はじめての言語学 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1089
感想 : 108
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061497016

作品紹介・あらすじ

外国語を知りたい、日本語を深めたい-ことばに興味のあるすべての人に贈る、「にぎやかな言語学」への招待。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの通り、言語学にはじめて触れる人向けにわかりやすく書かれている本でした。
    わかりやすさを強調するあまり、不要な例えや言い回しが多いのが気になりますが。

    1番印象的だったのは、言語学の立場や考え方についての説明です。

    ・そもそも、「ことばの乱れ」という発想が言語学にはない。

    ・言語に名称を与えるのは政治と歴史であり、言語学では判断できない。

    ・言語学では、《美しい言語》も《汚い言語》もない。

    こういった説明は〇〇学といったイメージからくる堅苦しさをほぐしているようでとても良かったです。

    言語学は字面通りのいわゆる言語に対する学びだけでなく、言語を通して、その言語を話す人たちの思想や生活の特徴を知ることができる点が非常に興味深いです。

    これからは気が向いた時に少しずつ、言語学関連の本も読んでいこうかなと思います。

    ---
    自分が苦労せずに手に入れたもの、たとえば性別、人種、出身地、家柄、それに母語といったもので威張るのは卑怯である。その反対に、努力して身につけたもの、たとえば学歴、職業などと並んで外国語を自慢するのは嫌味である。
    ---

  • 言語学に興味を持てるかどうか!を判断しようと選んだ本
    楽しく読めてしまう

  • ゆる言語学ラジオで言語学に興味を持ち読んでみた。
    言語学入門以前という雰囲気で、著者いわく「一つ一つの部屋には入らずに、ドアのところから中を覗いてきたようなもの」である。

    言語学は何ではないかから始まり、軽妙な文体で言語学の各要素を踏み込みすぎず、必要なだけ説明し、わかりやすい例を出しながら進んでいくので、初学者にとってもとっつきやすい。

  • 言語学ときいて心ときめくひと向けの本
    心ときめくということは私と同じく言語学をやることの地味な大変さを知らない言語学素人なので、本書を読んで言語学を体系的に学ぶことの漠然としたイメージを更新しよう。

    本書の良いところはソシュールがどうとかチョムスキーがどうとか、語用論!音韻論!みたいな体系的な説明は一切放棄しているところだと思う。
    安易にわからせた風な感じを出す雑学系の本はよくあるが、本書はそういったアンフェアな態度でなく、むしろ著者自らが体系的な説明には立ち入らないことを明言している。

    私は学問をやるならまず学問史を入口として、その学問の発展、展開を通じて思考のプロセスやテーマを掴むことで前提を共有するのが大事だという持論をもっていて、他の本のレビューでも主張しているのだが、そういった歴史的な縦の展開は、何をその学問が対象としているかという横の範囲が定まっていることが前提として必要になる。
    本書は、そういった言語学の中身ではない外枠を示すことで、言語学の入口まで連れていってくれる。この点で入門書というより啓蒙書のような導入として優れていると思う。神学と宗教学の区別がつかない人や、語学と言語学の違いを理解していないひとはどうやらこのレビュー欄にもいるようだし、こういう態度は大事だろう。社会科学は特にここを共有しないと議論が噛み合わなくなる。

    こういう本は案外少ないように思う。中身に触れずにその学問を面白く説明するのは難しいから仕方ない。
    この本は、「言語学でいうことばとは何か」とか、「言語学ではこういう意味でこの語を使う」とか、きっちりと言語学のルールを示しつつ、ポップでシニカルな語り口でその難しさを乗り越えていて、単純に読み物として面白い。

    そして学問的な態度がよく表れているのもよい。本書では、「言語学は美しいことばというような価値判断はしない」とか「言語学はどのことばが優れているという価値には立ち入らない」というように、言語という社会的な現象を解明するのが言語学であり、価値判断はテーマでないことに度々言及する。
    価値というのは宗教であり、学問(科学)ではない。これは学問をやっていれば大前提になるが、学問の入口まで導く「はじめて」の一冊としてちゃんと示してあるというのは大事なことではないかと思う。

    ただ、さらに学びたい人のためにと勧められている本がけっこう古かったりするのが唯一残念だった。
    学問的にあまり過去の内容が更新されないのだろうか。そのあたりも言及してくれると安心してその本も購入できたのだが。

  • 言語学について知りたくて、「言語学」をキーワードにしてGoogle検索して見つけた本。
    言語学とはどういうものかを、とてもやさしく説明している。まず最初に、言語学を専門にしていない人が抱く言語学のイメージを一つ一つ否定していく。そして、じゃあ、言語学ってなんなんだ?と疑問を持ち始めた頃に、少しずつ具体的な言語学の世界へ導いてくれる。
    「音」について。世界にはいろんな言語があり、各言語特有の音(発音)があり、それはほぼ日本語や英語などのヨーロッパ言語の一部しか知らない私にとっては非常に興味深いものだった。特に、アフリカで話されている「コサ語」についてはどうしても聞いてみたくなり、youtubeで検索して実際に音を聞いてみた。新しい世界が開けたような気がした。
    その他、「文法」、「分類」についてもとても興味深く、言語学についてますます興味が湧いてきた。

  •  言語学というよくわからない学問をできるだけ分かりやすく書いた本である。日本語なり英語なりの学問と言えば語学としてはなじみがあってイメージしやすい。ところが言語学となると果たして何を扱う学問であるのかが分かりにくい。何を目的としてどのようなことを行う学問なのかのイメージが湧かないのである。
     本書ではソシュールやチョムスキーといった言語学の大家の論をさりげなく紹介し、それがどのように言語学の世界で使われているのかを具体例に沿って述べている。私は他の本でいきなりこれらの言説に触れて面食らったことがあるが、はじめにこちらを読むべきであった。
     言語学にまつわる誤解に触れた章もおもしろい。たとえば言語に美醜はないとか、言葉の乱れや方言に関する世間の考え方と言語学上の判断とは別のものであることなどは興味深い指摘である。
     大学の先生の話を研究室でうかがうような気楽な文体は「はじめての」学習者には優しい。学生時代に戻りたくなるような気持ちになった。

  • 本書はスラブ諸語が専門の言語学者(1964-)が、2004年に刊行した言語学の入門書。

    【感想】
     語り口が柔らかく内容もきわめて易しいので、「初心者に言語学へ興味を持ってもらう」という用途に向いています。エッセイがとても上手い。
     ただし、初心者向けに過度に単純化して書いてる部分もある(単に筆が滑っている部分や著者の勘違いは何箇所かある)ので、未来の言語学徒が本書を丸々信じ込むのは結構まずいかも、と教科書を読みがら思いました。 
     私だったら他の本を推薦します。

    【簡易目次】
    はじめに
    第1章 言語学をはじめる前に ことばについて思い込んでいること
    第2章 言語学の考え方 言語学にとって言語とは何か?
    第3章 言語学の聴き方 音について
    第4章 言語学の捉え方 文法と意味について
    第5章 言語学の分け方 世界の言語をどう分類するか?
    第6章 言語学の使い方 言語学がわかると何の得になるか?
    もっと言語学を知りたい人へ
    あとがき

  •  言語学の入口。そもそも言語学は何を扱うのかという大前提から、言語学の歴史、言語学の諸分野が、具体例と共に、ユーモアを交えて分かりやすく書かれている。ここから興味のある分野を深められるように、参考文献も付されている。

     極力専門用語が避けられているので、何もわからない人でも読み通せると思う。反面、もし言語学をかじったことがある人にはちょっともどかしさもあるかもしれないが、用語として何となく入っているものと知識との紐つけができるかもしれない。

     ことばは、時としてとんでもない科学・偏見がまかり通ってしまうことがあるが、そういうものにもしっかり警鐘を鳴らす。
     
     「言語学」を学問として学ぶ人だけでなく、「ことばに興味がある」人に、ぜひ読んでいただきたい1冊。

     色々心に残ることばはあったけどその中でも
    「大切なのは似ていることではない。規則正しい対応なのだ」(p.185)という言葉に射抜かれました。
     

  • 挙げられている本をチェックすること。

  • 言語学は何を学ぶ学問かと言うのがざっくりと書かれていて、読みやすかった。
    特に音韻については参考になった。

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著者プロフィール

黒田 龍之助(くろだ・りゅうのすけ):1964年東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業、東京大学大学院修了。東京工業大学助教授(ロシア語)、明治大学助教授(英語)を歴任。現在、神田外語大学特任教授、神戸市外国語大学客員教授。著書に『ポケットに外国語を』『その他の外国語エトセトラ』『世界のことば アイウエオ』(ちくま文庫)、『外国語をはじめる前に』(ちくまプリマー新書)、『ロシア語の余白の余白』『外国語の遊園地』『外国語の水曜日 再入門』(白水社)、『はじめての言語学』(講談社現代新書)、『ぼくたちの外国語学部』(三修社)、『物語を忘れた外国語』(新潮文庫)など多数。

「2023年 『ロシア語だけの青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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