数学的思考法―説明力を鍛えるヒント 講談社現代新書

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061497863

作品紹介・あらすじ

もっと試行錯誤を!!本当に考えるためのレッスン

試行錯誤のすすめ
数学で学ぶ考え方のなかには、経済やビジネスだけでなく、社会問題であれ政治的問題であれ、身のまわりのさまざまな問題を考えるときにヒントになるものがたくさんある。そして「説明力」においても、算数や数学で学んだ論理性が大いに役立つはずだ。数学者の立場から、そうした思考と説明の技術やヒントをふんだんに紹介しようというのが本書の主眼である。ただ、その入り口として、現在の算数・数学教育の抱えている大きな問題を是非とも指摘しておかなければならない。考える力を養い、論理的な説明力をはぐくむために必要なことが、そこではまったくなおざりにされているからである。――<本書より>

感想・レビュー・書評

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  • 芳沢さんの本が好きで読んでみた。
    論理的に試行錯誤して考えることの大切さがわかる。
    例で出てくる登場人物みたいなことを、無意識に自分もやってしまっていたりする。そうした自分の癖を把握して、意識的に考え説明出来るようにしなければと思った。
    なぜその結論になるのか、
    その目的には何が分かればよいのか、
    条件(ルール)の変更で何が起こるか、
    論理的説明は苦手だが、恥を捨てて練習していこうと思う。沢山こなせば洗練される。数学者が言うのだから間違いない。

  • 結果論的思考から戦略的思考へ。論より証拠→証拠から論→論+証拠などなどヒントが満載でした。
    算数・数学が好きになります。様々な事象を事例を用いて解説されており、難解な式も出てこないので、サクサク読み進められます。
    算数・数学が苦手だと思っている方は、ぜひ手に取ってみてください。見方が変わると思います。

  • 現代の日本の数学教育は条件反射的であり、試行錯誤の欠落した無味乾燥としたものである。しっかりと数学の意味を理解し、試行錯誤することの必要性を強く感じた。教育全体に言えるような学問の本質的意味を再確認できた。

  • 数学的思考法ということで、その大切さを訴えた一冊になっています。
    しかし、理由に終始しすぎている感があります。著者の主張は尤もで真っ当で正当なのですが、もう少し日常的具体的な思考法を取り入れてくれると有り難いと思いました。
    例えば、おもちゃ20種類のガチャガチャがあって、何回回せばコンプリートできるかを数学的に解答したり、水平線までの距離を測ったり等、もっと身近なもので説明があると魅力的になると感じました。その点で言えば、既読である野口哲典『知ってトクする確率の知識』や谷岡一郎『「社会調査」のウソ』が良書であると言えます。
    ただ、上記2冊では、なぜ数学的思考法が大事なのかは上手に解説していないので、数学の魅力を発見するためには本書と併せて読むと良いでしょう。
    数学的思考には取捨選択が必須だし、大局的・局所的な物事の見方が必要になるので、著者の主張には全面的に賛成です。もっと面白く、便利でやりがいのある授業になるように望みます。
    僕の評価はAにします。

  • 数学はやり方だけ覚えても意味がない。
    計算が速くできるだけでも意味がない。
    証明など、なぜそうなるかをよく考え、試行錯誤し、よく理解してきちんと説明できるからこそ応用も聞くようになるし、数学以外のところでも役に立つ考え方の勉強になる。
    日ごろから考える癖をつけること、じぶんなりにきちんと考えることを忘れてはいけない。そしてその積み重ねが運良くひらめきにつながることも有る。

    その他、場合わけ、データの取り方、戦略的思考など身近なものの考え方に数学は関係深いことを改めて感じる。

  • 数学的なものの考え方は現象を理解したり思考を整理したり、さまざまな場面で役に立ちます。数学嫌いなあなたでも、気軽に読めます。
    【社会福祉学科教授 坂下智恵】

    ●図書館で借りられます。貸出中の場合は予約できます。下記URLからどうぞ。
    https://library.auhw.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?IS=9784061497863

  • 日常にあふれる数学の考え方と注意が書かれた本。
    教科書で習ったとき、計算のスピードと公式を覚えて駆使することしか考えていなかったが、なんでと試行錯誤して考える過程やこの主張はどの背景から来たのだろうと疑ってかかることが大事だと納得した。
    子どもと一緒に数学を学び直そうと思う※生活の中で使うものとして。今、せっかく時間があるのだから、目の前のことをじっくり考えていきたい。

  • 2022/07/23
    学生時代に数学から逃げてきたので、それを自戒する意味を込めてと、数学の考え方って大切だとは思うけどそれをどうやって活かしていったらいいのかいまいちよく分からないから何かのヒントがあればと思って読んでみました。
    数学の面白さや、数学的思考をするとは具体的にどういうことなのかがとても詳しく書かれていて大変参考になりました。
    計算さえできればいいと思いがちの数学ですが、そうではなくて論理的に物事を考えて行く手順を導き出すために数学的思考は絶対に必要で、それは必ずしも数字を扱うとは限らないということも書いてあったと思います。
    色々と考えて考えて考え抜いていくその過程が大切で、その際にさまざまなデータや材料を集めていき、論理立てて答えや解を導き出して行くことが大切であるということを色々な例を出して説明してくれています。
    とても分かりやすかったのですが、まだイマイチ消化できてないところがあるので、何度か読み返して行きたいと思います。

  • 20210916読了。この著者の本はいくつか読んだが、この本が一番しっくりきた。個別具体的には別の本を読まないといけないが。やる気にはなった。

  • 数学的な視点でものを見ると世界が変わる。大変面白かった。

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著者プロフィール

芳沢 光雄(よしざわ・みつお):1953年東京都生まれ。東京理科大学理学部教授、桜美林大学リベラルアーツ学群教授などを歴任し、現在は桜美林大学名誉教授。理学博士。国家公務員採用I種試験専門委員(判断・数的推理分野)、日本数学会評議員、日本数学教育学会理事も歴任。著書に『新体系・大学数学入門の教科書』『新体系・高校数学の教科書』『新体系・中学数学の教科書』(各上下)(講談社ブルーバックス)『中学生から大人まで楽しめる 算数・数学間違い探し』(講談社+α新書)『AI時代に生きる数学力の鍛え方』(東洋経済新報社)など多数。

「2024年 『数学の苦手が好きに変わるとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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