- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061497740
作品紹介・あらすじ
「ブッシュ外交」への感情論、アメリカ「帝国」論議を超える外交・国際問題を学ぶための最良の教科書。
感想・レビュー・書評
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自己チュー
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本書は、2005年の時点で、建国以来のアメリカの外交史を外観した書。2005年は、イラク戦争後にイラク国内が安定化せず「大義なき戦争」との批判が出るなかでブッシュ大頭領が再選を果たした時期であり、本書は、911以降のブッシュ政権の(戦争遂行を含む)外交政策をアメリカの外交史の大きなうねりの中で捉えようとしている。
アメリカ外交の潮流は、①ハミルトニアン、②ジェファソニアン、③ウイルソニアン、④ジャクソニアンの4つに分類できるということだが、歴代政権のスタンスは、要は、対外的に積極策かどうか、理念的(理想主義的)か現実的(軍事力重視)かどうか、ということらしい。歴代政権のスタンスは、これ等を複合したもののようである。
本書からオバマ政権の現在までの10年は、著者にはどのように捉えられているのであろうか。 -
アメリカ=唯一の超大国という貧困なイメージしか持っていなかったが、外交史を通して、苦悩してきた様が垣間見えた。日本の方向性を探る上でも、示唆的な部分が多々ある。偏見を正し、歴史から学ぶ姿勢すら持てるようになった。
・アメリカの国防予算は一国だけで、世界の軍事費の40~45%を占め、2位から11位までの国の合計を上回る(2005年)
・1.ハミルトニアン:海洋国家、対外関与に積極的、国力の限界に楽観的。2.ジェファソニアン:大陸国家、選択的な対外関与、国力の限界に自覚的。3.ウィルソニアン:普遍的な理念を外交目標に。4.ジャクソニアン:国威の発揚を重視、軍事力に傾斜
・リンカーンの独裁ぶり。
・ベトナム戦争の悲劇は、南北問題として取り組むべきを東西問題にしてしまったこと。
・11.9(ベルリンの壁崩壊)こそ、9.11以上に国際政治の大転換。
・(日本は)北朝鮮問題のような東アジア地域の安全保障問題では、アメリカに見捨てられる恐怖を意識し、イラク問題や国際テロ対策などグローバルな安全保障問題では、対米協力のために危険に巻き込まれるという恐怖が強い。 -
アメリカ外交の歴史を追う。
今まで帝国主義かとか衰退といった文脈で語られるアメリカだが、実際には複雑な要因が絡んでいる。
知米派の方が書かれた作品としては良作。アメリカ外交を追うのnまさに適作。 -
お手軽なアメリカ外交概論という感じ。
ただアメリカ外交をよく知らない私でもちょっと物足りない気が。。
経済思想や宗教などもからめたものも読んでみたいかな。 -
「戦争学」概論の内容が思い出される。
ソフトパワー、価値としての大衆文化、ハリウッド映画の変遷を負うのも面白そう。 -
建国からイラク戦争までのアメリカ外交を時の大統領の政策・その背景にある思想を基に考察している。アメリカ外交入門書として優れた本といえる。
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ラインホルト・ニーバー「冷静を求める祈り」
O God, Give us
Serenity to accept what cannot be changed,
Courage to change what should be changed,
And wisdom to distinguish the one from the other.
神よ、
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
(大木英夫・訳)