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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784061497696
作品紹介・あらすじ
なぜ、アラブとイスラエルは争うの?
アリとニッシムが世界の難問をやさしくガイド
旧約聖書の時代から、現代まで。宗教や民族についてもよくわかる!!
いつも「複雑な」と言われる「パレスチナ問題」。宗教や民族という日本人にはなじみにくい概念が問題のベースになっているし、昨日までの味方同士が突然戦争を始めたりして、たしかに、わかりにくいのはたしかです。だからこそ、本書では少しでもわかりやすいように、ユダヤの少年ニッシムとパレスチナの少年アリ、そしてエルサレムのねこ、2人と1匹が、旧約聖書の時代から21世紀のいままでの「パレスチナ問題」をガイドします。日本から少し距離のある国のお話ですが、すべてがつながっている現代では、けっして遠い世界のお話ではないのです。
みんなの感想まとめ
複雑なパレスチナ問題を、親しみやすいイラストとともに解説する本書は、歴史や宗教の背景を丁寧に説明しています。ユダヤの少年ニッシムとパレスチナの少年アリ、そしてエルサレムの猫が登場し、旧約聖書の時代から...
感想・レビュー・書評
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なおなおさんにオススメいただき、図書館にてお借りしてきました♪
ありがとうございました(*´ω`人)~♬
パレスチナ問題ほど、日本人にとって距離のあるテーマはないかもしれない。
中東という地理的な遠さ、イスラム教をはじめとする宗教的背景への馴染みの薄さ、そして民族間の対立という複雑な構造。
ニュースで断片的に触れることはあっても、
「なぜ争っているのか」
「どこから始まったのか」
を体系的に理解する機会はほとんどない。
だからこそ、この問題は“とっつきにくい”まま、私たちの日常から遠ざかってしまう。
そんな中で出会ったのが、山井教雄『まんが パレスチナ問題』だ。
本書はユダヤ人の少年ニッシム、パレスチナ人の少年アリ、そしてエルサレムの猫が、旧約聖書の時代から現代までをガイドする構成になっている。
この“二人と一匹”という語り部の存在が、複雑な歴史を驚くほどスムーズに読み解かせてくれる。
まさに入門書として最高の一冊!
(´ρ`*)コホン
では、本書の内容は<あらすじ>にまとめ、なぜ本書がパレスチナ問題の入門書としてオススメ出来るのかを私なりの視点で。
― 日本人にとって“最良の入口”となる入門書
■ とっつきにくさを溶かす「語り部」の力
パレスチナ問題の難しさは、歴史の長さと情報量の多さにある。
しかし本書では、少年たちが「なぜ?」「どうして?」と素朴な疑問を投げかけながら進むため、読者は自然とその対話に引き込まれていく。
宗教の違い、民族の成り立ち、エルサレムがなぜ特別なのか――こうした基礎の基礎から丁寧に説明されており、講談社の紹介文が強調するように、宗教や民族という日本人には馴染みにくい概念を“やさしくガイド”してくれる。
特に印象的なのは、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の関係性を、図やイラストを交えて説明するパートだ。
「三宗教が同じ土地を聖地とする理由」
が視覚的に理解でき、歴史の流れが一本の線としてつながっていく。
■ 歴史の“全体像”が一冊でつかめる
本書の強みは、4000年の歴史を一冊で俯瞰できる構成にある。
目次には、旧約聖書、十字軍、フランス革命、第一次世界大戦、第二次世界大戦とホロコースト、イスラエル建国、中東戦争、PLO、インティファーダ、オスロ合意、9.11までが並ぶ。
これだけの歴史を、漫画とイラストを交えながら“流れ”として理解できる本は、他にほとんど存在しない。
特に、
- ヨーロッパがユダヤ人を迫害し続けた歴史
- その“ツケ”がパレスチナに押しつけられた構造
- イギリスの二重外交が火種を生んだ事実
などは、まさに「本質が凝縮されている」と感じた。
この視点は、日本のニュースだけを見ていては決して得られない。
パレスチナ問題は“中東の争い”ではなく、ヨーロッパの歴史と大国の思惑が生んだ構造的問題なのだと痛感させられる。
■ 現代につながる“痛み”が描かれている
本書は2004年のアラファト死去までを扱っているが、そこで描かれる構造は、現在のガザ情勢を理解する上でも不可欠だ。
無知な自分でも構造を理解でき、涙が溢れそうになった。
特に、
- 難民となったパレスチナ人の喪失
- 占領下での生活
- インティファーダに至る民衆の怒り
- 和平交渉が挫折していく過程
こうした“痛み”が、少年たちの視点を通して描かれることで、単なる歴史の羅列ではなく“人間の物語”として胸に迫ってくる。
■ 日本人にとっての「入口」として最高の一冊
今年の読書テーマのひとつに「ガザ」を掲げ、関連書籍を読み進めてきた。
その中で感じたのは、パレスチナ問題は
“知ろうとする入口”
がとにかく難しいということだ。
宗教、民族、歴史、地政学、そしてアメリカやヨーロッパの思惑――どれか一つでも欠けると理解が歪んでしまう。
その点で、『まんが パレスチナ問題』は、
「まずは全体像をつかみたい」
「ニュースの背景を理解したい」
「宗教や歴史の基礎から知りたい」
という読者にとって、これ以上ない入門書だと断言できる。
講談社も「日本人にも関係のある問題であり、決して遠い世界の話ではない」と述べている。
まさにその通りで、世界がつながる現代において、パレスチナ問題は“他人事”ではいられない。
■ 続編へ ― さらに深まる理解へ
本書には続編『続 まんが パレスチナ問題 「アラブの春」と「イスラム国」』がある。
ガザ返還、ハマスの台頭、イスラエルのガザ侵攻、アラブの春、シリア内戦、ISの登場――現代の混迷を理解するためには欠かせないテーマばかりだ。
本書で歴史の“土台”をつかんだ今、続編を読むことで、現在のガザ情勢がどのような文脈の上にあるのか、より深く理解できるはずだ。
■ まとめ
『まんが パレスチナ問題』は、
パレスチナ問題を理解するための“最良の入口”
と言っていい。
とっつきにくいテーマを、
- 親しみやすい語り部
- 図解とイラスト
- 歴史の流れを押さえた構成
で、驚くほどわかりやすく解きほぐしてくれる。
ガザの現実を知りたい人、ニュースの背景を理解したい人、世界の構造を学びたい人――
どんな読者にも寄り添う、稀有な入門書だ。
続編も含め、これからも関連書籍を読み進めていこうと思う。
<あらすじ>
本書は、ユダヤ人の少年ニッシム、パレスチナ人の少年アリ、そしてエルサレムに住む猫の三者が案内役となり、4000年にわたるパレスチナの歴史と紛争の構造を、読者に語りかける形式で進む。漫画というより、イラストと文章を組み合わせた“絵本的な新書”で、複雑な国際問題を視覚的に理解できるよう工夫されている。
■ 1. 物語の導入 ― 「なぜ争いは続くのか?」
冒頭で語られるのは、現代のニュースで頻繁に耳にする「パレスチナ問題」が、なぜこれほどまでに複雑で、長期化しているのかという問いである。
アリとニッシムは、互いの立場を代表する存在として登場するが、敵対するのではなく、「なぜこんなことになったのか」を一緒に探っていく。
この構図が、読者に偏りなく歴史を追わせるための装置になっている。
■ 2. 旧約聖書の時代 ― 物語は4000年前から始まる
物語は、旧約聖書の時代にまで遡る。
古代イスラエル王国の成立、ユダヤ人の離散(ディアスポラ)、ローマ帝国支配、ビザンツ帝国、イスラム帝国の時代など、パレスチナの地がいかに多くの民族と宗教の交差点であったかが描かれる。
特に強調されるのは、
- ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の三宗教が同じ土地を聖地とする理由
- エルサレムが特別視される歴史的背景
である。
この段階で、アリとニッシムは「宗教の違いが争いの原因ではなく、歴史の積み重ねが複雑に絡み合っている」ことを確認する。
■ 3. 中世から近代へ ― 共存と変化
中世のイスラム王朝のもとで、ユダヤ人とイスラム教徒が比較的平和に共存していた時代があったことも紹介される。
しかし、ヨーロッパではユダヤ人迫害が続き、近代に入るとナショナリズムの高まりとともに、ユダヤ人の「民族国家」を求めるシオニズム運動が生まれる。
アリは「ヨーロッパの問題がパレスチナに押しつけられたのでは?」と問い、ニッシムは複雑な表情を見せる。
このやり取りは、読者に「パレスチナ問題の根源はどこにあるのか」を考えさせる重要な場面となる。
■ 4. 第一次世界大戦とイギリスの思惑
第一次世界大戦期、イギリスはアラブ人とユダヤ人の双方に矛盾する約束を行った。
- アラブ人には「独立国家の建設」を約束
- ユダヤ人には「民族郷土の建設」を支持(バルフォア宣言)
この二重外交が、後の対立の火種となる。
アリとニッシムは、イギリスの政策がいかに地域を混乱させたかを、地図や図解を使って説明する。
■ 5. 第二次世界大戦とホロコースト
ナチスによるホロコーストは、ユダヤ人国家建設の国際的支持を強めた。
大量のユダヤ人がパレスチナへ移住し、土地をめぐる対立が激化する。
アリは「なぜ私たちがヨーロッパの罪の代償を払うのか」と問い、ニッシムは「でも、私たちも生きる場所が必要だった」と答える。
この対話は、双方の“正しさ”と“痛み”を浮かび上がらせる。
■ 6. イスラエル建国と中東戦争
1948年、イスラエルが建国されると、周辺アラブ諸国との戦争が勃発する。
パレスチナ人の多くは難民となり、アリの家族の物語を通して、その喪失感が描かれる。
続く
- 第2次中東戦争
- 第3次中東戦争(六日戦争)
- 第4次中東戦争
- PLOの台頭
などが、少年たちの視点で整理される。
■ 7. インティファーダと和平交渉
1980年代後半の第一次インティファーダ(民衆蜂起)は、占領下のパレスチナ社会の現実を浮き彫りにする。
アリは石を投げる少年たちの姿を見て、「怒りの連鎖はどこまで続くのか」とつぶやく。
1990年代にはオスロ合意が成立し、和平への希望が生まれるが、暗殺やテロ、政治的対立によって道は閉ざされていく。
■ 8. 9.11以降の世界とアラファトの死
物語は、2001年のアメリカ同時多発テロ、2003年のイラク戦争、そして2004年のアラファト死去までを扱う。
世界情勢の変化がパレスチナ問題にどのように影響したかが、丁寧に説明される。
■ 9. 終盤の“衝撃の事実”とメッセージ
物語の終盤、アリとニッシムの間に、思いもよらない“つながり”があることが明かされる。
それは、民族や宗教の境界がいかに曖昧で、憎しみが「教育や環境によって簡単に作られてしまう」ことを象徴するエピソードである。
ラストで語られるメッセージは、
「民族的憎しみは、歴史的事実ではなく“物語”として作られる」
という痛烈な指摘だ。
■ 10. エピローグ ― 「遠い国の話ではない」
最後に、猫が読者に語りかける。
パレスチナ問題は遠い国の出来事ではなく、
宗教・民族・国家・復讐・資源・大国の思惑が絡み合う“現代世界の縮図”
であると。
本の概要
なぜ、アラブとイスラエルは争うの?
アリとニッシムが世界の難問をやさしくガイド
旧約聖書の時代から、現代まで。宗教や民族についてもよくわかる!!
いつも「複雑な」と言われる「パレスチナ問題」。宗教や民族という日本人にはなじみにくい概念が問題のベースになっているし、昨日までの味方同士が突然戦争を始めたりして、たしかに、わかりにくいのはたしかです。だからこそ、本書では少しでもわかりやすいように、ユダヤの少年ニッシムとパレスチナの少年アリ、そしてエルサレムのねこ、2人と1匹が、旧約聖書の時代から21世紀のいままでの「パレスチナ問題」をガイドします。日本から少し距離のある国のお話ですが、すべてがつながっている現代では、けっして遠い世界のお話ではないのです。
著者について
山井教雄(やまのいのりお)
- 1947年生まれの漫画家・僧侶
- 東京生まれ。東京外国語大学スペイン語科卒業
- 広告代理店(マッキャンエリクソン博報堂)でCF制作に携わった後、1977年に渡仏し10年間パリで生活
- フランス国立東洋言語文化研究所で日本語講師も務める
活動と作風
- 国際政治・現代史をテーマにした漫画を多数制作
- 『アエラ』掲載作をまとめた『ブーイング!』で文藝春秋漫画賞受賞
- 朝日新聞夕刊で四コマ漫画「サミット学園」を連載(no-rio名義)
- 国際政治漫画フェスティバルでグランプリ受賞(2000年)
主な著作
- 『まんが パレスチナ問題』(講談社現代新書)
- 『続 まんが パレスチナ問題 「アラブの春」と「イスラム国」』
- 『まんが現代史―アメリカが戦争をやめない理由』
- 『ブーイング!「漫画」ペレストロイカから湾岸戦争まで』
これらの作品は、複雑な国際問題を一般読者にも理解しやすい形で描いたことで高く評価されています。 -
なおなおさんとヒボさんのレビューを読んで。
分かっているようで分かっていない(本当は分からないようで、やっぱり分からないσ(^_^;))パレスチナ問題。いつか読もう、いつか読もうと思っていた本書。今だ!と手に取りました。
ユダヤ人のニッシム君とパレスチナ人のアリ君がナビゲーターとなって、旧約聖書の時代から現代までの複雑なパレスチナ問題を分かりやすく説明してくれます。
今までニュースを見ても分かるようで分からなかったことがスッキリと腑に落ちた気がします。
日本人にはなかなか理解できない宗教と民族の根深い問題。”テロリストを作るのは貧困ではない、絶望なんだ”‥‥という言葉が強く心に残りました。
そして、歴史の重さというものを感じました。
先日『地上の楽園』を読んだ時も感じたことですが、教育というとは良くも悪くも人間の核を作るものだと思いました。それは学校で教わることではなくて、家族や生まれ育った土地から自然と教わるもの。やはり、先祖の考え方は色濃く自分に受け継がれていくのだなぁと感じます。
外から見ていると悪しき負の連鎖は断ち切るべきと簡単に思うけれど、それはとても難しいことなのですね。
でも諦めてはいけない。
“差別した、されたという過去は消せないが、互いに許し合って行こう。必要なのは「融和」なのだ。”というネルソン・マンデラさんの言葉は覚えておこうと思いました。-
こっとんさん♪
パレスチナ問題って、日本人にはとっつきにくいですよね^^;
最初は完全に宗教問題だと思ってたんです
σ(・ω・`)
でも、イ...こっとんさん♪
パレスチナ問題って、日本人にはとっつきにくいですよね^^;
最初は完全に宗教問題だと思ってたんです
σ(・ω・`)
でも、イスラエル建国前からの歴史を学ぶと全く違った見え方にかわりました。
これからも学び続けていきたいですね。2026/03/09 -
ヒボさん、こんにちは♪
そうなんですよね。
本当に日本人にはなかなか理解しづらいことですよね。今回勉強できてとても良かったと思っています。
...ヒボさん、こんにちは♪
そうなんですよね。
本当に日本人にはなかなか理解しづらいことですよね。今回勉強できてとても良かったと思っています。
ヒボさんお薦めの『中学生から知りたい‥‥』も読んでみたいと思ってますよ(о´∀`о)
これからも色々教えてくださいねー(^-^)/2026/03/09
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良書。再読中に、連日パレスチナ・イスラエル情勢の報道あり。
私みたいな無知な者でも、本書は分かりやすく勉強になる。何度も読み返したくなり、購入したくらい。この機会にいかがでしょうか。
漫画というより親しみやすいイラストや風刺画、また図や地図もある。
二人の少年(ユダヤ人とパレスチナ人)と猫が、旧約聖書の時代から現代までの中東の歴史や宗教などを丁寧に説明してくれる。
またその時代に関わりのある人物、参考映画や美術など、芸術の紹介がちょこっとあるのも良い。
本書は旧約聖書時代~2001同時多発テロ、2003イラク戦争、2004アラファト死去まで。
続編もある。2005ガザ返還~2015イスラム国の支配まで。
これで終わらず、山井先生にはもっと書いていただきたいです。-
ほん3さん、コメントをありがとうございます。
タイムリーな本でした。
この辺りのことは、紀元前の歴史から絡んでいるじゃないですか…関心はある...ほん3さん、コメントをありがとうございます。
タイムリーな本でした。
この辺りのことは、紀元前の歴史から絡んでいるじゃないですか…関心はあるものの堅苦しい本ではなかなか頭に入らず。
でもこの本は良いのですよ。絵も可愛いのです。
山井先生、さらに書いてくれるかなぁ…(。>人<。)2023/10/12 -
なおなおさん、いつも僕の投稿へのいいね!をありがとうございます。
僕も最近の国際情勢に関する報道に胸を痛めている一人です。
新聞で、とあ...なおなおさん、いつも僕の投稿へのいいね!をありがとうございます。
僕も最近の国際情勢に関する報道に胸を痛めている一人です。
新聞で、とある当問題を研究する大学教授が、「この問題が解決するには、あと300年~400年かかる」
と、語っていて、衝撃を受けたことがあります。
こういうときこそ、草の根の我々は、「知は力」と、いきたいものですね。2023/10/17 -
川野さん、コメントをありがとうございます。
この本を読んで中東の民族、宗教や歴史が少し理解できました。それでも我々日本人には理解しがたい宗教...川野さん、コメントをありがとうございます。
この本を読んで中東の民族、宗教や歴史が少し理解できました。それでも我々日本人には理解しがたい宗教観、世界観。手元において繰り返し読もうと思っておりました。
紀元前から抱えている問題の解決は難しそうですね。
関心は持ち続けたいと思っております。2023/10/17
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4日間の戦闘休止…
そんなさなか、ようやくちゃんと学ぼうとしている。
あるワイドショーで「ガザでの戦闘について自分には何ができると思うか」というアンケートをとったところ、48%が「歴史を学ぶ」と回答したという。過去に読んできた本でイスラエル・パレスチナ問題に触れたものはあったが、正直説明できる自信がない。
歴史すらしっかり学べていなかったことになる。
タイトルの「まんが」はコマで分けられたものではなく、各ページイラストを使って解説していくスタイル。
ユダヤ人のニッシムとパレスチナ人のアリ少年、エルサレムに住むネコがタイムトラベルをしながら解説役にまわり、時にはその時代の代表者も話に加わったりする。
この2人と1匹がとにかく優秀!
解説は簡潔明瞭でありながらきめ細やかであるため、出来事が順番にインプットされていく!「日本一わかりやすい」と帯に書いてあったけど、自分も忘れた時にはまた本書を読み返せば良いと思っている。
アリ君はちょっぴり激情型だけど、美辞麗句でごまかすよりもあれくらい赤裸々な方が逆に信用できる。「これが彼らの本音なのかな」って。
古代エジプト王朝が各地の部族を征服・統合してもファラオは彼らの部族神を抹殺しなかった。
しかしユダヤ人は自分たちの神(ヤハベ)以外を認めず、遂にはモーゼと共にエジプトを脱出した。ニッシム少年曰く、ユダヤ教には選民意識がありユダヤ人でなければヤハベの恩恵は受けられないとのこと。
上記を知るまでユダヤ人を悲劇的な民族の代表格みたいに思っていたけど、パレスチナ人も相当理不尽な目に遭っている。
第一次大戦が終わりイギリスがユダヤ人を無制限でパレスチナに移民させて以降、パレスチナ人はヨルダン川西岸やガザ地区で難民生活を強いられている。挙句の果てにはイスラエル入植地を守るという名目で、パレスチナ側に大きな壁まで造られてしまった。(流れがアメリカ先住民と入植者みたいで、どこでも似たようなことが起こるんだな…)
隣国同士の少年を解説役にあてた理由が、この辺でよく分かった。
「テロリストを作るのは貧困じゃないんだよ。絶望なんだ」
「(民族的憎しみが)まるで歴史的事実で、人の力ではどうにもならないもののように思われてる。だから、世界のどこかで民族紛争が起きると、[中略]民族を引き離すことしか考えない」
平和への鍵は各民族が共存できる世の中。
エジプトの多神教社会も他の神を受け入れ、中には習合させたりもした。スペインのイスラム王国である後ウマイヤ朝でも国民の60%は異教徒だったという。
風通しをよくすることで人も国も豊かになるというのに、何故わざわざ絶望させる方を選ぶのか。
鍵の形は分かっているのに誰も先へ進もうとはしない。
歴史はある程度学べたが、何故足踏みするのか疑問が後を引いている。ここは<続>に託そう。 -
タイトルに“まんが”とあるので、一般的なコマ割りしてある漫画を想像していましたが、文章よりイラストの比率多め余白多めで、とっつきやすい解説書といったところでしょうか。複雑で長い、ユダヤ人とパレスチナの地の4000年の歴史を分かりやすく説明してくれる良書です。“理解したい気持ちはあるけれど、難しいからどうしようかな”と思っている私みたいな(?!)大人に最適。
ユダヤ人のニッシムくんとパレスチナ人のアリくんの2人の対話形式。時々、ねこちゃんも登場して楽しく読めます。宗教の解説のところは私には難しくて2度読みしました。パレスチナ問題の大枠を理解できとても良かったです。知識の整理ができただけでなく、ハッとさせられる記述がありました。以下、記します。
・宗教は人間の最善の部分を引き出すように作られているはずだけど、時として、人間の一番邪悪な部分「憎しみ」を引き出しちゃう
・民族意識なんて、血やDNAの問題じゃなくて、教育や環境によって作られちゃう
・民族紛争解決のポイントは、「憎しみや恨みを忘れて、テロと報復の連鎖を断ち切ること」と、「隔離や分離をしないで他民族が平和に融合した社会を目指すこと」
本書を知ったのは、確か昨年。(20年も前に出版されているのですが)読もうと思ったもののそのままで。ヒボさんのレビューで、“いつ読むの、今でしょ!”となって、読むことができました。きっかけを、ありがとうございました。合わて“続”もあることを知り、少しずつ読んでいます。-
くにちゃんさん♪
読了お疲れ様でした。
はやかったですね。
私も今朝1冊読み終え、今レビューをまとめているところです。
気づけば同じタイミン...くにちゃんさん♪
読了お疲れ様でした。
はやかったですね。
私も今朝1冊読み終え、今レビューをまとめているところです。
気づけば同じタイミングで同じ問題の関連書籍を読んでいる。
もはや同士ですね(*^^*)2026/03/07 -
コメントありがとうございます♪
“同志”なんて、めっそうもないですー
ヒボさんの足元にも及びませ〜ん
少しずつ読んで、2度読みもしてようやく...コメントありがとうございます♪
“同志”なんて、めっそうもないですー
ヒボさんの足元にも及びませ〜ん
少しずつ読んで、2度読みもしてようやくです
ヒボさんは、レビューが緻密ですから
私はいつもザックリしか書けないので、お恥ずかしい限り!2026/03/07 -
いやいや、持ち上げすぎです…///
同じタイミングで同じテーマ。
励みになるし、興味を持ったジャンルの知らない本も知れる。
こんな嬉しいこと...いやいや、持ち上げすぎです…///
同じタイミングで同じテーマ。
励みになるし、興味を持ったジャンルの知らない本も知れる。
こんな嬉しいことないですよ⸜(*ˊᗜˋ*)⸝2026/03/07
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少しだけアカデミックに現在進行形の時事問題の背景を理解したくなり、この本を購入しました。合わせて続編も手に入れ一気に読了。(「まんが」で手短に理解しようとしたのは大きな間違いでした。やはり難しい。)
中東の問題といえば、宗教絡み、石油絡み、そして第二次対戦後米国主導で国連決議の下に建国されたイスラエルという国が大きく絡んでいます。
今、テレビニュース等で報道されているガザのハマスとイスラエルとの争い。今のニュースだけを切り取ってみると、ガザのハマスがイスラエルの一般市民にロケット弾を撃ち込み、イスラエルが反撃し市民を巻き添えに!というもの。しかし、国連で、「とりあえず停戦しろ」といっているが、米国は拒否権を発動。イスラエルはハマスを根絶やしにすると息巻いている。一方、道徳的な観点から、、、、
このイスラエルvsハマスの対戦は今に始まったことではなく、十年以上前から同じような攻防戦が何度も何度も定期的に繰り返されているのですね。ガザの極貧生活もイスラエルの閉じ込めによりすでに何年も続いています。イスラエルもハマスからのロケット弾攻撃を何度も被っている。イスラム過激派の名前は色々と出てきて複雑ですね。ハマスの前にはPLOのアラファトが有名でした。他の地域ではタリバン、アルカイーダ、今勢力を伸ばしているのはイスラム国(IS)でしょうか。
根本的には何が問題なのか?今もニュース解説等で説明されていますが、もう一つ腹落ちしない。そこで、この本を読めば何らかの知識を得る事ができるかもしれない、と思い手にしました。(本屋さんには見当たらず、ブックオフにもなく、ネットで正規購入。しかし2週間ほどかかりました。なかなか手に入らないのですね。需要が多いのかもしれません。)
しかし、この本を読んで全ては理解できませんでした。あまりにも多くの争いが出てきて、その前後関係や背景を理解しようとしても歴史のスパンが長く、関係する地域が広い。そして宗教が絡んできます。完全には理解し難い。多くの国々の関係性がその時代時代によって変わってきます。
解明しようとしても、ほとんど人類の歴史そのものになってしまう。ナイル文明、チグリスユーフラテス川のメソポタミア文明の頃から理解しないといけない。そして宗教的な背景が入ってきます。(十字軍から石油ショック、湾岸戦争、ニューヨークの9.11を全て根本から説明するのは難しいでしょう。)
元々、一神教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教。これらの宗教が崇めている「神」は同一なんですね。「元々ユダヤ教徒であったイエス・キリストはパレスチナ人」なのだということからも良くわかります。全て紀元前の話。イスラム教は紀元後6世紀ごろ出来上がります。そもそも同じ地域の人々。ノアの方舟のことは昔々どの宗教の皆さんにも共通の宗教的背景があったことのようです。モーゼの「十戒」あたりはユダヤ教になりますが。「三大宗教」の「聖地」が「エルサレム」にあるということも皆さんの出自が同じだということを象徴的に物語ります。
アレキサンダー大王、ギリシャ、エジプト、ローマ、オスマントルコ。それぞれの時代の移り変わりとともに宗教の広がり方や内容、他宗教との関係性も変わってきます。部族・民族の多様性も複雑。そして、欧米の列強が石油の利権を求めて様々な国々、民族をぐちゃぐちゃにして憎悪だけを残して去っていった。(未だに裏では操っていますが)
2000年に渡って争いの歴史がある。理解しようとしても一筋縄では行きません。
なので、いま現在の状況においてどちらが悪いとは軽はずみには言えません。難しい。まさしく人類の歴史そのもの。
ただ、現時点において言えることは(極めて個人的な見解ですが)、
・長期にわたる独裁国家(独裁者)は国民に真の情報を開示せず、他国へ侵略することにより政権の存続を求めがちである。(現時点ではプーチン、習、金、ルカシェンコのように)
・宗教を根拠として出来上がった国家・集団は他宗教への攻撃を政治の目標としがちである。
・傀儡政権による民主国家らしきものは中枢から腐敗し多くの弱者が生まれて、国民は絶望してしまう。
・軍部を力の根源とする政権は力で国民をねじ伏せる。
・極貧、絶望の中から難民やテロが生まれてくる。
ということぐらいでしょうか。
幸い私は比較的平和な時代の日本で生きてきました。この私の感覚が世界規模で見るとかなりズレているのかもしれませんが。
第2次大戦後、日本も様々な浮き沈みを経験してきましたが、かろうじて戦争に直接巻き込まれておりません。今の所は。
何とか日本を含め全世界の人々が安心して生きている世の中になってほしいと願うばかりです。 -
十字軍物語を読んでいたり、昨今のパレスチナ情勢の背景を知りたかったので手にとりました。
ひとつひとつの事件や出来事(歴史ではバビロン捕囚や十字軍、近年ではナチスのホロコースト、イライラ戦争や湾岸戦争などなど)などは目や耳にする機会はあっても、一つの流れとして把握できてなかったのでとても勉強になりました。
ユダヤ人という考え方が民族(人種的なもの)ではなく、宗教的なものだったというのは新鮮でした。また著者も語ってますが、民族という単位で括るのは危険な考え方な気がしました。本来、ヒトの心を救うはずの宗教が争いの原因になってしまうのは悲しいことだと思いました。 -
現在でも尾を引くパレスチナ、イスラエルの諸問題の歴史を大変分かりやすく勉強できました。 -
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神はみな同一の神様であるというところから始まり、ザッと歴史的な出来事をおさらいしてくれた。2005年発刊の本で、当然続編がある。
先日「イスラエルについて知っておきたい30のこと」を読み終えたばかりだからか正直言ってさほど勉強にはならなかった。イスラエルの犯す戦争犯罪の非道さに心を痛め、怒りが噴き上がるというほどの内容ではなかったということ。
続編に期待する。必ず読む。 -
この本のエピローグの部分を読んでいた時、少しだけ涙ぐみそうになりました。
ユダヤ人の少年とパレスチナ人の少年が、それぞれの歴史や宗教を辿る一冊。紀元前から9.11の影響についてまでの歴史がまとめられています。タイトルには「まんが」とありますが、まんがというよりかは挿絵くらいの理解の方が近いでしょうか。
少年二人の対話と、解説役のねこの説明を中心に進んでいき語り口は平易で読みやすかった。それに近現代の歴史だけでなく神話や紀元前、三大宗教の話もあり、パレスチナに関する情報も網羅されていて、これ一冊で2023年のイスラエルとガザの問題の根源にあるものはある程度理解できるのではないかと思います。
神話から9.11までたどっていくため、情報量が非常に多くかったので自分には一読ですべてを理解するのはちょっと難しかったです。ただ先に書いた通り平易で読みやすい語り口なので、なにかわからないことや、忘れたことがあれば気楽に読み返すことができるのもいいと思いました。
オスロ合意というのは、名前はなんとなく知っていたけどこの本を読んで、この時のパレスチナの人たちの希望を想像してしまいました。そして2024年5月現在のイスラエル・ガザの現状を見ていると、このオスロ合意のときにもっと何かできたことはなかったのか、と少し思ってしまう。
報復の連鎖と絶望で過激派に走るガザの若者たち。ホロコースト以降、自衛のため強硬になっていくイスラエルの右派たち。そしてつくられたヨルダン川西岸とガザの壁は、進撃の巨人よろしく、人間を壁の中に閉じ込め天井のない監獄を完成させてしまいました。
この本は、最後に二人の少年に関する意外な事実が明らかになり閉じられます。自分はこのフィクションの部分の希望と美しさと、日々流される現実のあまりの救いなさに苦しくなったのだと思います。
今回のイスラエルの侵攻が終わった時、世界各国は何を思い、イスラエルは何が変わるのか。過去にも、いま起こっていることにも何も関われないけど、そのことを注視することだけは忘れないでいたいと思います。 -
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パレスチナ問題というとても難しい内容を、子供でもわかるように、イラストと風刺漫画で解説した本です。旧約聖書から今日までの歴史の中で、パレスチナおよび中東がどのような変遷を辿ってきたのかが説明されています。
ニュースで見聞きする程度の知識しかない私には、歴史や政治的な背景など、とても勉強になりました。
今日のパレスチナ問題はより深まっており、その解決は、未だ遠いように思われます。
皆が本書のアリとニッシムのように、未来のために生きていける日が来る事を願うばかりです。 -
パレスチナ問題が時代の長れとともに分かる。まんがもあるので、分かりやすい。
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新書で涙が溢れそうになったのは初めてです。
学生時代からニュースになる度ちゃんと理解しなくては、と思っていたパレスチナ問題について、この本を読むことで構造を少しだけ理解できるようになりました。
憎しみからは何も生まれないので、時間がかかっても対話を繰り返し、真の意味で折り合いをつけてやっていくしかないのだという考えが強化されました。 -
中東の歴史や宗教についてわかりやすく、読みやすく、まとめられています。
なんとなく、ボンヤリとニュースで聞いていた内容が輪郭を持って浮かびあがる話しとなってきます。
宗教や土地の為に戦争をするなんて、と思いますが、そうせざるを得ない事情や感情、あるいは政治的思惑があるのだと改めて思い知らされた。
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世界史を習ったことがない、何も知らない27歳です。今世界で起こっている現状を少しでも知っていきたいと思い、この本を手に取りました。
非常にわかりやすいですが、なにせ何の知識もないので、まずは宗教というもの自体を学ぶところから今は始めています。『教養としての宗教入門』や『はじめての聖書物語』、『ホロコースト』、『物語 フランス革命』、『物語 エルサレムの歴史』、『世界史の中のパレスチナ問題』を同時に読み進めながらですが、まだまだ最初の方の章で止まっています。
十字軍やインディアンの歴史、ローマ帝国についてもさらに知りたくなりました。始まりは全て同じ宗教であったはずなのに、なぜこうも歪んでしまったのか。絵が可愛くて読みやすいですが、この裏にある沢山の残酷な歴史を思うと、これくらい可愛くないと心が潰れてしまいそうです。 -
書いてあることは複雑だ。
なぜならこの問題は”簡単に”することで取りこぼしてしまう要素が多いから。
それを複雑性を保ったままで、あくまで書き口を可能な限り簡易に、そして風刺画も交えながら、なぜこの問題が生まれ、世界がどう対応してきたのかを書いている。
この1冊だけですべてを理解できるわけでもないことはわかっているけど、いまのこの状況で無知ではいられない、でも何から学べばいいのかわからないという人にはうってつけだと思う。
センセーショナルでわかりやすさだけに特化した解像度の低い本やネット記事を読むよりも明らかに正確だ。
読んでよかったと思う -
まったく知識がない自分が読んでも非常にわかりやすかった。
日本人にはあまり馴染みがない(?)宗教問題。
まさか始まりが紀元前とは…
この本から始めて、もう少しパレスチナ問題を学んでいこうと思った。 -
複雑な中東問題を歴史からわかりやすく、簡潔に解説した書。小学校高学年くらいから読めるだろう。私が中学生の頃から既に中東問題は地理の授業でもわかりにくいものだった。当時の先生が「中東戦争を理解しようと思えば、発端までさかのぼらないとわからない。『今』だけ見ていても理解できないよ」とおっしゃっていた。確かにそうだ。当時この本があればもう少し中東問題も理解しやすかったかも。
未だ、中東では世界各国の利害や思惑も加わり、戦火が絶えない。当事国以上に関連列国の思惑に振り回され、そこで生活する市井の人々は常に貧困と生命の危機を感じながら過ごしているのだろう。一朝一夕にはいかないのだろうが、利害を超えてなんとかならないものなのか。 -
教科書みたいでちょっと読むの大変だったけど、すごくまとまっていて勉強になった。宗教は人を幸せにするために作られたはずなのに、戦争するなんて悲しいね。
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「幸せにするために作られたはずなのに」
本当は違うのでしょうね、、、
自分たちが散々理不尽な目に遭ったから、同じだけ、理不尽なコトをしても許...「幸せにするために作られたはずなのに」
本当は違うのでしょうね、、、
自分たちが散々理不尽な目に遭ったから、同じだけ、理不尽なコトをしても許されると思っている、彼等が信じられない。。。2013/05/11
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紀元前にまで遡って今に続く紛争の根を解説。
常に「はざま」に位置付けられ、大国の思惑に晒され続けるパレスチナ。辿ってきたその歴史。
山井教雄の作品
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感想 :

図書館で予約していた「中学生から知りたいパレスチナのこと」がようやく順番がまわってきたので、明日受け取りに行く予定ですが、「ウ...
図書館で予約していた「中学生から知りたいパレスチナのこと」がようやく順番がまわってきたので、明日受け取りに行く予定ですが、「ウクライナのこと」は存在すら知りませんでした。
検索したら図書館にあったので、枠が空いたら予約してみます!
いつもありがとうございます┏〇゛
お勧めしたいのはパレスチナでした。
お勧めしたいのはパレスチナでした。