他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
2.81
  • (24)
  • (95)
  • (482)
  • (164)
  • (69)
本棚登録 : 1977
感想 : 292
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498273

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 視点はとても面白いと思います。
    私はその「若者」ド直球な年代なので、本当にそういう他人を見下した視点からの典型的な考えをしてしますことがあります。
    どうしてそういう発想をするのかを知りたくて購入しました。
    なんとなくその手がかりはありましたが、研究不足な内容に思えました。
    なので後半の議論があやふやな感じでまとまっていない。
    読んでてよく分からなくなりました(;・∀・)

  • 自分の価値や能力を過大評価し
    あたかも自分は有能な人間だと仮想、
    他人を軽視する若者が増えている…

    自分の掲げる理想とは
    現実がかけ離れいる為に自信を喪失し、
    その一種の防衛機制として
    他者を軽視、下の存在を徹底的に
    打ち砕くことによって安心感を獲得
    萎縮した自尊感情を無意識に
    回復させていく日本の若者たち…

    この本はその背景には
    どんな根源的要因があるのか
    が筆者の視点で書かれてある。
    …読んでて共感する部分もあったが
    それと同時に日本の将来を担う
    若者たちの気持ちのあり方を垣間見て
    すこし空しい気持ちにもなった

    厳しい競争社会で生きていくのは
    難しい…だが他人を軽視するよりも
    自分の状況に満足せず、自らを
    奮い立たせ努力するような姿勢が
    今の若者に必要なのかもしれない。

  • タイトルで「おっ」と思ったけど、なんだか随分主観的な内容だった気がする。

  • ~110717
    納得出来るところとそうでないところがありましたが、大筋ではなるほどという感じでした。自尊感情と仮想的有能感は違う。だから、他人との比較ではない自分への価値付けが出来ればいいのかなと思います。

  • 引用【やる気がなく、謝まらず、他人を軽視し、すぐキレる若者たち。そして、根拠のない有能感に浸る若者が増えている。】
    とのことですが、若者に限らず、みんな同じような気持ちを持っていて、強弱の問題かと思いました。
    2chのような匿名で、見知らぬ人には、すぐ見下すが、身近な人には、見下す気持ちが薄くなります。
    会社でも、若者の育成には、「見知らぬ人から身近な人になること」がモチベーション向上に重要かと思いました。
    立場が出来ると段々と身近さが薄くなるので、気をつけねばならないと感じました。

  • 最近の若者に対する、まぁ一種の年寄りによる批判本と断じても差し支えはなさそうな感じの本。
    記述は客観性に欠ける部分がいくらか目立つ。ただし、読んでいてそれほど違和感は覚えず、むしろ痛いところを突かれている印象。
    書いてあることを鵜呑みにはしてはいけない気がするが、むしろ自己啓発的な意味で読むと色々得るものはありそう。

  • 7/7

  •  所謂、いい年こいたオッサンの、最近の若者に対する愚痴だと思う本。

     まず、挙げられるのは恣意的なアンケートである。愛知県某市で12の小中学校(小中ともに6校ずつ)の教師計68人(小学校36人、中学校32人)で面接を行ったところ、今の子どもは、30年前の子どもに比べ、「ムカつく」、「最悪」、「ウザい」などとよく言い、気持ちが不安定、我慢できないなどの特徴があると答えた者が多かった。

     このアンケートは場所と人数を限定しすぎである。他県や他市で同様の面接を行うなどするべきだと思った。

     本書のキーワードは「仮想的有能感」という著者の造語である。要するに、他者を軽視することで得られる、根拠なき自信、有能感のこと。これを持っていることが、最近の「他人を見下す若者たち」に共通する傾向であるそうだ。

     三章P.84から「先ほど挙げた~(中略)、この類の行為(社会的迷惑行為)をする者が、若者たちの間で特に急増している。」という記述がある。 「この類の行為」が「急増している」根拠は何か。全く示されていない。少なくとも権威を持つ専門家は、論を展開する際に根拠をしっかり提示すべきである。

     また、「最近の若者は関心が自分だけに集中し、社会や他者への関心はきわめて薄い。まずもって自分の欲求を充足させることだけで頭がいっぱいで、他人の行為をどう受けとめているかに、いをめぐらすことができないのである。」と述べ、「一方、昔の若者は一定の年齢以上になると他者の目が気になった。」とも述べている。

     しかしながら、これらの記述にも根拠が全く提示されていない。私は本書を冒頭で、「いい年こいたオッサンの、最近の若者に対する愚痴」と評したが、その所以の一部である。

     また、著者は「『子どもは純真無垢でいつも元気はつらつ』というのは昔のことかもしれない。」と言っているが、何を言いたいのか意味不明である。

     子どもというのは大人と同様、喜び、楽しみといった正の感情のみならず、怒り、悲しみといった負の感情も持ち合わせている存在のはずである。そう考えれば負の感情が鬱屈し、それが限界に達すると理性を失い、時には犯罪を起こすことがある、というのは今の子どもにも昔の子どもにもありえることである。だから昔から子ども達の間の「いじめ」が無くならない。著者はそういう現実を見るべきだった。

     と、ここまで私は一貫して本書に対して批判的だったが、に関する記述と、七章のP.205「個人主義の文化差」以降に共感できる記述(「個人主義というのは他者を軽視することで、集団主義は自己を卑下することであろうか」という記述、仮想的有能感からの脱却法の提言)があったので星2つとする

  • 新書購入

     社会派 論文
     なんか堅苦しいというか、抽象的。
     昔賛歌的。

     アンケートによる数値が出ているから、そこいらへんは資料としていい感じ。
     最近の子供たちの薄い喜び。悲しみと怒りの割合の濃さ。
     いやはやいやはや。
     身をつままされる。感情が薄いことは、己でよくしっていたから。表現方法が薄いこともよく知っているから。
     なるほど、全体傾向だったのか。
     ちょっと安心した。

     この本に出てくるのは「仮想優越感」。相手を馬鹿にすることで自分を守る心境について書いてある。
     嫌な性格のキャラクター作成時のお手本、資料にいいかも。

  • 「自分を肯定化する」為に「相手を否定する」という考え方にはなるほどと思う。
    が、レビューにも沢山書いてあったけど、こういったタイプの人は年代に関わらずにいるような気がするし、全体的には「今の若者は…」風を感じてしまうところもある。
    自分ばかりを見つめるようにしたのは、それまでの全体主義的、団体主義的な考え方の教育から、自分探しや、個性を重視したため、だろうか…あくまで「だろうか。」でも私のは論文でないから、主観です。
    そうなると、揺れ戻しが当然起こり、またしても「組織が…」とか「示しが…」とか言い出すのも、これもまた時代の流れなのか…?

    結局、どこにも正解はなくって、やはり自分の目で見て自分の耳で聞いて、考えて、判断して、自分の言葉でしゃべることができる、もちろん相手の事も考えて、というのが目指すところなのかもしれない。

    時代の雰囲気で教育なんてどうにでも変わるし、若者も作られて行く、というお決まりの着地点になってしまった…

    せめて、自分の頭で考えよう。

    注:他のブログから引っ越し中のため、ここで言っている「レビュー」は「ブクログ」のものではありません。

全292件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

中部大学特任教授

「2019年 『内発的動機づけと自律的動機づけ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

速水敏彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×