山本勘助 (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498723

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  • 武田信玄の軍師として著名ながら存在が疑問視される人物を、唯一の出典「甲陽軍鑑」から読み解くとともに、実存する信玄の手紙に出てくる山本管助が山本勘助かを検証する、ミステリの趣もある歴史本。資料の紹介と考察を交えた構成は海音寺潮五郎の「武将列伝」を愛読する自分の好みにあう。史伝作家を自任した海音寺は資料を通して生き方を見たけれど、研究者の手になるこちらは歴史事実を見ている印象。 傍証を列挙しながら読みやすく、築城・陣形・易学についても紙幅を割いているので、武田氏に限らず戦国時代に興味がある人にお勧め。

  • 唯一の一次資料「甲陽軍艦」のみに依拠し、一切の虚飾を排した山本勘助の実像を追求した初めての試み。

    2006年の刊。ブックオフで購入。標題紙に平山優の署名と蔵書印があるが本物かしら。大河ドラマの便乗本であるが、良書でありオススメです。
    以下感想がてらメモとして

    p32市川文書発見の逸話について、「この逸話は大変有名で、(中略)諸書に記載されているが、筆者は事実関係を確認していない」と書いてあり、思わずニヤリとしてしまいました。学者らしくて好ましいです。

    p23後世の影響とみられる勘助像としてはほかに、「片足だった」、というものがある。(中略)「軍鑑」には、たしかに目は一眼で手足が不自由で、指も満足に揃っていないという記述はあるが、片足であったとはどこにも書かれていない
    手持ちの甲陽軍鑑(ちくま学芸文庫)によると、p214「その上一眼、指も叶わず、足はちんばなり。」とあり、p227の訳文では「片眼のうえに、指もそろっておらず、足は片足であった。」とされています。
    素人考えだと「ちんば」は、足が不自由という意味に思え「片足」と訳す事には。違和感がありますが、どの様な意味で片足と訳しているのか、気になるところです。(文字通り片足という意味なのか、足が不自由という意味なのか)果たして、後世の脚色なのか、誤訳なのか、誤った解釈なのか。

    山本勘助に関する史料が少ないなか、武田家の寄親・寄子制や、他国から来た牢人の登用状況など、著者は工夫して読ませてくれます。巻末の甲陽軍鑑と史実の対照年表が良いです。
    残念なのは、参考文献一覧が無い事。文中で文献を明示しているんですが、一覧はやっぱり欲しい気がします。

    ネットで検索したところ、2008年の真下家文書の調査に伴い山本菅助関係文書発見されたそうです。新史料により、山本勘助像がどう変わっていくのか、今後さらに注目されるところです。

  • [ 内容 ]
    戦国最強、風林火山。
    その礎を築いた「軍師」が武田信玄に授けた哲学を初めて克明に再現する決定版。

    [ 目次 ]
    序章 虚構と史実のはざまで
    第1章 『甲陽軍艦』が語る山本勘助の生涯
    第2章 信玄と勘助の対話
    第3章 武田家に遺した記憶
    第4章 「勘助流」軍略と築城術の全貌
    終章 山本菅助は山本勘助か

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    [ 参考となる書評 ]

  • (2007.03.26読了)(2007.03.16購入)
    山梨の歴史を研究している専門家による山本勘助に関する本です。
    山本勘助が武田信玄の軍師だったというのは、証拠不十分で、確証は難しいようです。したがって、NHK大河ドラマの脚本家は、自由に山本勘助を動かすことができたようです。
    山本勘助に関しての記述があるのは、「甲陽軍鑑」という本で、その記述を基に江戸時代にいろいろな脚色が加えられて、現在巷に流布しているような山本勘助ができあがった。
    この本では、もう一度原典に戻って、「甲陽軍鑑」で、山本勘助がどのように記述されているのかを述べています。
    僕も、この本を読む前に「甲陽軍鑑」を読んでみたのですが、山本勘助に関する記述はほとんど見つからず、著者のように読み取ることはできませんでした。
    明示的に、山本勘助と言う名前が記述されていなくても、山本勘助のこととして読み取るべきところが多々あったのだろうと思います。その辺が専門家と素人の違いということなのでしょう。
    この本の章立ては、以下のとおりです。
    「序章 虚構と史実のはざまで」「第一章 「甲陽軍鑑」が語る山本勘助の生涯」「第二章 信玄と勘助の対話」「第三章 武田家に残した記憶」「第四章 「勘助流」軍略と築城術の全貌」「終章 山本菅助は山本勘助か」

    ●歴史学における山本勘助の認識(12頁)
    山本勘助は、①武田信玄の軍師で、②三河の国の出身であり、③隻眼で片足も不自由であったが、④信玄の信頼を得て活躍し、⑤晴幸の諱を称したとされ、⑥川中島の合戦で戦死したという。⑦だが、実在の人物かどうかは不明。
    ●山本勘助の生涯(43頁)
    明応九年(1500)誕生。→26歳で本国を出て武者修業を始める。→37歳で駿河国に入り、今川義元への仕官を望む。→駿河滞在九年目、44歳のときに甲斐に入って信玄に仕える。→52歳で出家。→川中島の戦いで戦死。享年62歳。

    著者 平山 優
    1964年 東京都生まれ
    1989年 立教大学大学院文学研究科博士前期課程修了
    山梨県史編さん室主査
    山梨大学非常勤講師
    (2008年1月20日・記)

    ☆関連図書(既読)
    「風林火山」井上靖著、新潮文庫、1958.12.05
    「甲陽軍鑑」佐藤正英著、ちくま学芸文庫、2006.12.10

    (「MARC」データベースより)amazon
    戦国最強、風林火山。その礎を築いた「軍師」が武田信玄に授けた哲学とは。唯一の一次資料「甲陽軍鑑」のみに依拠し、一切の虚飾を排した山本勘助の実像を追求した初めての試み。その知られざる智謀と卓見が浮かび上がる!

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