なぜ日本人は劣化したか (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498891

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの時点で非常に挑戦的な本だが、内容も十分に挑戦的だった。

    香山リカの本は初めて手に取ったのだが、前半は感覚ベースで書かれていて殆ど所感レベルだったが、後半は様々な人の引用や科学的な用語を含む文章で、差が激しかった。それも戦略なのだろうか。

    感想としては、経済社会について新自由主義批判をしていたが、やはり竹中平蔵先生が言っている内容とのズレがある。
    どちらが正しいとかは恐らく判断できないのだろうけれども、「小泉・竹中政権によって格差が拡大した」と言っているあたり、やはり感覚ベースなのかなとも思ったり。
    2007年時点の本だから仕方ないのかしら。

    結局、香山リカがどんな論者なのか十分に把握することはできなかったが、社会科学や哲学などに造詣の深い方だということは分かった。
    また面白そうな新刊を見つけたら読んでみようかな。

    ただ、香山リカの主張は、なんか僕の肌には合わなかった気が、する。
    なんでだろうね。

  •  ひと息200字=読む力の劣化?そんなごく僅かな例を挙げられても… 第一、この雑誌の名前が挙げられていないのはなぜ?

     新聞や文庫本の文字が大きくなった、つまり情報が薄っぺらになったのは、若者の新聞離れが原因? いや、考えられるとしたら、暇の少ない人や視力の弱った高齢者への配慮だろう。

     それに、文章の長さ=情報の価値ではないはず。「昔の高齢者は虫眼鏡を使ってでも小さな活字の本を読んだ」とも言っているが、たったこれだけの理由で文字が大きくなった、イコール劣化というのは牽強付会だと思う。

     「脳を鍛える」などのお手軽なゲームや、「なぞる」本が好調な売り上げを見せているのは日本人の劣化が原因? いや、ファイナルファンタジーやドラゴンクエストといった名作のシリーズも、最近でも発売すればたちまちミリオンヒット以上の売上を叩き出すし、今もプレイしている人は少なくないはず。お手軽ゲームの売上増は、高齢者など今までゲームに縁が遠かった人もプレイするようになったからためであろう。

     なぞる本が売れるのも、いきなり名作に触れるのは敷居が高すぎると思う人や、脳を若く保ちたい人が増えただけだろう。 やたら分厚い京極夏彦の本の読者層は主に2~30代の若者である。

     「劣化」の定義については本書のどこにも示されておらず、全体的に「劣化」の根拠が薄弱で、ソースも少なくてなんだか胡散臭いものが多い。「昔はいい時代だった。それに比べて今の人々は大事な何かを失っている」なんてフレーズを金科玉条の如くしている人に受けそうな内容だった。

  • 「劣化」は「病気」と同じです。現状を正しく認識しないと改善出来ません! ・・・そんな感じかなぁ。自戒を込めて。

  • [ 内容 ]
    知らず知らずのうちに日本と日本人の学力・知性・モラルの崩壊が始まっている。

    [ 目次 ]
    第1章 活字の劣化
    第2章 モラルの劣化
    第3章 劣化していないものは?
    第4章 若者の「生きる力」の劣化
    第5章 社会の劣化
    第6章 排除型社会での「寛容の劣化」
    第7章 劣化はいつから起きたのか
    第8章 劣化か、進化か
    第9章 劣化を防ぐことはできるか

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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 参考文献

  • なぜ日本人は劣化したか。活字,モラルなどの角度から書かれていたり、劣化していないものを挙げてあったりします。劣化したと考えられている例を挙げながらも、劣化ではなく「深化」したのではないか?と書かれてある部分もあり印象的でした。

  • 香山リカのなぜ日本人は劣化したかを読みました。現在の日本人は劣化している。変化などと言うあいまいな言葉に逃げるのではなく、日本人が劣化していることを直視しよう、という主張の本でした。日本語の読解力の劣化:日本語の文章を読んで、その内容を理解することができない。考える力が劣化:情報を集めることはできるが、それらを統合して考えることができない。他人の心を想像する力の劣化:自分の身勝手な主張を声高に言うだけで、他人の気持ちを思いやることができない。モラルの劣化:常識や法律に反していても、自分さえ良ければよい、ばれなければよい、と考えて行動する。体力も辛抱強さも劣化:じっと一つの姿勢を続けることができない、プレッシャーに弱く傷つきやすい。などなど。これに対する香山リカの対応は、まずは日本人が劣化しているという病識を持ちましょう、というものでした。病識を持つとは、自分が劣化していることを認識して対策をしていく気持ちを持とうと言うことでした。「自分が勝つことが一番大事」「他人に厳しく、自分に甘く」「弱肉強食はあたりまえ」と言う考え方に一度疑問を持ってみることが大事だと主張されています。納得できるところが多く、いろいろ考えさせられました。

  • カツマは苦手。こっちの方が理解しやすい。

  • この本は「劣化」がキーワードとして書かれている。まだ19年しか生きていない私には、あまり劣化の状況が読み取れていない。例えば、「活字の劣化」のように短い本しか読めなくなっていると言われているが最初からそのような本を読んできた私には「劣化」とは気づけないのだ。このように日本人の「劣化」に気付けていない人は多いのだろう。しかし、この本を読むと、「劣化」の状況が良くわかる。本にも書いてあったとおり、まずは「劣化いている」という意識を持つためには、この本を読むことで気づけるだろう。

  • 読みきれなかった〜。

    残念。

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著者プロフィール

たくましいリベラルとして、右傾化する政治状況から現代社会の病理まで、メスをふるう行動派知識人。1960年生まれ。精神科医。立教大学現代心理学部教授。『若者の法則』『ぷちナショナリズム症候群 若者たちのニッポン主義』『生きてるだけでいいんです。』『弱者はもう救われないのか』『「悩み」の正体』『リベラルじゃダメですか?』ほか、著書多数。

「2017年 『憲法の裏側 明日の日本は……』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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