絵でわかる自然エネルギー (KS絵でわかるシリーズ)

  • 講談社
2.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 14
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061531475

作品紹介・あらすじ

自然エネルギーの全体像とそれぞれの普及可能性を公平に解説。日本の進むべき道は?世界の状況はどうなっているか?原発ゼロシミュレーションも実行。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 請求記号・501.6/Mi
    資料ID・100059688

  • 自民・公明党が政権を取り返したことで、いずれ原発が再稼働されると予想されますが、すこしは自然エネルギーに対する取り組みもされることでしょう。

    この本では、多くの種類から成る「自然エネルギー」について、有名で実績も積みつつある、太陽光・太陽熱・地熱・風力・水力を始めとして、新しい方式(波力・潮汐・温度差・海洋温度差・バイオマス発電)についても解説されています。

    個人的には、第一章の「エネルギーの全体像」に関する解説がためになりました。特に、ガソリン車と電気車との総合的エネルギー利用効率において、もとから(ガソリン及び発電時の化石燃料)比較すると、両者とも20%程度であるという指摘(p4)は興味深かったです。

    以下は気になったポイントです。

    ・ガソリンの化学エネルギーをエンジンで熱エネルギー、そしてピストンの往復運動に変えるときに、エンジン熱効率により70%は熱で失われる、更に伝達ロスや摩擦熱ロスを考慮すると、10-20%しか自動車駆動には使われない(p4)

    ・発電時に使われた化石燃料のうち、発電送電損失により、元々のエネルギーの3分の1、電池の充放電も100%でないので、自動車の総合的エネルギー効率は、20-30%程度(p4)

    ・本書の対象とする自然エネルギーは、太陽光・風力・地熱などの新自然エネルギー(新・再生可能エネルギー)と、水力発電・薪・炭・可燃物廃棄物などの旧自然エネルギーである、化石エネルギーも太陽エネルギーを使ったものだが、再生に時間がかかるので対象外(p5)

    ・二次エネルギーとは、一次エネルギーを使いやすい形にしたもので、電力・燃料油・都市ガス等がある(p5)

    ・シェールガスとは、非在来型天然ガスで、天然ガスを含むシェール(頁岩)層から、新工法により地中深くから採取される。(p7)

    ・日本人一人が消費しているエネルギーは、人間の基礎代謝エネルギーの60倍、世界平均でも30倍、もし日本が消費するエネルギーを日本の木材で賄おうとすると、効率100%でも3年程度で丸裸になる(p8)

    ・消費しているエネルギー形態は、電力(25)、石油(53)、石炭(11)、都市ガス(10)だが、一次エネルギーで見ると、電力(50)、石油(21)、都市ガス(18)となる(p11)

    ・ドイツは2009年に自然エネルギーは17%近くに達したが、水力・バイオマス・風力が3分の1ずつで、太陽光は1割、電力の44%は石炭と褐炭から(p26)

    ・エネルギー統計を見るときには注意が必要、特にバイオマス関連は、一次エネルギーの10%を占めるが途上国の小規模分散型の利用の場合は信頼性は高くない、設備容量から総発電量を把握するのも難しい、最終消費量は総供給量の3分の2程度いなる、発電効率をどう見るかという問題もある(p27)

    ・新エネルギーの超えるべき課題として、エネルギー密度・コスト・供給安定性・環境影響・普及の時間軸・分散か集中か・利便性・安全性、がある(p32)

    ・ガソリン車の平均燃費は、1015モードでは、12.5(1995)→18.7(2010)へと上昇、実走行平均燃費でも、9.2→10.2km/lへと改善している、1995から2005までは9.2→9.6(1015モードでは12.5→15.5)で停滞気味であったが(p115)

    ・乗用車の平均使用年数は12年、平均走行距離から考えると、生涯走行距離は10万キロ程度、実燃費を10km/lとすると、生涯消費ガソリン量は10000L(10KL)、燃費が1割良い11km/lの車になると、ガソリン消費は900L削減されて、CO2排出は2.1ドン削減される(p116)

    ・家庭での電力消費は、エアコン(25)、照明(16)、冷蔵庫(16)、テレビ(10)が大きい(p117)

    2012年12月31日作成

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

東京大学名誉教授、工学博士。1939年 鹿児島県に生まれる。東京大学工学部卒業、東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得退学。東京大学助手・講師・助教授・教授、工学院大学教授、製品評価技術基盤機構理事長などを歴任。

「2017年 『現代の化学環境学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

御園生誠の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×