インタビュー術! (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.40
  • (20)
  • (45)
  • (88)
  • (14)
  • (2)
本棚登録 : 643
感想 : 67
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061496279

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ライター講座の宿題にて読んだ。
    珍しく著名なライターである永江朗によるノウハウ本+α。テクニックを紹介しつつ、そのテクニックが使われた紹介本が読みたくなるという、展開する新書。これは、調べものをするときに関連新書から展開させるという著者の矜持というか優しさというか。
    作り方を読むことによって、作り手側に立ったインタビューの読み方もできるようになる。世界が広がるわ。なにしろ世界はインタビューでできている。

  • 購入日:20110324

    筑波大学の講義「質的調査法」で紹介された本。

  • あらゆるところにインタビューがある。永江はインタビューはジャズのようであると書いている。リサーチし、本番にのぞむ。予定していた流れと、そこからはみ出ていく流れと。本流に戻しつつ、傍流も楽しむ。インタビューはまさにライブである。
    対象にどう斬りこむか、聞いたことをどうアウトプットするか、様々な方法がある。聞き上手に話の引き出し上手への入り口がここにある。

  • 事前準備でいやな人だいと思っても、「対面して話を聞くうちに、すっかり魅了されてしまうことがある。」
    「作品を通じて長年あこがれ続けてきたのに、実際に話を聞くと案外つまらない人だったりして」
    ずばり、思い当たります。

    インタビューを考える、インタビューを行う、インタビューを読む。
    という3本立てで考えることが大切とのこと。

    黒柳徹子と、田原総一郎の2つのパターン。
    引き出す、切り込む。

    2つの技術。
    2-3時間と30分。

    下調べ。相手と題材。題材を知らない人の方が成功する場合もある。これは、「作品を通じて長年あこがれ続けてきたのに、実際に話を聞くと案外つまらない人だったりして」からも想像できる。
    期待が大きすぎるのだ。

    30分で30項目は無理な場合が多いと思った。
    相手が話しを組み立てやすいように並べるだけでも十分なことがある。

  • ≪内容≫
    「哲学からアダルトまで」を標榜とするフリーライターの永江朗によるインタビュー論。インタビューの事前準備から実施、方法論までが筆者の経験を交えながら書かれている。

    ≪感想≫
    抽象的な心構えなどではなく、実際に使えるであろう質問の言い換えや具体的なアドバイスも随所に見られる。シャーペンぐらい持っとけ、など。
    また、インタビュイーあるいは読者との距離感についてや、ヨイショばかりで批評性が欠如した記事への不満など熱のこもる部分もあり、全体として退屈せずに読み通せた。

    第三章では過去に出版された様々な例を取り上げ、インタビューのやり方や記事への編集方法などの多様さを具体的に提示してある。個人的にはこの部分が一番参考になった。特にスタッズ・ターケル型のインタビューというのが興味深く、それらの紹介されている本にも手を伸ばしてみようと思う。

  • ・当たり前のことだけど、カメラマンはカメラマンの仕事を見る機会はあまりないし、ライターはライターの働いている姿を見られることもない。インタビュー記事がどのように作られているかを、詳らかにしたこの本を読んで感じたのは、やっぱ一緒だなあというところ。

    ・「真実は語尾に宿る」ってのは勉強になった。

    ・作家への新刊のインタビューで本を作る経緯をたずねると、読めば分かるとの返答。そんなことはインタビューイは分かっている。そうではなく、作家本人の言葉で伝えたいから聞いているのだ、というくだりは膝を打って笑っちゃった。

    ・現代のTV界インタビュー名人を黒柳徹子と田原総一朗という両極のふたりを例に出しているのだが、徹子だったら鶴瓶だろと思うのはまあ蛇足。

  • 新書らしく読み易い。かつ、面白い。それでいて、今後の参考になりそうなくらい、初心者に向けて書かれた実用書だと思う。もう一度書くと読みものとしても面白い。

  • 編集の現場をのぞく機会があり、
    インタビューの知識が必要だった。
    本書で道具や方法、心構えなど、
    基礎的なことを学んだ。

    その後、他者に、わたしの発言を文字にされ、
    意図したことと隔たり、違和感があった。
    さらには、述べていないことも追加され、
    どう受けとめればいいのか、理解に苦しんだ。

    ベテラン編集者のようだったけれど、
    プロフェショナルとは、不足を予測で補い、
    ひとつの世界を作り上げるものなのか。

    都合のいい表現と事実の関係について、
    再考するために、本書を読み直そう。
    自身の文章にも、あり得る過ちだから。

  • インタビューの実態(というほど大袈裟なものではないが)を知ったのは、中学生の頃だった。
    父親が新聞の取材を受けた。受けた割には、記事には父親が喋ったことなんて一言も書いていなかった。

    この本の中にある通り、インタビューといえば実際喋った通りに載っているもの、というイメージは確かに強い。
    そして私は、順番や言い回しを替えたりするだけでそれはもう本人の言葉では、厳密にはないと思っている。
    言葉遣いを直すだけでも、たとえばミュージシャンの口癖を知っているファンにとっては分かってしまうものだ。
    その編集作業に、インタビュアーの主観はどうしたって入るだろう。
    父親のインタビュー記事は、父親が一言も語っていない言葉で埋め尽くされ、主旨はがらりと変わり、
    インタビュアーの思い描いている船乗りのイメージに沿うように作られてい
    た。
    それは一種の詐欺なのではないかと思う。
    そのまま載せることが難しいことも、後から訂正するとライブ感が失われるということも
    理解はできるけれども。

    インタビューとは何か。
    疑問に思ったことのある人には、一度目を通してみると、「ああ、なるほどね」と思う箇所が少なくないかと思う。

  • [ 内容 ]
    危うくも楽しい活字ライブの舞台裏とは―いかに話を引き出し、書くか、豊富な現場体験と名インタビュアーの技に学び、その方法論と味わい方を伝授。

    [ 目次 ]
    第1章 インタビューに出掛ける前に(インタビューって何だろう インタビューの準備)
    第2章 インタビューに行く 話の聞き方、まとめ方(話をどう聞くか インタビューをまとめる)
    第3章 インタビューはこう読め(インタビューの舞台裏を想像す インタビューを読む楽しみ インタビューの長さ、聞き手の切り込み方―『アレックス・ヘイリー・プレイボーイ・インタビューズ』ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

全67件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1958年生まれ。ライター。書籍輸入販売会社のニューアート西武(アールヴィヴァン)を経て、フリーの編集者兼ライターに。90~93年、「宝島」「別冊宝島」編集部に在籍。その後はライター専業。「アサヒ芸能」「週刊朝日」「週刊エコノミスト」などで連載をもつ。ラジオ「ナルミッツ!!! 永江朗ニューブックワールド」(HBC)、「ラジオ深夜便 やっぱり本が好き」(NHK第一)に出演。
おもな著書に『インタビュー術!』(講談社現代新書)、『本を読むということ』(河出文庫)、『筑摩書房 それからの40年』(筑摩選書)、『「本が売れない」というけれど』(ポプラ新書)、『小さな出版社のつくり方』(猿江商会)など。

「2019年 『私は本屋が好きでした』 で使われていた紹介文から引用しています。」

永江朗の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
フランツ・カフカ
宮部みゆき
吾妻 ひでお
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×