論理に強い子どもを育てる (講談社現代新書 1643)

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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061496439

作品紹介・あらすじ

「論理」を「屁理屈」ととらえている大人は多いが、論理力とは相手をことばで納得させる説明能力である。子どもの論理力を引き出す実践的で効果のある方法を説く。

感想・レビュー・書評

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  • ○どんなに多くの断片的な情報を知っていても、それらの論理的で有機的な関連をつかんでいなければ、有効な知識になりえません。有機体とか組織とかいうのは、それ特有の目的に向かう論理を構成しているのです。
    ○空間というものは、あるいは外界は、従来考えられていたように、理性で抽象的にとらえられたものではない。感覚をともなった身体運動の経験によって空間とか外界は発生し構成されているものだ。(ヴァイラ)1人と人は違う。私たちは、だれひとりとして同じ行動をして育っていない。2論理的であることや学問することの意味。違いを認めることから帰結されるもの、違った人々が共存していくためには共通の基準が必要。3自分と世界との関係。おおむね20歳が過ぎると自分というものと世界との関係がわかってくる。そして、それが固定化されることがある。「精神的な老い」とは年齢のことではなく、その固定化のこと。

  • 論理というのは情報と情報のつながりのことなんだけど、この実践集からはその「つながり」がいまいち強く見えなかった。いやまあ、いい先生だと思うんだけどね。これが論理に強くなることかなあと言えば疑問。

  •  国語専科教室を主催する工藤順一氏による、子どもの論理力を引き出す実践と論理を説いた新書。第一章で現実と事実(第一次資料)からことばを立ち上げる実践プログラム、第二章では活字情報(第二次情報)を読み取りまとめる実践プログラム、第三章では外に出て身体を使うワークショップ実践の紹介、そして第四~六章はそれぞれの実践の裏付けとなる理論を説く。

     「読む・書く」の指導の一体化、混ざり合い螺旋的に能力を向上させ思考力を養うこと、それが筆者の目指す国語教育であり、私もその考えに強く賛同する。本書の記述からはまだ道半ばという印象を受けるが、国語教育に携わる者としては学べることは非常に多い。特に比較と論理の関係性は是非押さえておきたい。「論理」という漠然とした最重要能力、その正体を探るうえで「比較」は欠かせない観点であることに気づかせてくれた。また、「学校の教科書は雑誌に近い」という意見も、日頃から教科書に懐疑的でその扱い方と位置を決めあぐねている私には鮮烈なものだった。
     まだまだ国語教育には答えもゴールも見つかっていない。そしてそれには絶対的な不変の解はない。教育は常に現実社会の形、子どもたちの現状に合わせて変わっていかなければならないからだ。しかし一方で不動の「芯」も必要。松尾芭蕉の理想とした「不易流行」がまさにこれに当てはまる。工藤氏は本書でその「不易」である国語教育の理論を押さえ、「流行」として更新し続けていくべき有効な手段を伝授してくれる。有機的な国語教育を目指す教師にとって、必携の書の一冊であると確信する。

  • [ 内容 ]
    「論理」を「屁理屈」ととらえている大人は多いが、論理力とは相手をことばで納得させる説明能力である。
    子どもの論理力を引き出す実践的で効果のある方法を説く。

    [ 目次 ]
    第1章 事実を分類・比較する
    第2章 論理パズルで統一する
    第3章 なまの現実を説明する
    第4章 ロゴスとは何か
    第5章 知識と情報の違い
    第6章 身体の行為について

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著者プロフィール

国語専科教室代表。1949年、青森県生まれ。日能研等勤務を経て、1997年、国語専門塾の国語専科教室をひらく。「文章の書ける子どもを育てる」をモットーに、一貫してほんとうに本好きな子ども、自分で考える子どもを育てている。

「2018年 『新版 これで書く力がぐんぐんのびる!!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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