ロボットの心-7つの哲学物語 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 263
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061495821

作品紹介・あらすじ

ロボットも心は持てる-脳科学や哲学の最新理論をふまえつつ、機械、知性、道徳など現代人の課題に迫る思考実験。

感想・レビュー・書評

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  • 哲学初心者の自分には少し難しく感じた。しかし、<素朴な物理主義><素朴なメンタリズム>という2つの考え方に触れられたことと記号論に<統語論><意味論><語用論>の3分野にわかれるということが知れて良かった。

  • ちょっと読みにくい。
    ストーリーが入っていたりするのが合わない。あと書き方もちょっと読みにくい。もう少し直球で書いてもらった方が自分はよかった。

    内容はやや古いものの、よい箇所もあった。
    チューリングテストについては書籍が少ないために話だけは伝わっている状態でしたが、細かく記載があり面白かった。

    また「理解したという実感」についての記述もなかなか面白かった。

  • 2017.3.3
    ロボットの心を考えるということは必然、普段自明視している人間の心、認知作用についても理解を深めることなのだということがよくわかる本。ロボットの心を巡る歴史的な論点を遡りながら、最初は人間らしい応答のみ、次に必要なのはロボットと対話者と「世界」であるという発見、1to1で対応している情報処理ではなく複数の神経が同時に複数の神経に作用するという人間のニューロンを真似たコネクショニズム、そしてその神経の重さを判断するためのクオリアの問題…。とても刺激的だった。
    人間は、特に私のような頭でっかちは、自分の意識作用、心の作用を十分に理解していないからこそ、その「当たり前」の機能に安心できず、意識的な頭の使い方を考えた結果、ロボットの心によっていっている面があるなと思った。脳の一部を切除し感情を無くしたサラリーマンが、感情に惑わされない合理的判断ができるようになったかと思いきや、何も判断できなくなった、様々な状況に応じた論理的推論による答えが頭の中に生まれるが、そのうちどれが正しいのかわからない、という彼の説明は、脳を切り取ったわけでもない私にも非常に共感できるところがあった。我々もまた、その時その時の判断を合理的にだけ行なっているわけではないのであり、最終的な複数の選択からどれを選ぶかという基準は、まさに感情、好き嫌い、クオリアの部分がある。これがなくなれば、我々は考えることはできても、選ぶことはできなくなる。思考はできても、判断はできなくなるのである。論理的に頭を使って考えるのではなく、そういう言葉を積み重ねての思考だけでなく、感じること、そういう、感覚的な、直感というものもまた大切なのだと、思わされた。言語化できず、人に伝えられないからと言って、それが存在していないことにはならない。伝えられないからといって、その感じることの価値が、伝えられる論理的思考に劣るわけでもない。むしろ自分にとって大切な問題は、論理で突き詰めに突き詰めた結果、言葉では届き切らない部分での感じによって、判断されるのかもしれない。
    専門的な話も多いが、論理の流れとしてはそこまで難しいわけではない。最近、「ニーアオートマタ」というゲームが発売されたが、あれでロボット、アンドロイドの心とはみたいなことに関心を持った人は、読んでみると面白いかもしれない。私はそのタイプです。

  • ロボットは心を持つのかという問いを中心に、心の哲学にまつわる話題について、解説と考察をおこなっている本です。

    各章の冒頭にはショート・ストーリーが置かれており、それにつづいて著者の議論が展開されることになります。ショート・ストーリーは、サールの中国語の部屋や、デネットのフレーム問題にまつわるロボットの話など、よく知られているものも多いのですが、どれもおもしろい例になっていて、関心をかき立てられます。

    チューリング・テストやニューラル・ネットワークの解説は、おおむね概説の範囲にとどまっていますが、感情とクオリアと倫理にまつわる話題がとりあげられている最後の二章では、著者自身の立場がある程度はっきりと押し出されているように感じました。著者は感情を、さまざまな認知モジュールが果たす機能を相互調整する機能という、いわば二階の機能として理解できると考え、感情のクオリアをそこに位置づけます。さらに倫理的判断に関しては、善悪のクオリアが感情機能の調整をおこなう第三階のクオリアとして理解できるのではないかという説を提出しています。

    文章にもユーモアがあり、おもしろく読める心の哲学の入門書だと思います。

  • ロボット工学とか科学の本だと思ったら完全に哲学の本。哲学が苦手な私には難しかった。いや、多分、この本も十分平易に噛み砕かれて書かれているんだろうけど。もう少し簡単な哲学入門書で勉強してから、出直してきます…。

  • Thu, 16 Jul 2009

    本書は9年ほど前に書かれたものだ.

    記述自体は,この手の本のなかでは読みやすく,さくっとしているので,良い.

    とはいうものの, いろんな議論で余白にツッコミを入れてしまった.

    哲学者が議論を展開するときに 「もし~なら,~だろうか?」 という議論の立て方がある.

    しかし,そこの前提が「あきらかに,それはない」っていうもんだったら, その議論自体が意味を成さないように思う.

    前件部が偽の論理式は,恒真式(トートロジー)だ.

    例えば,

    「他の人と体はそのままで心がいれかわったら,どちらがあなただろうか? 」

    みたいな質問があるが, それは無理なので,問う価値は無い.

    ヘリクツのように思うかもしれないが,身体と精神は結合している.身体的経験と脳神経系の自律適応的活動を通して創発しているのが私という人格であり,それはオートポエティックなシステムである.

    脳移植が技術的に可能になる事があり得るのかどうか,脳外科医でない私は分からないが, 「心を移す」といわずに,まだ,「脳を移植したら?」という問いならまだわかるかもしれん. 哲学者ならわかっているだろうが,前件部が偽の問いは全て真である.

    と,まあ,ネガティブな事を書いたが, シュルドゥルの事や,知能に於ける身体の必要性など,けっこう良いことも書いているし,特に間違った事を書いているわけではないので,「比較的」良い本かもしれない.

    ちなみに「7つの哲学物語」という言葉にだまされてはいけません.単純に7章構成ってだけだと思います.

    ちなみに,途中から出てくるけど 「クオリア」ってやっぱり未だに何のことか分からない..

  •  やはりロボットは人間の外殻を映し出す鏡。
     哲学と共に、人間の真理を解き明かす一助になる存在です。

     返却期限が迫ったので、急いで読破することになりました。本作を購入して手元に置くか検討中。難解でしたが、きちんと理解する価値のある内容でした。

  •  科学分野的な話かと思いきや、実はバリバリの哲学分野の話でした。
     簡単に言うなら、「私たちの脳内で普段から行われているやりとりを、ロボットの電子頭脳内で同様のことをさせようとしたら、どうすべきか」という問題を、哲学の方面からアプローチを試みたらこうなった、という内容。しかし、これがそう難しくもなく、面白い。
     私たちが普段無自覚にしている「思考」は、例えるなら「百足の脚」だ。百足が、なぜたくさんの脚を自由に動かせるのか、と問われ、それを自覚して考えれば考えるほど、脚を自由に動かすことができなくなってしまう……、という話。
     ロボットに私たちと同等の思考をさせるならば、まず私たち自身の「思考」とは何なのか、を考えなければならない。しかしそれは、実は途方もない難題なのだ。
     もしロボット工学、特に人工頭脳に興味があって、この本を読みたくなったら、PLUTO (プルートウ)を先に読んでおくことをお奨めする。きっと理解とイメェジの助けになってくれるだろう。

  • 実家に落ちていた本シリーズ
    ロボットに心はあるのか→そもそも人間の心って何
    と論理が進む.
    おもしろいけど難しい

  • これも卒論。
    将来的に人間機械論の証明の時代がくるという可能性は十分残っている。

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著者プロフィール

柴田正良(金沢大学教授)

「2013年 『自閉症の倫理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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