新書ヨーロッパ史 中世篇 (講談社現代新書)

著者 :
制作 : 堀越 孝一 
  • 講談社
2.86
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本棚登録 : 107
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061496644

作品紹介・あらすじ

<中世>とは何か?
政治と宗教、都市と国家、歴史と文明……
「対立と連帯」のヨーロッパ史を読み直す

中世人の眼を通して――1991年の「マーストリヒト協定」によって「ヨーロッパ連合」が始動した。おもしろいことに、マーストリヒトのすぐ北のマース左岸にメールセンという小さな町がある。870年、この町で、「フランク王国」の分解を決定づける協定が結ばれた。(中略)以後、ヨーロッパは「個別国家」の集合体としての歴史を歩み、一千年を経て、いまふたたび「フランク王国」へ回帰しようとしているという理解がある。(中略)もちろん「メールセン協定」によって成立したとされる「西フランク王国」がそのまま「フランス王国」に、ましてや「東フランク王国」が「ドイツ王国」に接続したわけではなく、そういう説明の仕方はたぶんに大づかみにものをいってのことだが、しかし、その大づかみのものをいう、そのいわばつかみ方にやはり問題があると思う。わたしがいうのは、そこにいう「個別国家」というのは、ほぼ16世紀のころから形を整え始める「近代国家」を念頭に置いているのではないか。――(本書より)

感想・レビュー・書評

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  • HK9a

  • ヨーロッパ中世史の概説と欧州ユダヤ人史などのテーマ論集という構成。ユダヤ史と後期ブルゴーニュ公国出身の2人の歴史家の話が特に面白かった。

  • 新書文庫

  • 概説と特説4編の5部構成。
    が、この概説が。
    とにかく日本語がへたくそ。
    固有名詞は当時の発音に近い表記にした、とそれはいいんだけど、それの注釈の入れ方がはっきりいっていいかげんで、何がなんだか。なまじっか多少この時代の知識をもってると混乱に拍車がかかる。
    内容、構成についても時代場所が予告なしにどんどん切り替わりいつのどの国の誰の話をしているのかよくわからない。
    地図も少なくあっても適切なものではないため読者の理解の助けとはなっていない。
    読むのが苦痛。
    筆者は大学教授だったようだけど、この人の講義はさぞかしつまらなかっただろうと思った
    概説といいつつ、まったく中世の概要を理解する助けにはならない。
    特説4編はまともで理解しやすい内容なだけに残念極まりない。
    特説を書いた誰かに概説をかかせればよかったのに。
    とても残念な本。
    ★は特説4編に対して。

  • 本書の半分を占める概説は正直なところかなり酷い。著者の気まぐれな視点に立って地域から地域へ、家系から家系へと話が飛ぶため全体の流れがまったく見えない。
    後半以降の特論については、しっかりと筋道立てて書かれているため読む価値はあるが、前半だけだったら間違いなく星1つだったろう。

  • [ 内容 ]
    ヨーロッパはいかに解体、再編成されたか。
    政治・宗教から生活文化まで、「中世人の眼」で読み直す。

    [ 目次 ]
    概説 「ヨーロッパ」の成立(ローマ人のガリアからカール大王の王国へ 地域の中世史 再訪のロタールの国)
    特論1 中世ヨーロッパの生活環境(森と石の文明から 中世初期の社会と生活環境 紀元一〇〇〇年…ヨーロッパ文明の成立へ向かって)
    特論2 この世のあるべき秩序(教会改革 カノッサの屈辱 ほか)
    特論3 マイノリティーとしてのユダヤ人(ユダヤ人とヨーロッパ 中世スペインのユダヤ人)
    特論4 『中世の秋』からルネサンスへ(ヤン・ファン・アイクとヒエロニムス・ボッス 『中世の秋』の世界 ほか)

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    [ 参考となる書評 ]

  • ゼミの先生にお借りしました。

    未着手です。

  • 塩野七生の「ローマ人の物語」は完結してしまったのだけれども、さて、ヨーロッパの歴史はローマ帝国滅亡後、どのように進むのだったっけ、という動機で読んだ本。そんなことは、もちろん世界史で習ったけど、でも、未だに高校時代の世界史の内容を覚えているわけないし、ということで手にした1冊。この後も、中世以降のヨーロッパの歴史の本は、何冊か読んでみるつもり。

  • 数人の学者による共著。著者によって読みやすい所、読みにくい所があり、大変。内容も概説書のようで実は専門的。中世ヨーロッパ史の中級学習者レベルの本。

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著者プロフィール

「資料を、書かれた時代的文脈において読む」姿勢を貫いた、ヨーロッパ中世史学の泰斗。ヴィヨン遺言詩注釈に没頭し、日本の中世歌謡も愛読した。学習院大学名誉教授。

「2022年 『日本の中世の秋の歌『閑吟集』を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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