生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

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本棚登録 : 9776
レビュー : 1231
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498914

感想・レビュー・書評

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  • 非常に分かりやすく、生物学に疎遠な私でも興奮するほどの驚きと興味を持った。
    「生命とは何か?それは自己複製するシステムである」というのは20世紀の生命科学が到達した一つの答えである。
    それに対し、著者は、自己複製するシステムという定義は不十分であると考え、正確に定義づける方法を探っていく。

    シュレーディンガーの拡散、研究者の論文に関する裏の部分、ドミナント・ネガティブ現象などは、他の本では容易に理解できないような内容であるが、分かり易い解説にとても興味を持って読むことができた。

  • 福岡伸一という分子細胞生物学者が書いた「生命とはなにか?」に対して、分子生物学の歴史や自身の体験を交えて科学的な視点から論を展開しています。かなり面白い。一気に読んでしまいました。
    難しそうですが、親しみやすく読みやすいし文章の進め方もうまいと思います。
    読んだあとには、すがすがしい感じがするいい本だと思います。

  • 一時期話題になっていた新書ですが、噂通り悶える程の作品でした。

    著者の福岡伸一さんは分子生物学専攻の教授であり、本書の内容もDNAやES細胞といった分野を切り取り、章によっては正直内容が理解できない個所もあります。
    ただし帯にある「読み始めたら止まらない」理由は取り上げる題材も然ることながら、およそ生物学研究者が書きあげたとは思えない、あまりに優れた文章ゆえでしょう。
    こういった専門書にも近い新書は、
    難しい学問を平易な文章で表わそうとはしているけれど、平易すぎて全く深く入り込めていないもの、
    或いは
    難しい学問を難しいまま伝える力しかない著者が書くので、全く分からないまま読了するもの
    が多いですが、福岡さん程文章力の高い研究者がペンを持つと、これほどまで楽しく、且つ内容もかなり理解できるということが驚きです。
    逆に言えば、プログラマや法律家など、一般層には受け入れにくい、けれど分かれば絶対に面白いであろう分野にも福岡さんレベルの文章家が居れば、より人気を得られるんだろうなぁと思います。

    本書はタイトル通り、貝殻(生物)と小石(無生物)の何が決定的に違うのか、を論じています。
    それは9章「動的平衡とはなにか」から15章「時間という名の解けない折り紙」までで特に紐解かれていきますが、ノックアウトマウスから動的平衡系を明らかにする15章はとても感動的です。
    『何事も起こらなかったことに落胆するのではなく、何事も起こらなかったことに驚愕すべきなのである。』
    まさにその通り。
    更にそののちエピローグとして福岡さんの幼少期、アオスジアゲハとトカゲのくだりから結論に至りますが、随筆家のようなその文章は、ちょっと笑ってしまう程すごい。

    iPS細胞の功績でこの分野はグッと身近になったと勝手に感じていますが、まだまだ、というか全く以て知らないことばかり。
    けれどその功績は文字通り命の綱となり人類を上へ上へと登らせるような魔法であって、ただただ「いつも助けてくれてありがとう!」と感謝せざるを得ない。
    恩恵を受ける一人間として、少しでも知識を深めたいと思います。

  • 非常に価値の高い本だと思う。友達の高校では感想文としてこの本を読まされたそうだが、何ていい高校なんだと正直思った。この本では生物学の一部の歴史などを知ることができる上に、PCRなどといった技術や専門用語などが分かりやすくかかれている。知識がつくし、学問の厳しさとうものも知ることができる。さらには、研究という現場のこと、アカデミックなポストをとるということについての業界の裏話、いや真実についても触れられているので大学で生物学を学ぶ人にとっては一読の価値ありです。

  • もー、付箋貼りまくりながら読んだ。
    すばらしい本。

  • 今さらではありますが,売れすぎてしまうものにはかえって手を出しづらい性分なので・・・.

    この本は,生物科学をテーマにした文学作品です.素晴らしいです.

  • これも知的好奇心が沸き立つ良書です。ミステリっぽいところもあって良い。科学者なのですが、文学者顔負けの秀逸な表現に唸ります。

  • ウイルスと細菌の違いが分からなかった私でも楽しめる科学の本。

  • 「生命」とは何か、それは「自己複製するシステム」である。しかし、その営みには、分子間の相補性、そしてエントロピー系と再構築という絶え間無い攻めぎあいがあった。分子生物学を通してDNA、そしてそれを取り巻く生命現象の神秘に迫る。

  • 生物学における重要な発見と、そこに至る過程がすごくわかりやすく、かつ、おもしろい。はじめは、この福岡さんという教授(著者)の詩的な表現にとまどうけど、読んでるうちに慣れた。1つの章が短いのも読みやすい。

    以下、細かい感想。

    基本的に、実験の方法がわかりやすく書かれて、どのように新事実の発見に至ったのかわかっておもしろい。
    エイブリーの、遺伝子の本体がDNAだと突き止める実験、シェーンハイマーの、吸収されたアミノ酸がどうやって体内を巡るかを重窒素を使って突き止める実験などなど。

    生命とは何か?それは自己複製を行うシステムである。
    最初に持ち出されるこの定義が、はじめはピンと来てなかった。けど、DNAが二重らせん構造で、その構造そのものがその機能を担保してる、って説明でおおおおおってなった。やばい、おもしろい。また、この発見に至る前に「AとT、CとGの含有量はそれぞれ等しい」っていうのがわかってた、っていうこのヒントの出ぐあいが良い感じすぎる。

    DNA構造解明までの人間ドラマはだいぶ「おいおい」って感じ。まぁ競争だからねぇ、でもねぇ、、。

    Chance favors the prepared minds.
    この言葉ちょう良い!めも!

    シュレディンガーの「原子はなぜそんなに小さいのか」という問いから、原子のふるまいの誤差率を極小にするために「生物はこんなに大きい」という話が導かれて、ほほぅ!ってなった。言われてみればそうだよねって気もするけど、こうきちんと説明されてすごくよくわかった。

    そして動的平衡ね!「永遠にとどまらないこと」、それを成り立たせる「柔らかさ」、これそのまま人生生きていくうえで自分のあり方としてすごく重要なことだと最近とても思うので、自分の体もこうなってると思うと、なんていうか、、高まる!!

    内部の内部は外部、のところは劇場の二重ドアみたいだと思った。なるほどね!

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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