ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1453
レビュー : 110
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498839

感想・レビュー・書評

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  • ライトノベルの起源がソノラマ文庫やコバルト文庫に遡るというのは理解できなくもないんだけど、昨今話題の「ライトノベル」とは何か匂いが違うだろう…?という感は否めなくて、この手の出しにくい感じはいったい何だ?と思いつつ、恐る恐る?手を出してみた「イリアの空、UFOの夏」は結構それなりに面白く読めたのだが、それでもこれは読む人を選ぶのだろうなぁ・・・?という感触は、この本を読んで “当たり” と知る。(^^;)
    「ゲーム的リアリズム」とはするどいご指摘!
    しかも、そのゲームが特に「美少女ゲーム(ギャルゲー、エロゲー、萌えゲーなどと言われるやつ)」で、そのゲームのシナリオライターが人気の「ライトノベル」作家とな。
    ゆえに美少女ゲームユーザーと、このライトノベルの読者層が重なるそうな。
    それでかーー!、と納得。(^^;)「手が出しにくかった」原因がはっきりわかったよ。
    とはいえ、気になっていた作家の名前が何人か出てきてて、へぇ~と改めて興味も持ったのだけど、この本を読まずにそれらの作品を読んで感じた感想と、そのあとこの本を読んでいたらどういう感想を持っただろう?と思うと早く読んでおけばよかったなと、ちょっと「しまった」感もあり。(^^;)
    それにしても、これらのキーになる作家たちが「1973年」前後生まれ。
    グーグルや楽天やライブドア・・・、彼らも「1973年」前後生まれ。(^^;)
    なるほど、「電脳世界」の構造を理解しがたい人にはこの「ライトノベル」の面白さはまるで理解できない、ということになるのかもしれない。

    あぁ~、あと、wikiの中の「ライトノベル」に引用されてる文章が、この著者の文章だとわかる。

  • 今までの枠組みの中では評価する事が難しいライトノベルや美少女ゲームの手法と純文学との比較等から文化的側面から解析しているのだが、今までまったく理解できなかった本屋にずらっと並ぶライトノベルというのがちょっと理解できるようになった気がする。

  • ゲーム的リアリズムとは、
    「キャラクターのメタ物語的な想像力が、ひとつの始まりがあってひとつの終わりをもつしかない小説という形式に侵入してきたときに、その接点で生まれるはずの『リアリズム』である。」
    という。

    ポストモダンを文学史、マンガ史の観点から説明している。


    想定外の予定が入ったので後日追記予定。

  • 物語とメタ物語論の比較とゲーム的物語についての考察は面白かった。
    しかしAIR等の作品単体についての批評ってのは
    それこそ固有の結末(解釈)があるまさにゲーム的世界観だと思うし
    面白いつまらないのシンプルな感想が好きです。

  • 読了。

    美少女ゲームやラノベをたしなんでいる人たちなら無意識に考えていたことを整理しているような内容。
    だからその発想はなかった! と感動するとか言うわけではなく、自分の中の経験をまとめる役に立った感じ。

    作者の手を離れた作品がそれ自体、周囲の似た作品らとの関連に着目して構造的に語るという手法はテクスト論に通じるよなぁとも思った

    後半は具体例として様々なラノベ、ゲームを挙げてメタ性について語っていたが、パラフレーズの繰り返しで言ってる内容が単一すぎて、浅さを感じた気がしないでもない。

  • 『動物化するポストモダン』の続編。
    ゼロ年代を代表する批評家、東浩紀のポストモダン論。
    オタクを、ポストモダンの表象と位置づけ、オタク的なコンテンツである「キャラクター小説=ライトノベル」や「美少女ゲーム」を題材として、メタ物語性を中心とする「ゲームのような小説」「小説のようなゲーム」をポストモダンの産物だと論じている。
    前半は理論の説明、後半は作品論となっており、私は後半の作品のうち『ひぐらしのなく頃に』と『九十九十九』しか読んだこと(プレイしたこと)はなかったが、納得できる論が展開されていた。
    ひとつマイナス点を挙げるとすれば、全体への論の広がりがなかった点である。
    確かに、この本に挙げられているコンテンツにおいては、(つまりオタクにおいては)この論は頷ける。しかし、それはあくまで部分的なものでしかない。その点に対処するために、文芸作品の範疇に属する『九十九十九』を挙げたのだろうが、それだけでは不十分に感じられた。

  • 前作より批評寄りな気がした。しかし読み物として非常に面白い。 ナイス!

  • 10/9
    前作でほとんど語りつくされてるような…
    萌えのリテラシー。

  • 2007/07/10 購入
    2007/07/12 読了 ★★★
    2009/10/01 読了

  • 一部(?)の現代社会に深く浸透するライトノベルやゲームの成り立ちを文学的な視点から分析・考察する評論。著者が提案する枠組みは、ライトノベルやゲームの構成の必然性を理解するのに興味深いツールとなる。当方、文学には全く疎いが、本書のアプローチは文学としてはかなり斬新であるような印象を受けた。先端的な内容を述べていることから、「普通の」文学を押さえておくと、より深い洞察が得られると思う。
    残念なのは、ここ数年に話題になった作品しかケーススタディに挙げていないことだ。10年前の某ライトノベルや某ゲームのほうが本書のアプローチの効果を説明しやすいだろうし、具体的に変遷をたどることで読者の理解をより確実なものにできるのではないかと思う。

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著者プロフィール

東浩紀(あずま ひろき)
1971年東京生まれ。批評家・作家。ゲンロン代表。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。専門は哲学、表象文化論、情報社会論。
著書に『存在論的、郵便的』(サントリー学芸賞思想・歴史部門)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞受賞作)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015受賞作)ほか多数。『ゲンロン0 観光客の哲学』は第5回ブクログ大賞人文書部門、第71回毎日出版文化賞受賞作。

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