桃太郎と邪馬台国 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061497375

作品紹介・あらすじ

おとぎ話の古層に倭国の痕跡が見える!一寸法師・桃太郎・浦島太郎の原像を検証する古代史学。

感想・レビュー・書評

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  • 一寸法師は実は応神天皇だった!、お伽草子に書かれている昔話が実は、過去の史実を踏まえかかれた者で、その中に歴史の真実を求めていくという著者の主張は納得です。それにしても一寸法師に「住吉」という地名が出てくることは知りませんでしたし、過去の英雄譚があの童話になったということは十分にありうることだと思います。桃太郎、浦島太郎の物語をそれぞれ邪馬台国に結び付けての説明というのも、結構楽しく説得力があるものです。このような昔話が一体何時から存在したかということを考えることは楽しいものです。

  • なんともいかがはしいタイトルに惹かれて讀み始めた。<BR>
    「おとぎ話」を古代史の視點から讀み解く試みであるらしい。<BR>
    <BR>
    第1章で取上げられてゐるのは「一寸法師」。<BR>
    「一寸法師」とは、「幼童の海神」であり、「一寸法師」の鬼退治は國土の淨化を擔ふ住吉大社の機能・役割を物語つてゐる、といふのが筆者の主張。<BR>
    しかし、「一寸法師」の成立時期は、江戸時代前期。<BR>
    古代史を反映してゐるかどうかは???<BR>
    <BR>
    第2章は、筆者の「邪馬臺國」解釋。<BR>
    筆者によれば、「邪馬臺國」は畿内であり、「投馬國」は出雲、「狗奴國」は吉備だといふ。<BR>
    まあ、いろんな説がありますからねえ。<BR>
    <BR>
    第3章は、「桃太郎」。<BR>
    筆者の主張は以下の通り。<BR>
    「桃太郎」の創作者は戰國大名の細川幽齋かもしれない。<BR>
    その下敷となる傳説は、吉備津宮に傳はる「鬼傳説」だと考へられる。<BR>
    そして、その「鬼傳説」は、『古事記』・『日本書紀』の「大吉備津彦命による吉備國平定物語」に遡る。<BR>
    さらには、「大吉備津彦命による吉備國平定物語」は「邪馬臺國」と「狗奴國」との爭ひを反映した傳承である。<BR>
    ううむ、そこまで云ひますか・・・<BR>
    <BR>
    第4章は「浦島太郎」。<BR>
    「浦島傳説」の起源はかなり古い。<BR>
    『日本書紀』や『萬葉集』『丹後國風土記(逸文)』に既にその存在が確認できる。<BR>
    さて、筆者の主張は以下の通り。<BR>
    「浦島傳説」の主人公「嶋子」は、「邪馬臺國」聯合の「奴國」の官名「シマコ」のことである。<BR>
    この官の役割は外交であり、丹後には出雲(投馬國)經由で北九州へ向ふ港があつたのではないか。<BR>
    そして「シマコ」は自ら邪馬臺國の使ひとして魏の都まで赴いたのだらう。<BR>
    それが「『魏史』倭人傳」に登場する副使「都市牛利」のことであらう。<BR>
    さて、「邪馬臺國」が畿内だとするなら、日本海流に逆つてまで、あへて北九州を經由して朝鮮に行く必要があるのかどうか?<BR>
    <BR>
    以上が本書のサマリーであるが、筆者は大眞面目なのである。<BR>
    なかなか樂しめた。<BR>
    <BR>
    2004年10月10日讀了

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著者プロフィール

大阪経済法科大学客員教授

「2016年 『桓武天皇の帝国構想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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