本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061497221
作品紹介・あらすじ
太子という存在は、わが国に仏法が移入された出来事との連関でとらえられねばならない。鮮やかな思想史の試み。
感想・レビュー・書評
-
聖徳太子の仏教理解や十七条の憲法の思想について、日本倫理思想史の観点から考察をおこなっている本です。
本書では、「〈もの〉神」と「〈たま〉神」ということばが登場します。〈もの〉神とは事物や事象の実なる在りようの形象、〈たま〉神とは〈もの〉神を祀るひとの霊魂として現出したものとされ、著者の他の著作でも用いられているものです。著者は、日本思想史の根底にこの二つの神のありかたが見られると考えており、仏教の日本的変容においても新しい〈たま〉神として解釈がなされたという議論が提出されています。
著者の日本思想史研究の枠組みが前提になっているので、その議論になじんでいる読者にとっては飛鳥時代の仏教受容について学ぶことができるのではないかと思います。ただ個人的には、著者の〈もの〉神と〈たま〉神にかんする議論の枠組みがやや本質主義に感じてしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全2件中 1 - 2件を表示