はじめての言語学 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.66
  • (44)
  • (72)
  • (85)
  • (7)
  • (6)
本棚登録 : 666
レビュー : 79
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061497016

作品紹介・あらすじ

外国語を知りたい、日本語を深めたい-ことばに興味のあるすべての人に贈る、「にぎやかな言語学」への招待。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 言語学について知りたくて、「言語学」をキーワードにしてGoogle検索して見つけた本。
    言語学とはどういうものかを、とてもやさしく説明している。まず最初に、言語学を専門にしていない人が抱く言語学のイメージを一つ一つ否定していく。そして、じゃあ、言語学ってなんなんだ?と疑問を持ち始めた頃に、少しずつ具体的な言語学の世界へ導いてくれる。
    「音」について。世界にはいろんな言語があり、各言語特有の音(発音)があり、それはほぼ日本語や英語などのヨーロッパ言語の一部しか知らない私にとっては非常に興味深いものだった。特に、アフリカで話されている「コサ語」についてはどうしても聞いてみたくなり、youtubeで検索して実際に音を聞いてみた。新しい世界が開けたような気がした。
    その他、「文法」、「分類」についてもとても興味深く、言語学についてますます興味が湧いてきた。

  •  言語学というよくわからない学問をできるだけ分かりやすく書いた本である。日本語なり英語なりの学問と言えば語学としてはなじみがあってイメージしやすい。ところが言語学となると果たして何を扱う学問であるのかが分かりにくい。何を目的としてどのようなことを行う学問なのかのイメージが湧かないのである。
     本書ではソシュールやチョムスキーといった言語学の大家の論をさりげなく紹介し、それがどのように言語学の世界で使われているのかを具体例に沿って述べている。私は他の本でいきなりこれらの言説に触れて面食らったことがあるが、はじめにこちらを読むべきであった。
     言語学にまつわる誤解に触れた章もおもしろい。たとえば言語に美醜はないとか、言葉の乱れや方言に関する世間の考え方と言語学上の判断とは別のものであることなどは興味深い指摘である。
     大学の先生の話を研究室でうかがうような気楽な文体は「はじめての」学習者には優しい。学生時代に戻りたくなるような気持ちになった。

  •  言語学の入口。そもそも言語学は何を扱うのかという大前提から、言語学の歴史、言語学の諸分野が、具体例と共に、ユーモアを交えて分かりやすく書かれている。ここから興味のある分野を深められるように、参考文献も付されている。

     極力専門用語が避けられているので、何もわからない人でも読み通せると思う。反面、もし言語学をかじったことがある人にはちょっともどかしさもあるかもしれないが、用語として何となく入っているものと知識との紐つけができるかもしれない。

     ことばは、時としてとんでもない科学・偏見がまかり通ってしまうことがあるが、そういうものにもしっかり警鐘を鳴らす。
     
     「言語学」を学問として学ぶ人だけでなく、「ことばに興味がある」人に、ぜひ読んでいただきたい1冊。

     色々心に残ることばはあったけどその中でも
    「大切なのは似ていることではない。規則正しい対応なのだ」(p.185)という言葉に射抜かれました。
     

  • こないだ読んだ『言語学の教室』よりももっともっと初心者向けという感じ、あと切り口も面白かった!著者は「にぎやかな言語学」が好き、と言っている通り様々な言語の音や文法を紹介しながら世間一般の言語学のイメージ(語源崇拝、人種による発音の可否など)をぶった切っていく。言語に優劣も美醜もない、全ての言語は複雑で、だから面白い!というのが簡潔な語り口で書かれている。片手間で1日で読めるくらい読みやすかった。参考文献も章ごとに紹介されていて、テーマごとに探せるしありがたい。

  • 日本語学を専攻した者として読んで、これは超初心者向けに、今まで読んだ中では1番分かりやすい本だと思いました。言語学って何?と、ちょこっと興味を持った人向けです。説明も分かりやすくユーモアもあるし、自分の専門外のところは「辞書によると」など、きちんと前置きされていたり、できる限りバランスの取れた考え、さまざまな言語の用例を出して偏った言語学の見方にならないよう気をつけているのが良く分かります。
    そして、謎のコサ語推しで、興味が出てくる。

    蝸牛考とかcolorless green ideasとか、音素と音韻とか形態素とか虹の話とか、「言語学概論」を学ぶ大学1年生が必ず通る例文や単語が出てきて、とても懐かしかった。
    ソシュールやチョムスキーの話も出てきたのですが、この本の良いところは「ある大言語学者は〜」という話で簡単に考えを書いて、それから名前や経歴を紹介したりしなかったり。浅く広く。

    バランスはとれているんだけど、音韻に比重が寄ってて、文法や語用論の話が少なめ?な気がする。それは特定の言語の話になってしまうから仕方ないのかもしれないけれど。

  • 初めて言語学の本を読むなら「はじめての」がいいだろう、という安直な理由で購入。講談社新書だったのもあるけど。

    言語学を学ぶ前に、という説明が最初に30ページほどあり、これが結構なわかりやすさで理解する準備が整えることができるので、自分のように言語学は初めてという人でも安心して読めるかと思います。

    言語とは記号の体系、という説明もわかりやすく楽しくて読みやすい(各所に入る自虐ネタもおもしろい)。
    期待としては、チョムスキーとか、デリダとか、レヴィ=ストロースとか、そういうのの延長というか基本としての知識教養だと勝手に考えて手に入れたのですが、だいぶ違ったようです。

    ちょっと気になったのは、明確な根拠なく断定している(と受け取れる)箇所がいくつかあったことくらいか。これ自分としては結構大きい問題なのだけど、どうなんだろうか。

    言語学とは頬杖をつきながら「人間にとって言語とは何か?」という深い考察をする学問ではなく、各言語の違いや特徴などを世界中を回って調べたり記録したり、どのように「変化」して行くのか、を学ぶ生物学に近いように感じました。

  • 2017/5/2読了。
    p69、p189に付箋。

  • 言語学についてまったく知識のない読者に向けて、言語学がどのような問題を扱っているのかということをざっくり説明している本です。いわゆる「入門書の入門書」に相当する本だと思いますが、言語学を学ぼうとする読者を対象としているというよりは、むしろ言語学になじみのない読者に向けての「教養としての言語学」というべき内容だと言えそうです。

    著者の説明も非常にユニークで、町田健とはまた違ったユーモアのセンスがあっておもしろく読みました。

  • コサ語についてはうわさくらいの知識だったところ、発声法のちょっとしたコツが書いてあったものの、YOUTUBEなどで見るとさらに難しそうだった。どうやら自分の興味は言語学よりも発声学であったようで、その確認ができただけでもありがたい。チョムスキーとソシュール、どちらも今後学びたいジャンルだったが想像しているような学問ではないようだ。

  • 言語学の本は面白そうな一般書をたま~に読むばかりで
    どんな学問かたいして意識したことがありませんでした。

    本書は難解な専門用語や偉そうな人名抜きで、言語学の一部を紹介する入門書。言語学に興味を持ちはじめたという人にはうってつけ。
    言語ってそもそも何?という話から、音声学、文法、分類までを総ざらいしています。三人の"ん"と三枚の"ん"で違った音になっているって?鏡の前で発音してみると…、たしかに違う口の形になってる!(でも音の違いについてはやっぱりピンとこない…)

    言語って誰もが無意識に使っているからこそ気がつかないことが多い。実は母語ですらあまりわかっていない。そこを追求してみるのはすごく面白いと思います。
    だけど、大雑把な僕などは言語学の基礎編である音声学でつまづいてしまいそうなので、やっぱりつまみ食いする程度に楽しもう(笑)

全79件中 1 - 10件を表示

プロフィール

1964年、東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業。東京大学大学院修了。スラヴ語学専攻。現在、神田外語大学特任教授。主要著書:『ロシア語のかたち』『ロシア語のしくみ』『寝るまえ5分の外国語』『寄り道ふらふら外国語』『ことばはフラフラ変わる』『もっとにぎやかな外国語の世界[白水Uブックス]』(以上、白水社)、『羊皮紙に眠る文字たち』『外国語の水曜日』『ロシア語の余白』『チェコ語の隙間』『ロシア語だけの青春 ミールに通った日々』(以上、現代書館)、『初級ロシア語文法』『初級ウクライナ語文法』『ぼくたちの英語』『ぼくたちの外国語学部』(以上、三修社)、『ウクライナ語基礎1500語』『ベラルーシ語基礎1500語』(以上、大学書林)、『はじめての言語学』『世界の言語入門』(以上、講談社現代新書)、『大学生からの文章表現』(ちくま新書)、『外国語をはじめる前に』(ちくまプリマー新書)、『ポケットに外国語を』『その他の外国語エトセトラ』(ちくま文庫)、『語学はやり直せる!』(角川oneテーマ21)、『外国語を学ぶための言語学の考え方』(中公新書)

はじめての言語学 (講談社現代新書)のその他の作品

黒田龍之助の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印

はじめての言語学 (講談社現代新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする