働くことは生きること (講談社現代新書 1639)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061496392

作品紹介・あらすじ

腕のいい職人の仕事は粋で美しい。効率第一の裏で、働く人は要員に成り下がっていないか。旋盤工・作家が問う「仕事」の現在。

感想・レビュー・書評

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  • 筆者のすごいところは旋盤工をしながら文章を書きつづけたことではないかと思います。
    一作書き終えると、歯がボロボロ抜けたというエピソードにただ驚愕です。

    「動く」ではなく、ニンベンのついた「働く」という言葉の意味を考えさせられました。

  • 最後のまとめが秀逸。私の感じている不満や、モノに対する疑問。すべて書かれていた。

    よくジブリの職人や、自分が出会った職人のお爺さんのような「仕事に対する工夫」や、「溢れる熱意で仕事をする。誇りを持っている職人たち」のような人たちがやはり、存在した。
    今は大量生産の時代。多少の良し悪しは関係ない、これ位なら合格だ的な仕事も多い。
    そんな意見を私はよく耳にし、ひどく腹を立てたが、でも事情はどこもあるなと思いつつなんだかなぁというやり切れなさを感じてきた。
    しかし、そんな風に感じている事は間違いじゃなく、そういう時代として訪れていたらしい。
    後半の著者の職人の傾向に対する疑問はまさに私の感じた疑問と同じだった。
    しかし、便利さによって私は楽を出来ている。それはとても良いことだと思う。誰かが、誰かの為に工夫し楽が出来るように考えられた。良い面がある、逆に若い子達はそのまま楽な考えなくても良くなってきている(私を含めて)しかし、楽でも工夫しないといけないなと思う。でなければ成長しない。

    科学は間違っていないとは思う。やっぱり資本的な考え方とが、ねじれているのかな?

    よく考えたい。昔の職人のような日本がまた再び現れて欲しい。

  • 工場の熟練は、いつも集団のなかで育ち集団のなかで発揮される。一人で完結するような仕事はほとんどない。すぐれた工作機械を作ろうとしたら、現場の人間が心をひとつに合わせて仕事をしなければならない。

  • 古き良き日本のモノ作りの文化がよく見て取れる。この文化を失ったとき,日本は終わってしまうと感じた。

  • [ 内容 ]
    腕のいい職人の仕事は粋で美しい。
    効率第一の裏で、働く人は要員に成り下がっていないか。
    旋盤工・作家が問う「仕事」の現在。

    [ 目次 ]
    1 肩書から“旋盤工”が消える日
    2 仕事が好きになるまで
    3 働きながら書く―作家の肩書のないころ
    4 仕事をみつめる
    5 時代をみつめる
    6 こころ豊かに働く

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著者プロフィール

1933年、東京生まれ。
都立大学附属工業高校卒業後、旋盤工として町工場に勤務する。
そのかたわら、執筆活動をつづけ、作品を発表する。
◎おもな著書
『大森界隈職人往来』(朝日新聞社、81年)--第8回日本ノンフィクション賞
『粋な旋盤工』(風媒社)、『春は鉄までが匂った』(晩聲社)、『羽田浦地図』(文芸春秋)ほか

「1985年 『鉄を削る 町工場の技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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