生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 9775
レビュー : 1231
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498914

感想・レビュー・書評

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  • 生物とは自己複製能力を持つ存在のことではない。動的平衡にある流れである。

    重要であると予想された情報をDNAから切り取ったマウスを作成したが、そのマウスには異常が見られなかった。この現象を説明するために、DNAの基礎知識から始め、生命が動的平衡にある流れとはどういうことかを解き明かしていく。

  • 綺麗な文体とわかりやすい生命科学の知見が一体となった素晴らしい新書である。動的平衡という考えについては、組織にも擬えることができるのか考えながら読み続けた。

  • 文。
    秩序の破壊、更新する

  • 【大西浩次先生】
    20世紀の科学は原子の世界であった。ある意味、物質を究極的にばらしていき、その間の法則を見つけると、世界のすべてが理解できる。そういうはずであった。しかし、生物がDNAレベルで理解が進んだにも関わらず、私たちは、いまだに「生物」と「無生物」の違いさえ、正確に理解していないのだ。いま、私たちの生きる21世紀の科学は、究極的には「生命」を理解する事にあるだろう。ここで、「ウイルスは生物か」、「高度に自己プログラミングできるロボットは「生命」か」などを考えがら、この本を読むと、自分の存在が、かくも不思議に思えてくるに違いない。

  • 福岡博士のことを初めて知ったのは、遺伝の研究番組でした。
    野生のオオカミが人間に家畜化されイヌへと変わっていくさまを考えるにあたり、銀ギツネを使って研究をしている番組を随分前に見ていて、その研究者がこの本の著者である福岡博士だったのです。

    その時は普通のおじさんとしか思わなかったのですが、この本を読んで、著者のその詩的でロマンチックな文章に完全にやられてしまいました(笑)
    この1冊だけですっかりファンに。それくらい文章が巧い。
    タイトルの「生物と無生物のあいだ」だってちょっと詩的だし、章だって「タンパク質のかすかな口づけ」とか「時間という名の解けない折り紙」などです。ホントなんなのこの人?!

    DNAの2重螺旋構造のしくみやたんぱく質のアミノ酸配列を解明していく過程から、生命活動の不思議と素晴らしさを訴え、またそれらの発見に至るまでのそれぞれの科学者たちの奇跡をドラマチックに描いていて、とても引き込まれました。(基本私には難しいのでサラサラとは読めないんですけどね)

    内容を簡潔にまとめられるほど理解が出来てないので、いつものように「以下備忘録」が出来ないのですが(涙)・・・
    アバウト過ぎる言い方をすれば「生命とは自己複製を行うシステムである」という定義に疑問を唱え、「生命とは動的均衡である」と定義したのが本書です。
    動的均衡である、と導くまでの過程の各種実験で、著者を含む著名な科学者の情熱と緊張感がすごいんです。
    生命の不思議よりもむしろ私は、科学者という生き方の方により強く感銘を受けたかもしれない。
    再読したくなる本です☆

  • 生き物って何だろう?と考えさせられる深いい話でしたヽ(´・`)ノ

  • 生命科学では常に観測データが理論よりも優先する。
    科学者はその常として自分の思考に固執する。
    しかし、固執した思考はその常として幻想である。
    仮説と実験データとの間に齟齬が生じたとき、仮説は正しいのに、実験が正しくないから、思い通りのデータが出ないと考えるか、あるいは、そもそも自分の仮説が正しくないから、それに沿ったデータが出ないと考えるかは、まさに研究者の膂力が問われる局面である。

    生命とは自己複製を行うシステムである。
    物理規則、時間

  • これはただ単に有名人の史実を断片的に辿っていくものでなく、暗い部分と明るい部分も含めその人の人生を小説仕立てで語ってゆくという非常に珍しい文体でした。さすが一昔前の生物受験者を風靡した新書と言われるだけのことはあるなと思います。特に身近な現象からその構造への探求へ…という流れや文学的な表現が素晴らしいと感じました。

  • 最終的に、生命を科学することへの畏怖、悔恨、己の限界への諦観であふれてるのがリアルだなあと思いました。似たような分野に従事している身としては、クるものがあります。
    全部読み終えたあとに序章を読むと、結局この本の書きたいことって序章で全部書かれてるんだよねとしみじみと思いました。

  • 「生命とは何か?」という難題を,思わずなるほどと言いたくなるような例え話を交えながら,著者のポスドク時代の研究も絡めつつ説明してくれる.個人的にはニューヨークやボストンの町並み描写や,自然景観の描写などの表現力に,著者の物事の見方・とらえ方の素晴らしさを感じた.生命とは何か?という問いに答えるだけでなく物語としても楽しめる一冊.

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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