畑村式「わかる」技術 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 504
レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498099

作品紹介・あらすじ

なぜ「わからない」のか どうすれば「わかる」のか
『失敗学』『直観でわかる数学』の著者による まったく新しい知的生産の技術

なぜ授業の説明がわかりにくいのか
私たちが食べ物を食べたときに「おいしい」と感じるときの一要素として「うま味」の存在があります。和食のベースに使われるだし汁の素材といえばまず思い浮かぶのが昆布やかつお節でしょうが、昆布とかつお節にもうま味成分が豊富に含まれています。(中略)現在では昆布のうま味成分がグルタミン酸ナトリウム、かつお節のうま味成分がイノシン酸ナトリウムであることがわかっています。それでは、「うま味って何ですか?」と訊かれたとき、あなたならどのような説明をしますか?「だし汁などに含まれる、人がおいしいと感じるもの」といった説明をする人もいるでしょうし、「グルタミン酸やイノシン酸を適度に人の好みに合わせて混ぜたもの」といった説明をする人もいるかもしれません。もちろん後者のような説明でも間違いではなく、「正しい」ことです。しかし、グルタミン酸やイノシン酸という言葉にふだん馴染みのない人にとっては、そんな説明を受けても、うま味についてわかるようになるはずはないでしょう。私にはこの説明が、数学の授業の説明にそっくりに聞こえます。――<本書より>

感想・レビュー・書評

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  • 私の人生を変えた本の中の一冊です。大学受験予備校に通っていた頃に出会ったと記憶しています。
    私はこの本を通して「勉強の面白さ」に目覚めました。予備校の授業が面白かったというのも確かにあるかもしれません。ただ、それだけでなくそもそも「わかる」とはどういうことか、その本質的なところを考え、意識するキッカケをこの本から頂いたからこそ、これまで楽しくなかった勉強が楽しくなったし、志望校合格という結果が出せたと今振り返れば思います。「勉強」の本質は「わからなかったものをわかるようにする」ですからね。
    そんな思い入れのある一冊。本日読了です。

    今読むと、「面白い話」をする人は何がどうちがうのか、という話が印象に残りましたね。
    話す相手のことをよく観察して、「立体的に」話をする。なかなか私自身出来ていないことです。相手に何を話せば興味関心を引いてもらえるかに配慮するということがあるかないかだけでも、自分が何を伝えたいかの受け取りやすさが随分違いますね。確かにそうです。また、相手の持つ理解のタネと自分の話がどうつながるかを意識することは、そのまま話し手が聞き手を尊重する態度につながっていくと思いました。自分の話を分かってくれる要素を相手はきちんと持っていると思えれば、自分の話すことにちゃんと価値があると、そういう自信が持てるからです。

    何度読んでも学ぶところが多いです。これからも私なりに「わかる」ということを考えていきたいと思います。

  • 2011/12/16読了。

    ものごとが「わかる」ということのプロセスを教えてくれる本。真新しい発見があったわけではないが、もっと「わかる」ということを意識して生活する必要は感じることができた。あるものごとをある程度正確に理解しているのか、それとも不完全な理解(分かったつもり)なのか、それをはっきりさせることで行動にメリハリをつけていければベター。

  • 「分かりやすく」は、物事を単純化して話したり、平易なことばで表現すれば実現できるというのは間違いである。
    現代ははっきりした答えが見つからない時代。

    本当のことをわかるには現地・現物・現人の「三現」を実践する必要がある。

  • 105円購入2012-04-09

  • 人が理解し「わかった」となるということは、どういうこと?を見える化しているのが本書。自らの理解を深めること、すなわち他者にわかりやすく伝えることができる人とそうでない人の差は何?他者にどのように伝えれば理解を得られるのか?自らの思考の経路を意識して積み立てることの大切さがわかる。

  • 未知のものを理解するためにはテンプレートの構築をする必要があるというが、肝心のテンプレートの構築手法が試行錯誤という言葉で片づけられてしまっている。テンプレート構築のテンプレートを問題タイプ別に用意されてるとより親切だったかなという感想。ただ筆者のテンプレートに頼っている状態では丸暗記型と変わらないため、自分で試行錯誤して理解へたどり着くためのプロセスを作れということなのかもしれないが。

  • 第1章の 3「学校の教科書や授業はなぜわかりにくいのか」は共感できました。「雑なものを取り去って大事な部分だけを残す」ことが知識を伝達する昔からの営。余計な部分を付け加えると中身が不正確になりやすいのは、まま有ることだと思います。逆に考えれば、「理解」しやすくするためには自分の言葉で沢山の補足を入れていくことが近道ではないでしょうか。

  • 『技術の伝え方』に似ていて、少し参考になりました。自分の頭を使って考えることの大切さがわかります。

  • この本を読んでいて気になったので、直観でわかる数学を先に読んだ。実に楽しい数学コラムだった。この本で気になったのは、手帳の書き方。1年後でも何があったが再現できるように書くというのは参考にしたい。

  • 具体的に、わかる、ように努力します。

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著者プロフィール

東京大学名誉教授、工学院大学教授、工学博士。東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会・元委員長。消費者安全調査委員会・委員長。1941年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。東京大学教授を経て現職。専門は失敗学、創造学、危険学、知能化加工学、ナノ・マイクロ加工学。著書に『失敗学のすすめ』(講談社文庫)、『直感でわかる数学』(岩波書店)、『未曾有と想定外』(講談社現代新書)など多数。

「2017年 『まんがでわかる 失敗学のすすめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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