神聖ローマ帝国 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 631
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061496736

作品紹介・あらすじ

見果てぬ夢「古代ローマ帝国の復興」を求め、抗争を繰り返しながらも、八百五十年間にわたり中近世ヨーロッパの中心に存在し続けた「帝国」の実像に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • これとハプスブルク家の二冊がかなりリンクしてて合わせて理解しやすかった。中世が思った以上に、現代とかけ離れておった。

  • 世界史の教科書の中ではなぜかブラックボックスのように隠されてしまっているザリエル朝・ヴェルフェン朝・大空位時代のあたりを知るために読んだ。変なつまみ食いみたいな取り上げ方をするのではなく、こんなふうにきちんとタテの流れを明示しないと、神聖ローマ帝国の歴史が何なのかが結局よく見えてこない。文章も読みやすく、大変ありがたかった。

  • ある日の夢で見たのか、目覚めると「シュタウフェン朝」という単語が頭に浮かんだ。何だったっけ・・と山川の世界史の教科書などを引っ張り出して調べて見て、神聖ローマ帝国の王朝の1つだとわかった。
    世界史の教科書を読み返しているうちに、過去の読みたい本リストに入れていた本書のことを思い出し読んだ。
    本書は、著者自身あとがきに書いているように、歴代の皇帝等の列伝風に記述されている。歴史学のことは全く詳しくないのでわからないが、著者は「人」に焦点を当てて人と人との交流が歴史を形成していくという歴史観である(と言えるのか?)。そのような人物を中心とした記述がドラマティックで、楽しく読むことができた。
    一方では編年体で出来事を順番に記していく方法もあったと思うが、皇帝たちの言動を生き生きと描くことによって、当時の世界情勢や宗教観などが、いかにその人物の行動に影響を与えていたのかがわかりやすく、世界史ものの本を普段読み慣れていなくても、理解が難しく感じる箇所はなかった。ただ、一応高校時代は世界史選択者だったので、知識の下地があった分面白く読めたのかもしれない。
    内容面に関しては、そもそもなぜ「神聖」「ローマ」「帝国」なのかを一貫してテーマにしていて、読了するとその理由もわかる。特に、ヨーロッパの人たちにとってのローマ帝国の持つ意味や、帝国と言いながら実は現在のドイツの国境が主たる領土で、しかもその領土内の集権化にもあまり成功していなかった、などの点が興味深かった。

  • 仕事で読んだ本。目的にはあわず。

  • この一冊で現在のヨーロッパがどのように生まれたのかを少しだけ理解できた。
    以前に「英仏百年戦争」も読んだからイギリス、フランス、ドイツ、イタリアの中世ヨーロッパの状況が少しだけ理解できたと思う。
    [more]
    それにしても神聖ローマ帝国という存在が1000年も続いていたとは知らなかった。
    初期はともかく、最後の方は多くの諸侯が生まれ、政略結婚で血筋が複雑に絡まりすぎて、よくわからない事になっていた。そんなにカール大帝の血筋が重要なのかと思ってしまう。
    この諸侯が現代ヨーロッパまで、濃い影響を残しているという事も頷ける。

    以前に「英仏百年戦争」も読んだ際も似たように血筋の複雑さや諸侯の関係に驚いて気がする。

  • ・「大空位時代」はフリードリッヒ二世が死去した1250年に始まり、73年、ハプスブルク家のルドルフ一世のドイツ王即位に終わるというのが一つの定説
    ・1555年カール五世、アウスブルクの宗教和議により諸侯に宗教の選択権を認める
    ・神聖ローマ帝国にとってウエストファリア条約の意味するところはあまりにも大きい。「領主の宗教が領民の宗教」という原則が再確認され、カルヴァン派が公認される
    ・スペイン継承戦争(1701年〜14年):カルロス二世の「スペイン王位はフランス ブルボン家に譲る」という遺言による強大なラテン帝国の出現を恐れ、勢力均衡を是とするオランダ、イギリスがオーストリア ハプスブルク家と対フランス大同盟(ハーグ同盟)を結成し、フランスに宣戦布告したもの
    ・オーストリア継承戦争(1740年〜48年):プロイセンのフリードリッヒ大王が男子帝位継承者のいないカール六世のオーストリアハプスブルク家断絶を主張し、それに呼応したフランス、スペイン、バイエルン選帝侯国、ザクセン選帝侯国の5ヵ国がオーストリアに戦争をしかけたもの

  • 「神聖ローマ帝国」を理解したくて、この本を読みました。
    とても面白くて、どんどん読めました。
    でも、結局、充分理解できていません…。


    菊池良生さんが悪いのではありません。
    地図や系図で確認できたり、わかりにくいところを日本史にたとえて説明してくれたり。


    やはり、自分の知的レベルが充分ではなかったみたいです。
    こういうこともありますよね。

    もっといろいろな知識を得てから、
    再び読んでみたいと思っています。

    http://nagisa20080402.blog27.fc2.com/blog-entry-239.html

  • この人の著作はその昔に「傭兵の二千年史」を読み、以降は「犬死——歴史から消えた8人の生贄」とか「超説ハプスブルク家 貴賤百態大公戯」とかの趣味性の高いもののみをもっぱら楽しんできた。
    てっきりそういうニッチな芸風なんだと思いきや、「ドイツ三〇〇諸侯 一千年の興亡」でそのガチっぷりというか、一見さんお断りというか、一瀉千里というか、三〇〇家の一千年を滔々と語りつくす迫力に顫えたのだが、前著の本書も同一線上にあるものだった。
    考えてみれば当たり前なのだが、本書を読み味わう上では、ドイツ史だけ知っていればよいというものではない。古代ローマ史、フランス史、イタリア史、東欧(ボヘミア、ハンガリー)史、カトリック教会史…ヨーロッパ総まくりの勢いである。
    なかなかに骨太ではあるが、しかし(興味のある向きには)掛け値なしに面白く、ためになる好著である。

    2017/9/2~9/4読了

  • ・・・・・・・っということで、ヨーロッパの歴史に頭を突っ込んだ人が必ず直面する空白の部分。


    それが、神聖ローマ帝国です。


    中世以降、あらゆる場面でちょくちょく顔を出してきます。


    顔を出すけれども、その実態がなかなかつかめない。


    気になって気になって仕方がなくなります。


    イギリス、イタリア、フランス、はたまたオスマントルコに関してはいくらでも本を見つけることが出来ます。


    そう、ドイツが抜けているのです。


    神聖ローマ帝国について本を探してみて御覧なさい。


    本書以外に殆どヒットしないでしょ?


    なぜこんなに少ないのか?


    不思議でしょ?


    それは複雑過ぎるのです。


    ぼくが読んだ中では、神聖ローマ帝国の皇帝であったのはフリードリッヒ二世だけ。


    しかし、彼はどちらかというとイタリアに軸足を置いていました。


    これは、いちど神聖ローマ帝国について読まなきゃならんと常に思っていました。


    たぶん他の歴史好きな人も同じ思いを持つはずです。


    そしてたどり着くのが、本書しかないのです。


    ・・・・・・・


    著者の専門はオーストリア文学。


    バリバリの歴史家でないところが面白いところ。


    本の内容にはベランメー調なところがあって、歴史家ならこんな表現はしないだろうなぁとヒヤヒヤさせられます。


    でも、専門家でないことが却ってよかったのではないでしょうか。


    神聖ローマ帝国を語るには、先ずフランク王国からはじめなければなりません。


    どこかで聞いたことのあるピピンが国王になったのが、8世紀中旬。


    神聖ローマ帝国が消滅するのが19世紀初頭。


    なんと、1000年ちょっとにわたって記述しなければならないのです。


    複雑にさせているのは期間だけではありません。


    カロリング王朝、ザクセン王朝から始まってハプスブルグ家まで様々な家系が次から次へ出現してきます。


    さらに地方の諸侯がくんずほぐれつの争いを繰り広げます。


    もちろん隣国との抗争も数知れず。


    これだけの要素を新書のたった250ページに押し込むのです。


    歴史家だったら、さじを投げたくなるのもうなづけます。


    でも、この著者はやり遂げた。


    しかも人物描写が面白い。


    飛びぬけたリーダーがいないのに、読者の興味をこれだけ引っ張ってこられるのは、著者自身が書いているように人への愛着が強いからじ

    ゃないでしょうか。



    何が神聖なのか、ドイツなのになぜローマ帝国なのか、さらにどうして法王が力を持つようになったのか、30年戦争ってナンだったのか、

    ウェストファリア条約の意味は?フランス王国の始まり、スウェーデン、スペイン、オランダデンマークの成り立ち・・・・などなど、ヨ

    ーロッパ史の様々な疑問を解く鍵を提供してくれます。


    図書館で借りてきたけれど、絶対手元に置いておきたい本の一つです。

  • 「神聖ローマ帝国」という大仰な国号に込められた意味を歴史を概観しつつ解き明かしていくといった趣旨の新書。なかでも、ザリエリ朝、シュタウフェン朝、ハプスブルク朝にスポットライトが当てられている。大枠としては、カール大帝による西ローマ帝国の復活から、徐々にローマ帝国の理念と現実が乖離していき、結局ヴェストファーレン条約以降「帝国」としての実体も失っていく過程が描かれていく。

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著者プロフィール

1948年生まれ。明治大学名誉教授。専攻はオーストリア文学・文化史。著書に『神聖ローマ帝国』『戦うハプスブルク家』『検閲帝国ハプスブルク』『ドイツ三〇〇諸侯』など多数。

「2019年 『ウィーン包囲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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