「しきり」の文化論

著者 :
  • 講談社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061497191

作品紹介・あらすじ

人間の意識、思考に大きな影響を与える「しきり」を様々な視点から読み直す。

感想・レビュー・書評

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  • 自己と他者・ウチと外・聖と俗・日常と非日常・私と公。人と「しきり」の関係に迫る刺激的論考!

  • これだけよくまとめたなぁと率直に感服するが、対象を幅広くとりすぎて、あれもこれもみんな「しきり」。ちょっと無理やり関連付けすぎ?と感じる論もあり、もったいない気がする。

  • ワークショップ「境界に遊ぶ」:図書館のおすすめ本

  • 「しきりに弄ってくる」「しきりに仕切ってくる副幹事」の本ではないです。過去当本を読んでいた際、友人が横からそんなイジリ方をしてきた経験があるので要注意。内外の関係性の演出手法・思想などが盛り込んであります。行き詰まったときのネタ帳の糧として(設計としても、理論武装?としてもw)大変勉強になりました。

  • 私達の生活は、無数の「しきり」によって成り立っている。場所・時間・住居から都市・人間関係・思考方法まで無限のしきりが存在している。


    この本では、様々なしきりについて考察されていて刺激に満ちた一冊である。
    特に、ドイツ建築家ミース・ファン・デル・ローエのしきりを持たない空間「ユニバーサル・スペース」についての考察がおもしろい。

    ユニバーサル・スペースとは内と外を強固にしきらず、内部と外部の関係をつながるようにした新しい建築の考えだ。
    この概念は、その後日本で「モダンリビング」というワンルーム型の住宅やオフィス建築に影響を与えたという。

    しきりについて考えるだけで、様々なものの奥行きが見えてくる。

  • いわゆる内外の曖昧な空間をする為の良い肥料の撒かれた良質な土壌。建築学生は是非!

  • [ 内容 ]
    人間の意識、思考に大きな影響を与える「しきり」を様々な視点から読み直す。

    [ 目次 ]
    第1章 しきるということ(自己と非自己/アイデンティティ;自己と他者 ほか)
    第2章 しきられる世界(聖と俗;日常と非日常 ほか)
    第3章 生活の中のしきり(住まいのしきり(遮断)の装置
    汚れのしきり ほか)
    第4章 しきりの提案(ミース・ファン・デル・ローエによるしきり;中廊下式間取りの提案 ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • しきること。
    デ・ステイルのドゥースブルフ
    要素同士の『関係性』の構成に着目し抽象絵画や機能主義デザイン、バウハウスへの影響。
    ミース・ファン・デル・ローエのユニヴァーサル・スペース
    しきりの消去、地と図の区別を無化への欲望

    日本の家屋における可動的で融通無碍なしきり。
    明治の和洋折衷、和洋両様式。洋間を接客空間へ、和室を家族生活空間へ。背広と和服。

    聖と俗
    蓑笠は非人の服装であり、マレビトの衣装であり、古くは鬼、隼人族の身なりであった。江戸時代の百姓一揆において百姓たちはしばしば蓑笠をまとっていた。

    18世紀に公私分離がおこる。ルソーに見られる近代的主体の誕生。個室の誕生、生産性と速度の結合、時間の管理。速度と政治と経済、戦争。パンチカードとIBMとホロコースト。

    『わたしたちが、なにかについて考えるということは、何かをめぐるさまざまなものを分類する(しきる)ことと深く関わっている。』
    分かるとは分けること。

  • まあ、いつもの柏木節が面白かった。
    もう少し日本的な美意識と結び合う説明が欲しかった。

  • 「しきり」という人間にとってプリミティブである、行為から現象までを論じたもの。
    個人の同定から、オフィスに至まで幅広く論じられている。
    しかし、「しきり」が今日においてどのように働き、いかなる可能性があるのかを示してほしかった。

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著者プロフィール

1946年生まれ。武蔵野美術大学卒業。デザイン評論家。武蔵野美術大学教授。近代デザイン専攻。著書には『20世紀を作った日用品』(晶文社)、『モダンデザイン批評』(岩波書店)、『探偵小説の室内』(白水社)、『「しきり」の文化論』(講談社)など多数がある。

「2013年 『わたしの家 痕跡としての住まい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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