「おたく」の精神史 一九八〇年代論

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 443
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061497030

作品紹介・あらすじ

ロリコンまんがの誕生、岡田有希子の自死、キャラクター産業の隆盛、都市伝説ブーム、フェミニズムの隘路。現代日本社会の起源を探る試み。

感想・レビュー・書評

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  • 大塚英志「おたくの精神史 一九八〇年代論」を読みました。前回読んだときは、素直に感嘆した記憶があります。今回は、違和感を覚えました。UWFを例に考えてみましょう。プロレスは、八百長なのか、真剣勝負なのかという論議があります。プロレスファンを含めて、世間は、プロレスを真剣勝負とみなしていません。それに対して、UWFは、新日本、全日本等の既存のプロレス団体のおこなうプロレスは八百長だが、UWFのプロレスは真剣勝負だと主張して、一世風靡しました。それに対して、著者は、UWFの試合を観戦して、真剣勝負なのだろうかという違和感を持ったそうです。さらに、前田日明の演説を冷やかに見つめるプロレス記者の姿を描写しています。本来、プロレスは、実(真剣勝負)と虚(八百長)の境界にあるものであり、既存のプロレス団体のプロレスは、あまりにも虚に傾きすぎていた。 UWFは、プロレスの本来あるべき場所へのゆり戻しに過ぎない。つまり、UWFも、虚と実の境界線にあり、真剣勝負ではない。この主張自体は、正しいと思います。しかし、叙述は、本来、観戦した試合の展開に即した形で、おこなうべきです。この技は、事前の打ち合わせがなければ決まらないとか、この技は、シュートだとかを説明しなければなりません。そのような記述がないので、わかりにくいです。他の章も、具体的記述が乏しいところが共通しています。独りよがりな文章です。

  • 2004年12月15日、4版、並、カバスレ、帯無し。
    2014年7月1日、津BF。

  • ある現象を解こうとすると現れる時代性と連続性。
    この著者が常に「成熟」を指向していることが、各論に説得力を与えている。

  • この著者のような生き方(つまりすべてにおいて非正規的な)を可能にしたのがこの時代だった。
    絶対者(ならびにイデオロギー)と均質的大衆という構図は、商品的価値の消費に還元され、もはや本質的個性というものは相対の中に埋没し、事件だけが突出した。
    メイン、サブを問わずカルチャーとは無縁の生活を送っていた身としても、失われた20年(30年)を振り返るのは感慨深い。
    本当に歴史は終焉してしまったのかもしれない。

  • 「それらの自作自演の宗教はやがてオウムというサブカルチャー宗教に回収されていくことになるのだけれど、僕がその思いつきに一人で悦に入っていた「宗教コミック」は14歳の徳島の女の子に届く質のものではなかった」 ー 282ページ

    実際のところ、彼の指している「自作自演の宗教」=個人化した宗教(特に女性を対象とした)はオウムというサブカルチャー宗教には回収されず、そのあとスピだのなんだのに展開されていっているような気もするけど、宗教コミックは確かにおもしろいと思う。これから来る宗教コミックというのはどういった類のものだろうか。

  • 300 芳林堂

  • 何点か違和感がある。1970年には「御宅(おたく)」という言葉が御宅の世界ではあり、世間で「新人類」という言葉があった。その後、新人類について、朝日ジャーナルの「若者たちの神々」と「新人類の旗手たち」という記事で、新人類について論じている。

    朝日ジャーナルの記事での分類は便宜的なものである。たまたま「若者たちの神々」という標題で新人類の旗手たちについて書いたのち、「神々」に記載しなかった新人類の旗手たちを、「新人類の旗手たち」という標題で書いたものにすぎない。1980年代初等に新人類の旗手と言われた人達がいて、雑誌が追従した記事だ。
    雑誌の記事にさらに追従した分類を書いていても,違和感がありピンと来ない。

    新人類は、御宅という言葉にやや遅れて1970年代初頭に、1960年代の若者と行動様式の異なる人々に向けられた用語という記憶がある。新人類は御宅とは限らないが、御宅は間違いなく新人類だと思われる。

    詳細は
    http://researchmap.jp/jop3ywvbv-45644/

  • 請求記号・361.5/Ot   資料ID・310003133

  • よく覚えてないけど卒論で使った本。

  • 1980年代にあらわれた「おたく」というひとびとそこに透けてみえる1980年代とういう時代なんか、とても浮かれているようで、神戸の事件や五日市の事件などが頻発しました。ほんの少し前のようで、ずいぶん前のような、不思議な感じをうける1980年代をおたくを切り口にふり返ります。なんか、そんなじだいもあったな・・・と思いだしました。

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著者プロフィール

大塚 英志(おおつか えいじ)
1958年生まれ。まんが原作者、批評家。国際日本文化研究センター研究部教授。まんが原作者としての著書に『多重人格探偵サイコ』(田島昭宇画)『黒鷺死体宅配便』(山崎峰水画)、民俗三部作『北神伝奇』『木島日記』『八雲百怪』(森美夏画)、『恋する民俗学者』(中島千晴画)など。
評論では『「捨て子」たちの民俗学――小泉八雲と柳田國男』(角川選書/第5回角川財団学芸賞)、『公民の民俗学』(作品社)、『怪談前夜 柳田民俗学と自然主義』『殺生と戦争の民俗学』(ともに角川選書)などがある。

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