネットがさらに加速して普及する中で、世界は「民族」をどのように捉えるようになるのだろうか。

    国家は国民に対して、平等を提供する存在として君臨している。国民は普段それをあまり意識していないが、国家間の緊張が高まると、つまり国家の危機が近づくと、それを意識するようになる。

    「国家がなくなれば、自分の権利が危ない」

    そう思う国民は、国家の存続を願い、それを脅かす敵国に対して戦いを挑もうとするだろう。

    人々にとって国家が不可欠な存在であるかぎり、民族紛争は終わることがない。

  • 歴史や思想史の前提知識がないと読み進めるのがキツイ・・・---2008.11.12

著者プロフィール

1944年東京生まれ。通信社勤務を経て、著作活動にはいる。
プラトン、シェイクスピア、ルソーらの根底的な読みなおしをとおして、独自の西欧近代主義批判を構築。19世紀以来われわれを呪縛しつづける進化イデオロギー(マルクス主義もそのひとつ)の克服、歴史をつくってきたさまざまな思想の役割を明らかにすることライフワークとしている。
〈著書〉『プラトンと資本主義』(1982、北斗書房、品切中)、『ハムレットの方へ』(1983、北斗出版)、『資本主義』(1985、影書房)、『野蛮としてのイエ社会』(1987、お茶の水書房、品切中)、『世紀転位の思想』(1992、新評論)、『左翼の滅び方について』(1992、窓社)、『国境なき政治経済学へ』(1994、社会思想社)、『教育、死と抗う生命』(1995、太郎次郎社)、『歴史の学び方について』(1997、窓社)、『みんなのための教育改革ーきょういく基本法からの再出発』(2000、太郎次郎社)、ほか。

「2000年 『みんなのための教育改革』 で使われていた紹介文から引用しています。」

関曠野の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×