はじめての〈超ひも理論〉 (講談社現代新書)

  • 講談社 (2005年12月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784061498136

作品紹介・あらすじ

私たちは50回目の宇宙に住んでいる!? 「サイクリック宇宙」試論も収録! 時間も空間も1個のひもから始まった――クオークの正体は何か。重力はいかにして統一できるか。宇宙はなぜ生まれ、どう膨張してきたのか。物質の窮極の構成要素とは何か。「4つの力」の統一、時間の起源、宇宙誕生の謎を解く「超ひも理論」の全貌を第一人者がわかりやすく解説する、待望の入門書。


私たちは50回目の宇宙に住んでいる!?「サイクリック宇宙」試論も収録!
時間も空間も1個のひもから始まった――クオークの正体は何か。重力はいかにして統一できるか。第一線研究者がわかりやすく説く「究極の物理理論」

完成までのあと一歩
第3期ブームが始まれば、標準模型が検証されたり、「セオリー・オブ・エブリシング」として超ひも理論が、クオークの世代数や質量、ゲージ群の構造、ニュートン定数やその他の結合定数など、現在知られているあらゆる物理量を説明してみせたり、ブラックホールの謎が完全に解けたり、われわれの「サイクリック宇宙」論が宇宙論に新たな展開を拓いたり、それは賑やかなことになるでしょう。しかし何といっても究極の目標は、超ひも理論を完全に定義し、超ひもの唯一の真空を見出すことに尽きます。われわれの行列模型は、ほかのタイプの類似のモデルと比較しても、最も対称性が高いものであり、その有力候補と目されていると思います。――<本書より>

感想・レビュー・書評

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  • 図書館に無し

  • 「電磁力」「弱い力」「強い力」にどうしても「重力」だけが理論としてまとめられなかったが超ひも理論ならそれが可能になる。

    力の統一理論として非常に注文されている超ひも理論ですが、それを理論を理解するのはかなり難しい。

    なにしろ超ひも理論自体がまだ完成していないのですから。

    この本が出版されてから15年。

    さて現在の超ひも理論はどこまでたどり着いているのだろうか。

  • 信州大学の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA74652500

  • わかりやすい説明であることを期待していたが、やはり難しかった・・・。宇宙の起源と今後について知りたかったので読んでみたが、期待した情報は得られなかった。(というより理解できなかった)

    通勤途中、読んでいる途中で難解すぎて眠ってしまったことも1回や2回ではない(笑)

    最終的に最後の2章は読み飛ばしてしまった。

    この世界を構成する物質の最小単位が「超ひも」であることは理解できたが、虚時間とかインフレーションとかあたりからまったく意味がわからなくなった。頭の悪い僕には数式とか出された段階でもういきなりどうでも良くなってしまい、読んでる途中で「飽きた」といったほうが正しいかもしれない。

    超ひもに関してはおそらくもっと簡単な書籍が存在するだろうからそっちを読んだほうが理解が早いと思う。



    ※20090819開始

  • (「BOOK」データベースより)
    私たちは50回目の宇宙に住んでいる!?「サイクリック宇宙」試論も収録!時間も空間も1個のひもから始まった―クオークの正体は何か。重力はいかにして統一できるか。第一線研究者がわかりやすく説く「究極の物理理論」。

  • 12/6/26
    とね日記 and たけのやさんの書評
    http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2484943aee0230f7f2df114a6a543fe4
    http://6246.teacup.com/asmem/bbs/2589

    「はじめての〈超ひも理論〉:川合光」

    この本はとにかく読みやすい!高校生でも読むことができる一般書だ。これなら最後まで理解できそうだという安心感があるのがいい。出版されたのは2005年である。

    著者は有名な量子力学の教科書を執筆された京大の川合光先生だ。先生ご自身も超ひも理論の研究者であり、1984年には行列模型による「格子ゲージ理論」で仁科賞を受賞、超ひも理論では「タイプII B」での定式化(数式で書き表すこと)に成功されている。

    序章で紹介される「宇宙創生のイメージ」では宇宙の誕生から現在のような宇宙になるまでの歴史を示し、素粒子などの極微の世界を研究することが宇宙の誕生の様子を知る手がかりになることが解説される。私たちが別個のものと理解している4つの力は宇宙誕生のときにはそれぞれ区別のつかない1つの力であることが現代物理学で予想されているが、まだ解明されていないことがいくつもある。そのすべてを解決し「セオリー・オブ・エブリシング=万物の理論」として近年さかんに研究されているのが「超ひも理論」である。超ひも理論は超弦理論、スーパーストリング理論とも呼ばれることがある。

    第1章は「超ひもと素粒子」というテーマ。
    加速器のエネルギーをどんどん上げることによって、より小さい世界の粒子の様子が見えてくるというのが素粒子物理学の世界だ。現在までには陽子や中間子を構成するクオークの挙動まで理論的に解明され、宇宙の誕生時にクオークが「スープ状態」だったことが説明される。さて、その先にもっと小さな世界はあるのだろうか?量子論による理論的な限界として「プランク長さ」、「プランク時間」というさらにずっと小さな限界がある。その世界ではアインシュタインの4次元時空の曲率も無限大になるので私たちの認識できる時空すら存在できない。その極微の世界の先に「超ひも」が存在することが紹介される。

    第2章は「超ひもと「力」の根源」。
    物理学史に沿いながら、標準模型、統一理論、大統一理論という枠組みの中で「力の統一」とはどういうものであるかが解説される。ニュートンやアインシュタインの重力、電磁力、弱い力、強い力の4つの力のことだ。それらの力が統一されていく過程をたどりながら、その背後に数学であらわされる「直観的な幾何学で理解できる対称性」や「直観では理解しにくいゲージ理論という考え方にもとづくゲージ対称性」、「超対称性」などが説明される。そして「対称性の自発的な破れ」が力の統一の理解に重要な役割を果たしていることが示される。

    第3章は「超ひもと時間の秘密」
    時間はどのように始まったかを解説している章だ。序章の「宇宙創生の図」を元にし、インフレーション宇宙論と超ひも理論の関係、宇宙誕生時の虚時間との関係が示される。これ以上分割のできないほど小さい時空の起源の中に超ひもが住んでいることが紹介される。

    第4章は「超ひも理論の歴史」
    この章からやっと超ひも理論本体の解説が始まる。1960年代の南部先生のひも理論がどのように超ひも理論として1984年にシュワルツによって発表されたか、超ひも理論の10次元時空やそのうちの6次元のコンパクト化についての説明。そして摂動論の限界によって超ひも理論ブームの第1期が停滞していった状況が解説される。

    第5章は「超ひも理論を解くマトリクス」
    1995年に超ひも理論は第2期のブームを迎える。ポルチンスキーによるDブレーンの発見だ。D0〜D9で示される0次元から9次元の膜の存在が示され、超ひもはその膜にくっついたり離れたり、膜の上で振動したりする理論である。またウィッテンによるM理論(11次元の超ひも理論)も紹介される。そしてそれらの超ひも理論を支えるのは行列であらわされる非可換幾何学である。著者の川合先生などの研究者によって考えだされた「IKKT行列モデル」によって10次元の超ひも理論空間から4次元時空を導き出す試みが行われていることが紹介される。

    付録は「私たちは50回目の宇宙に住んでいる?」
    川合先生らが考案した「新サイクリック宇宙論」の紹介だ。インフレーション宇宙論で紹介される宇宙創生の前に、何度も宇宙が創生、消滅を繰り返していたという仮説のことである。このサイクリック宇宙論は温度の上限であるハゲドン温度とハッブル定数の上限で予想した法則とTデュアリティという超ひも理論の性質を論拠として考えだされた理論である。


    このように要約すると難しいと感じるかもしれないが、川合先生の巧みな解説の技量のおかげでとても読みやすい本に仕上がっている。一般読者には馴染みのない物理学や数学の専門用語はその都度日常的な事例を引き合いに出しながら簡潔明瞭に説明されているからで、さらに「なぜ、そのようなことを考えているのか?」ということを常に意識させるように話の展開が工夫されているからだ。

    本書はたかだか270ページほどの新書版である。超ひも理論が生まれるに至った経緯と超ひも理論自体の概要を、コンパクトにまとめてしまったので物足りないという読者もいることだろう。6次元の「カラビ-ヤウ空間」についてはほんの少し紹介されただけだし、「素粒子論のランドスケープ:大栗博司」で取り上げられていたトポロジカルな超弦理論、重力のホログラフィー理論については全く触れられていない。僕にとっては超ひも理論についてもっと詳しく知りたいという欲求をかきたてる一冊であった。

    なお、本書の第5章で紹介されている「10次元の超ひも理論空間から4次元時空を導き出す試み」は2011年12月に、ひとつの成果が出たようである。以下に紹介する「関連ページ」をご覧いただきたい。ただし、この計算で導き出された3次元宇宙は「計量」が異なるので私たちの住む3次元宇宙空間とは別の宇宙空間であることを、知り合いの方から先日教えていただいたのでご注意いただきたい。「計量」とは時空の曲率をあらわす尺度のことで4次元時空の場合は4x4の行列で表現される。本書の第5章で「4次元時空」と書かれ、関連ページで「3次元宇宙」となっているのは時間の1次元を含めて考えているかいないかの違いである。


    関連ページ:

    KEKら、超弦理論を活用して10次元宇宙から3次元宇宙が誕生する仕組みを解明
    http://news.mynavi.jp/news/2011/12/22/073/index.html
    http://www.kek.jp/ja/NewsRoom/Release/20111222093000/

    はじめての〈超ひも理論〉:川合光
    出版社による本書の紹介ページ
    http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1498134

    物理学、数学の動画: 相対性理論、量子論、電磁気学、超ひも理論など
    http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/381f2242143b9804e25c95a948c8758f

    ===============
    大栗博司先生「重力とは何か」(2012年5月30日第1刷発行、幻冬舎新書) 投稿者:たけのや 投稿日:2012年 5月31日(木)19時53分47秒   通報 返信・引用
    大栗博司先生「重力とは何か」(2012年5月30日第1刷発行、幻冬舎新書)読んでみました。

    昨夜読み始めましたが今朝気になって、都内出張先に少し早く(だいぶかも!)家を出て続きを読み始めました。しだいに引き込まれ一気に読まされた感じがしました。

    最近大栗先生が出された「素粒子論のランドスケープ」(2012年4月20日第1版第1刷発行、数学書房刊)を先に読んでいました。こちらは、学会誌等に大栗先生が書かれた解説文をまとめたもので、難しさもまちまちなものが並んでいます。超弦理論の専門家向けに書かれたものではないので、全く歯が立たないという事はありませんが、著者の付ける難易度3段階はとてもレベルが高いです。

    「素粒子論のランドスケープ」の文章の密度と比較してしまうので、「重力とは何か」の前半は、なんとなく物足らなく感じていました。しかし、だんだん引き込まれてしまいました。「個体発生は系統発生を繰り返す」ではありませんが、重力理論から超弦理論へ至る研究の道筋を解説してくださることで、読者の理解に筋道を付けてくださっています。謎の解明と、その結果新たに生まれる謎に取り組む研究者の方々の歴史的取り組みにより、素粒子論の発展の解説してくださる事は、読者にとって大変理解の助けになりました。そして、いよいよ大栗先生もその中に取り込まれてゆく事が書かれています。

    1984年の超弦理論の第一次革命の年、大学院1年生であった大栗先生は、歴史的論文が船便で届く3ヶ月の遅延を、スタートダッシュで3ヶ月も後れをとる事を悔しがり、焦りを感じたと書かれています(若くして第1線に立っている事を意識されている事に驚きます。また、自分はそれほど時間を大切にしているかと反省させられる部分でもあります)。このあたりから大栗先生が超弦理論に踏み込む「キラキラした歴史の一滴」の部分で、研究者向けに書かれた文章の「素粒子論のランドスケープ」の方には語られない部分に思いました。その後の京大基礎物理学研究所での逸話は、なかなかの意気込みが伝わってくる部分です。

    このあと、本書の「はじめに」にも書かれていますが「えっ!何で?」というどんでん返しもあり、読み物としてもうまく成り立っています。一気に読んでしまいました。新たな知見を得る良い本と思います。

    「素粒子論のランドスケープ」の方も、歴史的解説はこちらの方が詳しく書かれているし、「湯川秀樹日記」書評にある人間味ある湯川秀樹像を書かれています。物性物理学理論の青木秀夫先生との緊張感あふれる対談等あって読み応えのある良い本です。リサ・ランドール教授、村山斉機構長との鼎談もあります。但し、判らない所は「えいっ!」と息を止めて読み進む必要があります。

  • 図解・構成・コラム:高橋繁行
    「超ひも理論」で何がわかるか◆超ひもと素粒子◆超ひもと「力」の根源◆超ひもと時間の秘密◆超ひも理論の歴史◆超ひも理論を解くマトリクス◆私たちは50回目の宇宙に住んでいる?

  • 第一線の研究者による超ひも理論の解説書。

    超ひも理論とは何か、超ひも理論と、宇宙の創世、4つの力の統一、20世紀以降の物理学の歴史などとの関係などが解説されている。

    わかりやすく書かれてはいるのだけれども、やはり私には敷居が高かったようだ。どうも頭の中にイメージができない。一応、理系なんだけど…。

    とはいえ、読んで勉強にはなったし、超ひも理論の概要はぼんやりながら多少理解できた気がする。

  • どうして「超ひも」に結びつくのか、理解を超えている。

  • 文型の私には、理解仕切れない部分がたくさん残ってしまう。それでも、かなりわかり易い本だと思う。説明は出来ないが、少しは理解が進んだかなぁ?

  • 最終的に、インフレーション理論でなくてサイクリック理論で、宇宙論を語ることが楽しい。物理は現象の合理的説明が第一の存在理由である。その意味で超ひも理論は、実験的基盤を持たない仮説で不十分だが、数学的な無矛盾性と量子力学、一般相対性理論と対応原理を持つことで、全否定するのは惜しい。

    部分的には、プランクスケールを扱う重要性とスピン2で重さがないのが、グラビトン(重力子)の説明が面白かったが、デュアリティの説明が不十分だった。

  • 名前だけは皆さんお馴染みの「超ひも理論」についての一冊。書いた方は川合光氏。現在は京都大学教授だそうです。高橋繁行氏による図解がわかりやすく、一気に読めてしまう本です。
    物質の根源である素粒子とは、点でなくひもだった、という話に始まり、それが最後には、我々が今生きているこの宇宙が50回目の宇宙であるという結論を導く。驚きますよ。数式は全く出てこないので数学アレルギーの方も安心して読めます。
    自分は最新の物理について、何を知っていて、何を知らないのかを確認してみるよい機会となる一冊です。

  • クオークの1/3スピンの理屈が、なんとなくわかった。ひも理論って、縄跳びの縄みたいなもんだ。

  • 著者は京大教授の川合光さん。超ひも理論などを研究し、サイクリック宇宙論を提唱している方。
    このサイクリック宇宙論、初めて聞きましたが、現在の宇宙はビッグバン-ビッグクランチを繰り返して50回目程度の宇宙であるという理論だそうです。まだ試論の段階とのことですが。壮大な理論ですね。

    ところで本書はとても読みやすい良い本でした。本書は川合さんから聞いた話をジャーナリストの高橋繁行さんが自分のことばでまとめなおしたものとのこと。そのせいか、とても言葉がこなれています。やはり一般向けのこうした本は学者ではなく専門の物書きの方が書くほうが良いのでしょうね。

    こうした本は大体テーマの超ひも理論に限らず、それに至る前提知識としての素粒子論や相対論の解説が多くなりがちである。本書もそうだが、その解説がわかりやすく非常によかった。ゲージ理論、インフレーション宇宙論などもわかりやすく書かれている。特に168ページに在る”超ひも理論に至る道”では、物理理論の変遷が2ページの図式にまとめられていてわかりやすい。

    特に、"標準模型は理論を構築するために、数多くのパラメータを含んでいる。アップクォークの質量、など。超ひも理論の鮮やかな点は、理論の中に一個のパラメータも含んでいないこと。クォークの世代数やそれぞれの質量、ニュートン定数まで、物理量の全てがひとつの理論から説明できる。"という点は印象的だった。超ひも理論は現段階では仮説の域を脱しない、とはよく聞く。ローレンス・クラウスさんも、”我々の宇宙と何の関係もない理論かもしれない”と痛烈な見解を述べていた気がする。しかしながら、このような説明を聞くとなんだか素晴らしいもののように聞こえ、学習意欲をそそられる。まなんでみたいものだが、本当にまなぶには相当敷居の高い理論である。わかりやすい本がでることを期待する。

  • 半分まで読んでリタイア。
    なんか今まで読んできた本と毛色が違うなぁと感じてる。
    たまにほんとかよ?って思うような眉唾な事があるので読みづらかったのは、自分と肌が合わないだけかな?
    宇宙の晴れ上がりって38万年後じゃね?と最初からつまづいた(^O^)

  • 大学の図書館で借りて読んだが、期間内に読みきれず。
    はじめての、というだけあって、かなり噛み砕いて書かれている気はするが、専門外にはやはり少し難解かと。また挑戦したい。
    しかし、ひもが振動することによって種々の素粒子になっている?というのは、なんとなくわかった気になった。

  • ぜんぜんはじめて向きじゃない…。物理初心者にはちょっとキツイけど、読み応えはある。いつかきっと読み切る。。。

  •  何年か前に一度読んだ奴を再読。相変わらず難しくて再読ではないかのようだけど…。一度腰を据えて教科書とかに取組んでみた方がいいんだろうか?相対論ではそれが奏功したんだけど,レベルがちがうかねぇ。
     超ひも理論までいかなくても,電弱理論,標準模型,大統一理論くらいでも相当難しいよね…。というか,それ以前に解析力学とか量子力学をやらないとね…。emanの物理学あたりで基礎から勉強し直そうかなぁ。道は険しい。
     この本,付録にサイクリック宇宙論(宇宙が膨脹収縮消滅生成を繰り返すってやつ)の話が載ってるんだけど,これは宇宙の加速膨脹で否定されたのかな??

  • まったくの初心者にはちょっときつい。
    ボソンとかフェルミオンとかが理解できなくて、素粒子をちゃんと勉強したいと思ったきっかけの本。ゲージ場のあたりは最初ほんとに何を言ってるかわからなかった。

  • 全体としては解りやすく楽しく読めたが
    猶予のない答えと思い込まされてしまいそうな危険を感じた
    特に出だしで少しつまずきそうになったが
    読み進む内に具体性に引き込まれる
    例えばインフレーション理論
    プランクと言う宇宙の種の時点から
    急膨張して1M直径の平たい?宇宙になり
    ここで絶対0度で抵抗のないプランクエネルギーが熱エネルギーに代わり
    火の玉宇宙が生まれるという説明のようであったと思うが
    急膨張すれば温度は下がるのではないかと
    疑問が湧いた?
    勿論これは私のつたない理解によるものに過ぎない
    確かに物理学者らしい冷静さで解りやすく丁寧に
    説明されているのだけれど
    なぜか自画自賛にうっとりしている美しさを感じてしまう
    無限性を否定している思い込みを強制されているような節々も感じる
    未知に対する対等性に欠けている部分がプンプンしてくる
    私にはそこの所が引っ掛かってしまい残念だったが
    いずれにしろ突っ込んだ個性があって
    無難に書かれた本より面白いかもしれない
    宇宙誕生の計測はビッグバンの少し前の10の-41乗秒からしかできないという
    それ以前は神の領域なのかもしれないがこの本では触れていない
    宇宙創世図は対象形の球ではなくなぜ方向性がある釣り鐘型なのだろうか?
    乳首のような虚時間に沈み込んだプランクは根っこみたいなものなのだろうか?
    ビッグバンが二段ロケットのように1M宇宙から始まるのも何か不自然に思えるが
    この世から一線を画した世界には計り知れない実態があるのだろう
    最後にこの点に関する説明もあるのだけれど何故こうまでややこしいのか三次元人間の私には読んでも尚かつ疑問が増えるばかりだ
    疑問をハッキリさせてくれたとも言えるのだろうか

    四次元時空間は時間が空間に混ざったものとして
    私達の住み場を提供していると言う
    次元が高くなると座標軸の方向が増え
    二次元以上には時間次元が加わる
    と言うことは二次元という言葉をあまり使うことがなくなるわけだろうか?
    時間を除いた四次元までは平面状の紙に座標軸の図として描けるが
    それ以上になると図として描きようがない
    次元は増えるほどに物体間に働く力が小さく弱くなる
    26次元のひも理論では量子がどこにあるか決まってしまい
    自由度が無くなるのだそうだ
    真空には種類がありいくつも発見されていて
    その真空を(ひも)?粒子が移り変わるという発想に出会って
    胸躍るものがあった
    私には無限を考え合わせたときに
    「正しい真空」というものがあるのかどうか疑問に思えるのだけれど
    第三期ブームでどのような発見が待っているのか楽しみだ
    私達の住んでいる四次元が無限とどう関わっているのかも見えてくるのでしょう
    コロンブスの卵におどろかされる日が待ち遠しい
    この本で素人がまったく新しい宇宙を具体的に描けたことに感激

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著者プロフィール

京都大学大学院理学研究科物理学第二教室教授。東京大学理学博士。
1955年生まれ,東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。
米国コーネル大学リサーチアソシエイト,アシスタントプロフェッサー,東京大学理学部助教授,高エネルギー研究所教授を経て,現職。理化学研究所仁科加速器センター主任研究員を兼務。
主な著作
『量子力学I・II』(共著 講談社,1994年)
『はじめての〈超ひも理論〉』(共著,講談社,2005年)
『量子の世界』(共著,京都大学学術出版会,2006年)

「2013年 『宇宙と素粒子のなりたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川合光の作品

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