生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 9773
レビュー : 1231
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498914

感想・レビュー・書評

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  • 文章が情緒的で読んでいて快い。
    専門的な内容も巧みな例えで上手く表現されていた反面、観念的なイメージとしてしか、理解できなかった。入門書としてはとても良いのだと思う。

    エピローグは少年の日の思い出を思い出した。

  • 自己複製を行う(第1~7章)、動的な平衡状態にある(第8~10章)、不可逆的な時間の流れの上にある(第11~15章)――
    生命とは何かという問いに対する一般的な答えから、もう一歩進んだ定義、そして生命観を支える生命の真髄へと迫っていく生命科学の本。

    肉付けはポスドク・シンイチが垣間見た世界の分子生物学研究室の歴史物語で、何度読んでも引き込まれる情感豊かな楽しい科学読み物です。
    また講談社現代新書の理念にある通り、中等教育程度の知識でも遺伝子の本体DNAや体の構成素タンパク質の深い理解を得られます。

    起こりうる各種の損傷に対して被害を避ける仕組みを備えていることが、生体の正常な働きを保証し、そして生物をミステリーの宝庫にしたのでしょう。

  • 本書、分子生物学の難解な話と、情景的な描写や歴史的なエピソードが入り組んでいて、不思議な構成になっている。
    かねて、エントロピー増大の法則と生命の関係について疑問を持っていたが、本書を読んでその疑問は解決。要は、生命は常に修復を繰返しつつ再構築を繰返し、動的平衡状態を保つことによってで、蓄積するエントロピーを捨てている、ということらしい。

  • 生命とは何か。この本を通底するテーマはとても単純でそれでいて深遠で、言い得ない魅力を放っている。


    この本は、論理を順序立てて展開しながら最終的に生命の定義についての結論を提示するようなサイエンス本ではない。むしろ、生命とは何かという問いに思いを巡らせながら、一科学者の筆者が綴った随筆と言った方がはるかに正しい。最後も明確な結論で締めるわけではなくさらっと終わる。その随想の中で、科学者たちの物語、各実験のエッセンス、科学の考え方が、筆者の研究者としての経験とも絡めながら語られ、私の知的好奇心を巧みに刺激する。


    静かに染み出す脳汁を味わうような知的な旅へ読者を誘う、良質のエッセイ。

  • 授業で福岡さんの話を扱うので、
    参考になるかなと思って読みました。
    ご本人の講演も聞いたことがありますが、
    ご本人そのままのような文章でした。
    読みやすい文章だと思います。

  • 語り口が小説的で、ドラマチック
    取り扱い内容が難しいからちゃんと理解はできないんだけど、うまく噛み砕いてある
    何が面白いのか、ロマンを感じるのかが伝わる

  • 生命は絶えず流動し続けている。
    読みやすい本だった。

  •  遠い昔に見ていた光を久しぶりに見た気がした。 未知が放つ、眩しい光。 羽虫のように、ある種の人の心を惹きつける光。

     僕が生命を研究する道に進まなかった理由のひとつは、大きすぎる生命の謎に対して、僕一世代で出来ることが小さすぎることだった。
     真理を求める欲ばかり大きくて、自分がそこに辿り着けないことに、言葉にすると大袈裟だが、絶望してしまったのだ。
     でも今は、それを絶望と思わないことが出来るようになってきている。
     人間一人が一生に成し遂げられることなんてまるで紙のように薄いが、それが無数に積み重なって、いつか真理に到達するならば、その一枚の紙になれることも幸せだと、思える時がある。

     この本は、研究社会のダークな部分も紹介しており、それが読み物としての抜群のスパイスになっているのだが、本質的には未知を探究することの喜びが、とてもロマンチックに、そして詩的に描かれている。
     ぜひ、中学生や高校生に読んでもらいたいなぁ。 そして、この本が放つ光に惹かれたら、恐れずに飛び立ってほしいな。

  • なんとすっきりとした読了感。それでいて、生物の基本的なところをわかりやすく知ることが出来た。この読了感はエピローグのおかげかなと思いますが。
    新しく出た本を読んで、今の流行や時事的な事柄を知るのもいいけど、こうして昔からずっと多くの人に読まれ続けてきた本を読んでみるのも大切な経験だなと思いました。

  • 生命の神秘。
    生命は動的平衡の中にその姿をとどめている。
    時間という流れの中に一回性を持って形をとどめおく。

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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