現代アラブの社会思想 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061495883

作品紹介・あらすじ

なぜ今、終末論なのか。なぜ「イスラームが解決」なのか。学術書からヒットソングまで渉猟し、苦難の歴史を見直しながら描く「アラブ世界」の現在。

感想・レビュー・書評

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  • 2011/7/1
    アラブの思想はなかなかわかりにくい
    もっと読まないとダメか

  • 須賀敦子と親しいドイツ文学者の息子さん、という理由で購入し読まずにいた初版を押入れから引っ張り出してきた。

  • 2001年のアメリカ同時多発テロの翌年に著された同時に至るアラブ、特にエジプトの社会思想についてまとめた書。第三次中東戦争後のアラブの思想界の苦境と、著者自身、偏りがあることを認めつつも、特にイスラーム教における現代の終末論をまとめているのが特徴。少なくともアラブ世界の一面を示しているのだと思います。

  • 面白いは面白い。内容は詳細。
    だいたい流れも掴めたが、もう少し分析対象の期間を長くして、アラブの思想を概観できると良かった。

  • (「BOOK」データベースより)amazon
    なぜ今、終末論なのか。なぜ「イスラームが解決」なのか。学術書からヒットソングまで渉猟し、苦難の歴史を見直しながら描く「アラブ世界」の現在。

  • 緻密に公開資料を大量に読み込んでいくことで積み上げられる議論。手法がすごい。

  • 2002年刊。同時多発テロ前後のイスラムアラブの西欧・国連(平和維持活動含む)・キリスト教への対抗や反抗の根底にある民衆意思を解読すべく、そのバックボーンとなる社会思想を史的淵源から解明しようとする。著者は国際日本文化研究センター助教授。内容は些か偏頗に感じるが(イラク・バース党やペルシア・イラン革命等の、アラブ民衆への思想的意義の指摘が少ない)、テロ行為に向かう彼らの心性の一部を垣間見うる。また、一神教の終末思想につき、イスラムのみならず、ユダヤ・キリストも含めてコンパクトに解説。個人的にこの点は有益。

  • 著者の別の書籍が好きだったので。9・11事件直後の本のため内容は若干古いが、充分今にも通ずる。アラブ現代史の原点と言われる1967年6月に起きた第三次中東戦争をどうアラブの民が受け止めたか説明している。大まかに二つの流れがあり、一つがマルクス主義に基づく人民闘争論。提唱者は先の戦争の敗北をプチブルジョア政権に求め、プロレタリアート人民の闘争を呼びかけた。この動きはパレスチナ解放運動にも発展した後、世界各国の革命の失敗により自滅したが、イスラエルを仮想敵とした陰謀論として形を変え禍根は残った。もう一つの流れが宗教信仰回帰主義。「イスラームこそ解決だ」と提唱した楽観的なイスラーム主義が、後のイスラーム原理主義の台頭を促したのではないかと作者は言う。カラダーウィーによって提示されたあくまで諸々の問題が解決した状態の理想論、結果は提示されるが手段は一切明示されない楽観主義がイスラームのパラドックスを現しており非常に面白かった。これらの流れが高まる終末意識・陰謀史観・オカルト思想に繋がったらしいが、現在はどうなっているのか気になる限り。

  • 出口治明氏の著作の中で勧められていたことから興味を持ち、読んでみた。

    アラブ社会の根っこにある思想を、アラブ世界の著作物等を読み解く中で明らかにしていく。

    イスラーム主義=楽観的(理想的社会と現実のギャップを埋める必要性を認めない)で排外的(イスラーム的なものと外来的なものを区別し、後者にアラブ世界の問題点を一方的に帰責する)なもの。
    これらは、『コーラン』や『ハディース集』自体には、社会や制度に関する規範が具体的に示されていない一方、イスラーム教徒は、「イスラーム=教徒の全生活を規定する包括的システム」であると信じており、多様な要素を「イスラーム的」なものとして構想できることから生じている。

    本書が出版されたのは2002年であり、イラク戦争、アラブの春、ISILの台頭等には当然触れられていないが、現代のアラブ思想(前記イスラーム主義や、イスラーム教がもとより胚胎し、現代でも流行する終末論)が抱える問題点が、これらの事態にも深く関係していることがよく分かる。

    アラブ・イスラーム入門としておすすめ。
    第9刷にしてわずかながら句読点にミスがあったのは気になったが、難解な記述なども無く、とても読みやすい文章。

  • ISILに関して騒がれ始めた頃から色々なメディアに出てためになる解説をしてくれているイスラム政治思想の専門家の名著(らしい)。
    アラブの人々がどのような思想を背景にしてときには過激な行動をとっているか、わかり易く解説してくれており、とても参考になる。
    ・イスラエル(とそれを支援する欧米社会)に対する絶対的な敵対意識
    ・必ずしも、アラブ人=イスラム教徒ではない
    ・アラブ現代史の出発点は1967年。第三次中東戦争により、パレスチナ全域がイスラエルの支配下に入った

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