畑村式「わかる」技術 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498099

感想・レビュー・書評

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  • 私の人生を変えた本の中の一冊です。大学受験予備校に通っていた頃に出会ったと記憶しています。
    私はこの本を通して「勉強の面白さ」に目覚めました。予備校の授業が面白かったというのも確かにあるかもしれません。ただ、それだけでなくそもそも「わかる」とはどういうことか、その本質的なところを考え、意識するキッカケをこの本から頂いたからこそ、これまで楽しくなかった勉強が楽しくなったし、志望校合格という結果が出せたと今振り返れば思います。「勉強」の本質は「わからなかったものをわかるようにする」ですからね。
    そんな思い入れのある一冊。本日読了です。

    今読むと、「面白い話」をする人は何がどうちがうのか、という話が印象に残りましたね。
    話す相手のことをよく観察して、「立体的に」話をする。なかなか私自身出来ていないことです。相手に何を話せば興味関心を引いてもらえるかに配慮するということがあるかないかだけでも、自分が何を伝えたいかの受け取りやすさが随分違いますね。確かにそうです。また、相手の持つ理解のタネと自分の話がどうつながるかを意識することは、そのまま話し手が聞き手を尊重する態度につながっていくと思いました。自分の話を分かってくれる要素を相手はきちんと持っていると思えれば、自分の話すことにちゃんと価値があると、そういう自信が持てるからです。

    何度読んでも学ぶところが多いです。これからも私なりに「わかる」ということを考えていきたいと思います。

  • 2011/12/16読了。

    ものごとが「わかる」ということのプロセスを教えてくれる本。真新しい発見があったわけではないが、もっと「わかる」ということを意識して生活する必要は感じることができた。あるものごとをある程度正確に理解しているのか、それとも不完全な理解(分かったつもり)なのか、それをはっきりさせることで行動にメリハリをつけていければベター。

  • 第1章の 3「学校の教科書や授業はなぜわかりにくいのか」は共感できました。「雑なものを取り去って大事な部分だけを残す」ことが知識を伝達する昔からの営。余計な部分を付け加えると中身が不正確になりやすいのは、まま有ることだと思います。逆に考えれば、「理解」しやすくするためには自分の言葉で沢山の補足を入れていくことが近道ではないでしょうか。

  • 『技術の伝え方』に似ていて、少し参考になりました。自分の頭を使って考えることの大切さがわかります。

  • この本を読んでいて気になったので、直観でわかる数学を先に読んだ。実に楽しい数学コラムだった。この本で気になったのは、手帳の書き方。1年後でも何があったが再現できるように書くというのは参考にしたい。

  • 具体的に、わかる、ように努力します。

  • 本書では「わかる」とは何かということを、大学で創造工学を教える著者の経験から述べている。理系らしく、比喩に例えられるのは工学関係が多いが、難しくは書かれていない。「分かる」とは何かということを求めるよりも、「分からない」ときになぜ分からないのか考えるきっかけになる書だと思う。

  • 「わかる」とはテンプレートの一致である.
    要素が集まって構造をなす.→新たなテンプレートの構築.

    自分でテンプレート、モデルを作れば、想定外の変化にも臨機応変に対応できる.

    教育で身につけるべきは、「課題決定の力」である.

    事実/知識から抽象化、上位概念を創りだすのだが、これらは抽象的であるがゆえに素人にはわかりにくい.

    思考プロセス:馬鹿丁寧に逐一虱潰しに選択肢を当たるのではなく、思考のショートカット=飛躍思考を利用する.

    「経験主義」の誤り=偽ベテラン:経験のみで論理性がない.
    その反対に、要素や構造をきちんと理解していると、第三者にもわかりやすく説明できる.

    「形式論理」(内容を深く検討しない):決まった道を歩くリスク.=応用が効かない.
    経験や知識から自分で新しい知見を作れるようになること.

    マニュアル=公式=対症療法であり、真の理解ではない.

    「話が面白い人」:話が立体的かどうか=種同士のリンクが意識されているか、上位概念が意識されているか.利き手に応じて話し方を変える=利き手のテンプレートを豊かなものにできる.

    「成功例を真似る」だけでは、発展がない、「想定外」に対処できない.
    「三現」を大切にする.(現地、現物、現人)

    「部分最適・全体最悪」にならないようにする.(直接見えている部分のみならず、関連のリンクを見る視点が大切)

    「逆演算の思考」:起こりうる自己や失敗を想定して底から逆上って考える.「順演算の思考」と組み合わせて使用する.

    失敗は(1)ヒューマンエラー(2)組織の失敗に集約される.


    畑村洋太郎の「わかる」とはどういうことか、「わかる」ためにはどのようなことを意識すればいいのかについての書籍.
    表面的な理解や模倣、マニュアル化では終わらせず、物事に含まれる種や構造を見つけ出し、自分の中でテンプレートを作ることが深い理解やその後の応用力につながることを論理的に教えてくれる.

  •  ものづくりとそれに伴う「失敗」についての研究者が、「わかる」ということがどういう営みなのか、「わかる」ためにはどうすれば良いのかということを、独自の枠組みで説明したもの。
     頭の中の「テンプレート」の話や、「形式論理」についてなど、「わかる」プロセスを理解するための概念が色々と説明されるが、正直、わかりにくい。もちろん具体例も豊富だし説明も的確なので著者の説明すること自体はよくわかるのだけれども、それがわかったところで何をすればよいのかが見えなかった。例えば「(話し上手な人は)聴衆の反応で、どんな話をすれば聴衆が理解できるかを探りながら、みんながほっしている知識なり知見を、欲している形で示している」(pp.137-8)と書いてあるが、そんなことは当然のことで、この文言を読んだ時点で「そうか!」と思って本当にそうできれば誰も苦労しない。じゃあどうするんですか、と言うとテンプレートがどうのこうの、という話になって、それも別に言われなくても当然のことじゃないかと思う。やっぱり見えてこない。ここに書かれていることがわかった上で、じゃあどうわかりやすく人に説明しよう、とかを日々考えている訳で、どうも物足りないというか、あまり読んで勉強になったという感じがしなかった。「畑村式」と銘打っているように、おおよそ著者の自己満足ではないかとさえ思ってしまう。ただ、「暗記だって意味がある」(pp.94-6)の部分は、とてもよく共感できた。(13/05/12)

  • 本文より・・・現代社会で必要とされているのは、自分で課題設定できる人です。なぜなら、企画を立てるにも、製品をつくるにも、何か新しい問題が発生したときにも、まず最初にすべきことは、「自分が解決すべき課題はどういったことか」と自分で問いを立てることだからです。・・・大きな問題を課題として解決すれば、自分の目の前にある問題だけではなく、共通点を持った問題もすべて解決できることになります。課題解決でいちばんに目指すべきは、上位にある大きな問題を課題だと設定することです・・・
    ――
    この考え方は、ブレイクスルー思考に似ています。ブレイクスルー思考では、ボールペンの課題を解決しようとする時、ボールペンの目的を追求します。ボールペンは、文字や絵などを書く(描く)道具であり、その目的は、誰かに何かを伝えるためであると遡ります。そこまで遡ると、道具は、ボールペンにこだわる必要はなく、スマートフォンでも良いわけです。また、商品やサービスを開発する目的は、付加価値を持ち差別化できる商品やサービスで利益を上げることによって企業を存続することが目的ですから、自社の強みが活かせるからといって、衰退するカテゴリーに固執するのは愚かな戦略と言えます。
    「目的を達成するために、どのような課題、目標を設定するか」この問いを検討するのは、「目標を達成するための手段を検討する」よりも遥かに高度な知恵が必要です。この問いに取り組むのは、自社で最も優秀な人材を充てる必要があるのです。

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プロフィール

東京大学名誉教授、工学院大学教授、工学博士。東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会・元委員長。消費者安全調査委員会・委員長。1941年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。東京大学教授を経て現職。専門は失敗学、創造学、危険学、知能化加工学、ナノ・マイクロ加工学。著書に『失敗学のすすめ』(講談社文庫)、『直感でわかる数学』(岩波書店)、『未曾有と想定外』(講談社現代新書)など多数。

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