畑村式「わかる」技術 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498099

感想・レビュー・書評

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  •  ものづくりとそれに伴う「失敗」についての研究者が、「わかる」ということがどういう営みなのか、「わかる」ためにはどうすれば良いのかということを、独自の枠組みで説明したもの。
     頭の中の「テンプレート」の話や、「形式論理」についてなど、「わかる」プロセスを理解するための概念が色々と説明されるが、正直、わかりにくい。もちろん具体例も豊富だし説明も的確なので著者の説明すること自体はよくわかるのだけれども、それがわかったところで何をすればよいのかが見えなかった。例えば「(話し上手な人は)聴衆の反応で、どんな話をすれば聴衆が理解できるかを探りながら、みんながほっしている知識なり知見を、欲している形で示している」(pp.137-8)と書いてあるが、そんなことは当然のことで、この文言を読んだ時点で「そうか!」と思って本当にそうできれば誰も苦労しない。じゃあどうするんですか、と言うとテンプレートがどうのこうの、という話になって、それも別に言われなくても当然のことじゃないかと思う。やっぱり見えてこない。ここに書かれていることがわかった上で、じゃあどうわかりやすく人に説明しよう、とかを日々考えている訳で、どうも物足りないというか、あまり読んで勉強になったという感じがしなかった。「畑村式」と銘打っているように、おおよそ著者の自己満足ではないかとさえ思ってしまう。ただ、「暗記だって意味がある」(pp.94-6)の部分は、とてもよく共感できた。(13/05/12)

  • 本文より・・・現代社会で必要とされているのは、自分で課題設定できる人です。なぜなら、企画を立てるにも、製品をつくるにも、何か新しい問題が発生したときにも、まず最初にすべきことは、「自分が解決すべき課題はどういったことか」と自分で問いを立てることだからです。・・・大きな問題を課題として解決すれば、自分の目の前にある問題だけではなく、共通点を持った問題もすべて解決できることになります。課題解決でいちばんに目指すべきは、上位にある大きな問題を課題だと設定することです・・・
    ――
    この考え方は、ブレイクスルー思考に似ています。ブレイクスルー思考では、ボールペンの課題を解決しようとする時、ボールペンの目的を追求します。ボールペンは、文字や絵などを書く(描く)道具であり、その目的は、誰かに何かを伝えるためであると遡ります。そこまで遡ると、道具は、ボールペンにこだわる必要はなく、スマートフォンでも良いわけです。また、商品やサービスを開発する目的は、付加価値を持ち差別化できる商品やサービスで利益を上げることによって企業を存続することが目的ですから、自社の強みが活かせるからといって、衰退するカテゴリーに固執するのは愚かな戦略と言えます。
    「目的を達成するために、どのような課題、目標を設定するか」この問いを検討するのは、「目標を達成するための手段を検討する」よりも遥かに高度な知恵が必要です。この問いに取り組むのは、自社で最も優秀な人材を充てる必要があるのです。

  • 「わかる」について具体的に書かれた本。「わかる」は楽しい。「わかる」をもっと自分のものにするために身につけたい習慣、考え方などが学べる本。理系的な考え方から「わかる」を分析しているのがおもしろかった。

  • わかるとはなにかを考察した第1章の内容は、僕もそうだろうと思い今まで実践してきた内容でした。しかしその後の活用の段階を読んで、「この人はこんなに普段から考えているんだ」とびっくり。まだまだ僕は思慮が足りないなあ。

  • 「わかる」が何かをわかりやすく説明していただきました。

  • 分かるとは何だろうか?
    この本では、ものごとを構成要素に分解し、それぞれの要素の関係を理解することと読んだ。

    因数分解、そしてその後の関係性把握。これは意識すれば誰でもできる。ポイントは、多忙な日常の中で無意識にこの境地に辿り着くこと。

  • この本は、何ら具体的なものを呈示してはくれない。まずそこに注意。
    書中で述べられているのは、物事が「わかる」ために常駐坐臥、旨とすべき事柄についてである。図解も豊富であり、内容自体の理解が難しいという事はないと思う。

    しかし一番疑問なのは、「じゃあ、具体的にはどうすりゃいいのよ?」が判らない点である。筆者は「経験で補うべし」という主旨のことを述べているが、それを言っちゃお終い。

    もちろん、内容自体が特に間違っているとは感じない。広く浅い理解が深まるので良いと思います。

    あと、筆者の手前味噌な傾向が鼻につく。
    質の悪いビジネス本とかでも見かけますが、「私はこうして成功した」ということが他者に対しても有効であるというのは既に「わかっていない」ですね。

  • NDC分類: 141.5.

  • 配置場所:摂枚新書
    請求記号:141.5||H
    資料ID:95050499

  • 「直感」と「直観」の違いを明快に説明。思いつきにもこの2種類があると思う

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著者プロフィール

1941年東京生まれ。東京大学工学部機械工学科修士課程修了。東京大学名誉教授。工学博士。専門は失敗学、創造的設計論、知能化加工学、ナノ・マイクロ加工学。2001年より畑村創造工学研究所を主 宰。2002年にNPO法人「失敗学会」を、2007年に「危険学プロジェクト」を立ち上げる。著書に『図解 使える失敗学』(KADOKAWA)、『失敗学のすすめ』『創造学のすすめ』(講談社)『技術の創造と設計』(岩波書店)、『続・実際の設計』(日刊工業新聞社)『3現で学んだ危険学』(畑村創造工学研究所)など。

「2022年 『やらかした時にどうするか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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