- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061496262
感想・レビュー・書評
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ややヘビーな現代文。大人が読む分には面白い。
高校生がこれだけの勉強量をこなすための時間を捻出する方が、この本を読みこなすより難しそうだ。
論文を囲碁に喩える部分は微妙だ。あらかじめ囲碁と将棋のゲーム性を理解している読者でないかぎり、この説明では腑に落ちることはないと思う。
【製品情報】
製品名 河合塾マキノ流!国語トレーニング
著者:牧野 剛[まきの・つよし](1945-2016)
発売日 2002年09月20日
定価:792円(本体720円)
ISBN 978-4-06-149626-2
通巻番号 1626
判型 新書
ページ数 240ページ
シリーズ 講談社現代新書
〈https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000147086〉
【目次】
はじめに(二〇〇二年七月 著者) [003-006]
目次 [007-009]
第1章 読みのための本質的トレーニング ―「ウロボロス型」の論理構造を学ぶ 011
納得がいかない国語のテスト
「部分が分かる」「全体が分かる」
どう納得したら「文章が分かる」のか?
「ウロボロス型」で文章が理解できる!
三島由紀夫と日本語
読解における記号論の破綻
「イイタイコト」はどこにあるか?
「長いまとめ」で文章を正しく理解する
「長いまとめ」はどのように書
くのか
例は何のためにあるのか
第2章 コード読みとキーワードで文章が読めるようになる! 077
コード読み
流行の論理コード
①反科学論コード
②言語論コード
③文化人類学コード
④二元論コード
⑤歴史・反進歩史観コード
⑥文化の否定性コード
⑦作家・作品論コード
⑧環境論コード
作家コード
①中村雄二郎
②河合隼雄
③山崎正和
④村上陽一郎
⑤山折哲雄
⑥青木保
⑦丸山圭三郎
⑧野家啓一
⑨鷲田清一
(10)大岡信
(11)小浜逸郎
(12)養老孟司
(13)森本哲郎
(14)阿部謹也
(15)外山滋比古
(16)鈴木孝夫
翻訳における外務省の大罪
「分からない言葉は辞書を引け」というウソ
評論文を読むための最重要熟語一五語
①近代
②文化・文明
③普遍(↔特殊)
④認識
⑤抽象
⑥相対
⑦現象
⑧対象
⑨両義
(10)概念――観念
(11)矛盾――逆説
(12)関係――実体
(13)非日常
(14)無意識
(15)象徴、比喩
評論文を読むための熟語
第3章 書くための本質的トレーニング 「ウロボロス型」の論理の作り方 147
将棋と囲碁の違い
歌舞伎と能の違い
暗記で小論文は乗り切れるか?
①一般論と自己中心主義
②視点とは何か
③解けない二項対立論への対応
④反論不可能な問題への対応
まとめ――小論文における「ウロボロス型」の論の作り方
①一般論にも作文にも偏らないこと
②論を作ることこそが論文の中心
③視点の存在
④抽象化が存在するか
⑤自己の論理への反省が含まれるか
第4章 論争するための本質的トレーニング――わたしの論争術 191
日本人は自分の意見を言わない
日本はフクミの文化
私の論争術①
D氏の論争のまとめ
私の論争術②
フランスの核実験まとめ
第5章 “自分が広がる”読書のトレーニング 209
声を出して読む効用
私の読んだ本
あとがき [231-233]詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
河合塾で長年にわたり現代文の指導にたずさわってきた著者による、文章の読み方、書き方の指南本です。
最初の章では、評論文の「イイタイコト」をつかむための方法を読者に伝授しています。著者は、文章のなかから同一の主張のくり返しを「A=A'」のように説明しつつ読み解く方法によっては深い理解は得られないと述べています。ここで批判されている方法には、たとえば著者より若い世代の人気予備校講師である出口汪のものも含まれることになるかと思いますが、著者は受験現代文の現状においてはそうした指導法で間に合うことも認めており、「問題は、そうしたレベルの方法でも、部分がある程度読めた感じがして、しかもそれだけで実際解けてしまう大学入試問題が、減っているとはいえかなりの数、出題されている現実のほうである」と述べています。
ただ、第二章以降の入試現代文のテーマや評論用語についての解説は、入試問題を解くためには十分なのかもしれませんが、かなり粗さがめだちます。また小論文対策の章も、指摘されているポイントなどには興味深く感じられるところも多々あったのですが、もうすこし具体的な解答例をあげて説明するべきではなかったかという印象を受けます。 -
レビューは後ほど。
現代文が伸び悩んでいる受験生は一読すべし。
随所に牧野先生の「哲学」が散りばめられてます。 -
「ウロボロス型」がまだ理解できない。もう少し考えよう。
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著者プロフィール
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