- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061497634
作品紹介・あらすじ
現代思想の原点がここにある。コトバの本質を問う「ソシュール以後」の軌跡。
感想・レビュー・書評
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ことばを構成する音声と概念は本来別個のものであるにもかかわらず、結びつけられる。この背景をソシュールやその系譜の学者の主張を交えながら解説してくれる。
構造主義的なアプローチによる言語学の力を信じている筆者の思いは伝わってくる。小難しく考えずに読むとおもしろい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前半はそこそこ分かりやすかったが、第二章から置いてきぼりにされる感じであまり楽しんで読めなかった、、
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ソシュールの言語学からその後に至るまでを書いた本。
ソシュールの部分についてはとてもよく理解できた。その後の展開についてもなんとか理解できた気になったけども、最近の研究展開などにはついていけず。
とは言え全てを理解できないことが本の評価にはつながらない。
まずは肝と言えるソシュールの言語学をおさえられたので自分の中では満足でした。 -
ソシュールのことはもちろんだが、ソシュール以後の言語学者がどのようにソシュールの考えを取り入れたのかについても書かれていた。
特にマルチネのコトバの経済性の原理の考え方が面白かった。
また、構造主義言語学は、疑いようのない事実を立脚点とすることを重視し、事実に基づいて論証していくやり方であるが、この疑いようのない事実を人間の特徴から見出していたことに驚きつつ、でもよく考えたらそりゃそうだなぁと納得できたことに面白さがあった。
これは、一般的に思考する上で参考になると思った。 -
フィニシアンとフィニシエ
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「共時態」ってよく聞くけどどういう事なのかよく分かっていなかった。ソシュールがこの概念に光を当てて言語学に与えた影響をある程度把握できた。
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350円購入2006-09-20
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ソシュールは一般言語学の祖。そこから構造主義言語学が生まれたという。比較言語学と違い、普遍的な言語を研究するというのは難しそうである。
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よくまとまった本だった。
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ソシュールと、彼の思想を引き継いだ言語学者たちの仕事について解説している本です。
日本を代表するソシュール研究者の丸山圭三郎は、主著『ソシュールの思想』(岩波書店)において、ソシュールの思想のエピステモロジーとしての側面に焦点を当てていました。丸山の考えるエピステモロジーは、科学的な認識の批判的検討を意味しており、そこではソシュールは、マルクスの仕事が経済学批判として解釈されるのと同様の意味で、言語学批判をおこなったと論じられていました。
これに対して本書で焦点が当てられているのは、通常科学としての言語学の中でソシュールの仕事が持つ意義を明らかにすることだと言えるでしょう。ソシュール以後の言語学者では、プラーグ学派のトルベツコイ、コペンハーゲン学派のイェレムスレウ、フランスのバンヴェニストとマルティネが取り上げられ、
現代思想には関心があるけれども言語学そのものには関心がないという読者の場合、ソシュール、チョムスキー、レイコフといった主要な言語学者の仕事についてのおおまかなイメージがあるだけで、言語学という学問の営みそのものの発展についての知識が欠けているということは、おそらく少なくないと思います。私自身もそうなのですが、そうした読者が科学としての言語学におけるソシュールの仕事の意義について知るためには、たいへん有益な本ではないかと思います。
著者プロフィール
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