近江から日本史を読み直す (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498921

作品紹介・あらすじ

信長、比叡山、近江商人――
東西が交わるこの地にあふれるエネルギーが時代を動かした!!
“湖国”近江は日本史の「ヘソ」!

本州の中央に位置し、古来、東西の日本をつなぐ要衝だったこの地は、政治・経済・文化にとどまらず、日本史の舞台として重要な意味を持っている。比叡山を頂点とする日本仏教の胎動と展開、信長・秀吉の天下統一への道、バイタリティにあふれる近江商人の活躍、世界に目を向けた近江人気質――。時代を動かすエネルギーを秘めた近江から日本の歴史を描き出す異色の通史。

感想・レビュー・書評

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  • この本、地元大津の紀伊国屋では結構売れてまして、歴史が好きな人って案外多いんだよなって思わされます。
    この前、研修で堺市博物館に行ったのだけど、そこで案内してくれたボランティアの人が結構なおっちゃんで、人を見かけで判断しちゃいけないけどこんなおっちゃんも歴史好きなんだと感心したところが、このおっちゃん、見かけ通りの下品な人で何の歴史観もなく世話話だけで案内してくれるもんで、途中で聞くの諦めて勝手に見て回った。まあ、歴史好きでも色々ありますな。
    滋賀県は昔から交通の要衝であり、ここを押さえることは天下を押さえることにつながったために、今とは違う存在感があったことは多くの歴史的事実からご承知の通り。
    この本、それらを時系列的に紹介していくのだけど、産経新聞の連載コラムを一冊にまとめたものだけに少々薄味。
    いつ何があって、それにまつわる歴史的遺構はどこそこ、ということに終始したところがあり、確かに近くに住んでいて行ったことがないところも多く、一度行ってみようと思うところもあるのだけれど、言ってみればまあそれだけの内容かな。
    新書本に多くを期待するのが間違いで、これを基に行動して、そこから自分の目で見て関係する書物を確かめて、ということをしなければならないのでしょうけれど。

  • 東西の日本をつなぐ要衝の地・近江から日本史を描きだした本。

    京都に近い位置にある近江を視点に据えて、古代から近代までの日本史の流れが書かれています。

  • 19/04/06。

  • 帰省時地元の本屋に立ち寄った際に「郷土関連本」として陳列されていた中からの新書一冊。新書に手をのばすのは結構久しぶりだがこの出会いは幸運であった。

    元は産経新聞に連載されていたものを時系列に並べ直しつつ書籍化されたものとのことで、ちょうど並行して読んでいる「日本史は逆から学べ」と対になっている感があったのがツボ。

    それにしてもまだまだ知らない地元の史実、史跡がどんどん出てくるもんだから訪ねてみたい欲がどんどん膨らんでくる。次回帰省時はもっと綿密にプランを練ってそれら史跡を練り歩きたいというおもいは募る。

    今更ながらもっと知りたいゆかりの人々は、蒲生氏郷、石田三成、松尾芭蕉といったところか。とはいえ現代史だって十分知ってみたい。琵琶湖疏水はいったいどこをどう通っているのかなんてのも。

  • 2007年刊。著者は国際日本文化研究センター教授。近江と日本史ならば、継体天皇、天智天皇、織田信長、石田三成、井伊直弼等思いつくままあげても、幾らでも重要人物の名があがる。本書はそんな近江地方を軸とする地域史。確かに、産経新聞関西版連載を纏めたもので、ワンテーマの分量も多くなく、独創的な視点・事実の摘示はない。が、本書の描く足利義材や義輝、六角氏は通史では光りが当たりにくい。また、個人的には、近江の比叡山延暦寺の関連人物、つまり最澄はもとより、彼の後継たる円仁、円珍、浄土教関連の良源と源信等は興味深い点。
    他にも、近藤重蔵(近世蝦夷地探検家)、中江藤樹(近世陽明学者)等も近江人で、その人材の幅の広さを雄弁に語っている感。ただ、前後の流れがある書ではないから、近江に興味があるか、歴史を斜めから見てみたい人に向いた書かも。

  • 2007.10.31読了

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著者プロフィール

今谷 明(いまたに・あきら)
1942年京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。文学博士。日本中世史専攻。横浜市立大学教授、国際日本文化研究センター教授を経て都留文科大学学長、現在、国際日本文化研究センター名誉教授。主著『室町の王権』(中公新書)、『武家と天皇』(岩波新書)、『象徴天皇の源流』(新人物往来社)、『近江から日本史を読み直す』(講談社現代新書)、『戦国期の室町幕府』(講談社学術文庫)、『日本中世の謎に挑む』(NTT出版)、『象徴天皇の発見』(文春新書)ほか多数。

「2019年 『文庫 中世奇人列伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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