できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

制作 : 高橋 さきの 
  • 講談社
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本棚登録 : 490
レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061531536

作品紹介・あらすじ

全米で話題の「How to Write a Lot」待望の邦訳!いかにして多くの本や論文を執筆するかを軽快に解説。雑用に追われている研究者はもちろん、アカデミックポストを目指す大学院生も必読!人生が変わる。

【三中信宏さん推薦!】
本書の原書をたまたま読んで、そこに書かれている「たくさん書く」ためのワザの数々
を実際に使ってみたら、驚くなかれ、たった三週間でまる一冊が翻訳できてしまった。

【“訳者あとがき”より】
論文の書き方に関する指南書はこれまでも数多く出版されているが、本書が画期的なのは、いかにして論文執筆のモチベーションを上げ、精神的負担を軽くして論文執筆に取り組めるようにするかについて、メンタルな面を含めて冷静に分析し、その解決策を誰にでもわかるように明瞭に提示している点だろう。

感想・レビュー・書評

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  •  原題は「How to Write a Lot」。米ノースカロライナ大学准教授で心理学者の著者が、自らの経験をふまえて論文生産の効率を高めるコツを説いた本だ。

     もちろん私は研究者ではないし、書いているのも学術論文ではない。が、本書はライターのモチベーション向上にも役立つものであった。
     章立ては次のようになっている。

    第1章 はじめに
    第2章 言い訳は禁物―書かないことを正当化しない
    第3章 動機づけは大切―書こうという気持ちを持ち続ける
    第4章 励ましあうのも大事―書くためのサポートグループをつくろう
    第5章 文体について―最低限のアドバイス
    第6章 学術論文を書く―原則を守れば必ず書ける
    第7章 本を書く―知っておきたいこと
    第8章 おわりに―「まだ書かれていない素敵なことがら」

     このうち、4章から7章まで――すなわち本書の半分は、研究者にしか役立たない内容であったり、日本人には関係ない話であったりする。それでも、残り半分の章のためだけに買う価値のある本だった。

     私は30年近くもフリーライターをやってきたのに、いまだにスケジュール/モチベーション管理が拙劣で、しばしばスケジュールの狂い(要するに仕事の遅れ)に悩まされている。
     その泥沼の悪循環からなんとか抜け出そうと、最近、いろんな工夫を重ねたり、この手の本を読みかじったりしている。

     本書は、以前当ブログで紹介した『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』と並んで、背中を押してくれる効果の高い本だと思った。

     著者の主張の骨子は、きわめてシンプル。

     ・「書かないための言い訳」(「まだ準備が足りない」「まとまった時間が取れたら書く」など)を自らに禁じること
     ・毎日決まった執筆時間をもうけ、その時間には必ず机に向かって書くことで、執筆を習慣化すること
     ・毎日、その日の具体的な執筆目標を設定すること(ほかに、もっと大きな目標も設定する)
     ・たくさん抱えた仕事の優先順位を明確にしておくこと
     ・執筆進行状況を、つねに具体的に把握しておくこと

     ――大枠としては、これくらいなのだ。
     ご覧のとおり、斬新なアイデアが盛り込まれているわけではなく、凡庸なアドバイスのようにも思える。だが、そのことを「凡事徹底」で行うためのノウハウに独自性がある。
     たとえば、著者は統計ソフトを使って「執筆進行状況管理ファイル」を自作し、自分の執筆作業を可視化している。何を何ワード書いたのか、執筆のためにどのような作業をしたのか、その日の目標は達成できたのか否かなどを、毎日記入していくのだという。

     そのことがもたらす効果について、著者は次のように言う。

    《自分の行動を見張っているだけで、机に向かって書くのが楽になる。行動研究からは、自己観察だけで、所望の行動が誘導されることがわかっている。
    (中略)
     執筆時間帯に机に向かわなかった場合に記録表に大きくて醜いゼロという文字を入力する効果は大きい。(中略)執筆の進み具合を記録していると、目標を上手に立てられるようになる。記録しはじめてしばらくすると、自分の執筆の進み具合について現実的な予想を立てられるだけのデータが集まってくる。目標を上手に立てられると、執筆ははかどるものだ。》

     ダイエットにおける「レコーディング・ダイエット」のようなものだが、私も取り入れてみようと思った(いまでも、その日何を執筆したかの大まかな記録はつけているのだが、もっと細かく記録することにしよう)。

     執筆モチベーションを保つために、抜き書きして机の前に貼っておきたいような言葉も多い。研究者ならずとも、日常的に文章を書く仕事の人なら一読の価値がある本。

  • SNSでも話題になった。学会書評にも。
    https://sites.google.com/site/jssppr/specialissue/207

    タイトルがタイトルなだけに、本棚の目につくところに飾って、自分にプレッシャーをかける、というのも良いだろう。

  • 研究者でも論文作成をするわけでもないが参考までに読んでみた1冊。
     基本的には投稿を考える学生向けだが、論文投稿の裏側を知るようで素人でも面白く読める。
     ざっくばらんな文体の中に、詐欺ジャーナルへの注意喚起や、中途半端を許さない真面目な研究者としての姿勢が見え、大変好ましい。
     多少、主観的な意見があるように見えるが、初めて投稿する前に読んでおくと参考になると思う。

  •  論文の書き方なので、あまり役に立たないかと思ったが、そこそこ重要なことが書かれていた。ただ基本的なことなので、実践している人も多いとは思う。予定通りにいかない人や、だらけてしまう人にはオススメかもしれない。
     話の要点は、書く時間が取れないという人は、先に時間を決めておく。もう少し勉強しないとという人は、これも決められた書く時間に行う。新しい道具が必要だという人は、書かないとペナルティがあると書く量が増えて、アイディアを待つ人よりずっと書いている人の方が量が多いという事実がある。これらが基本的な執筆に対しての言い訳のアンサーになる。
     その他にも、スケジュールを分量で決めたり、仲間達と報告しあったりなどもある。
     要は気が乗った時にドバッとやるのではなくて、気が乗ろうと乗るまいと毎日同じくらいの量を淡々とこなしていくと自然にことは終わっているということだろう。基本的なことなので、本当に出来る人は、当たり前のようにやっていることと思う。

  • 主な内容としては、1日の決まった時間、朝の2時間など、を論文執筆だけに当てましょう、という話。長期休暇に大量に書くよりも、普段から少しづつ書いていく。毎日200ワードづつ。筆者はSPSSに毎日の執筆ワード数を記録してるとのこと。

    そうはいっても、スケジュールを立てるのは難しい。

    まず、論文にはレビューと分析も必要。レビューや分析だけをした日は生産量(執筆ワード数)はゼロになる。筆者が言うには、当然それで問題なく、書くためのレビューと分析も執筆時間に入るという。でもそうすると、短期的な目標が設定しにくくなると思う。今週は1400ワード(1日200ワード)書くと決めても、論文がレビューや分析段階であれば、どれだけ時間を使ってもワード数ぜロだし。だから、ワード数での目標設定はもう少し長期、たとえば6カ月で8000ワード=ジャーナル論文1本(1日平均50ワード弱)、という形になるかな。年間3本だと60ワード。

    あと気になるのは、R&R。論文のドラフトを仕上げたら、それで終わりじゃなく、投稿したものが返ってくる。Reviseしなさい言われるのでこれもやらないといけない。そうなると、スケジュールに立てた2時間がR&Rに消えていく。もちろん、Acceptのために必要な作業だからいいんだけど、新規生産にはならない。理屈上、R&Rで手こずった時期は、新規生産が減少することになる。

    あと、早朝の2時間や3時間に作業するとなると、前日の夜が大切になる。夜更かしもだめだし、夕食時間もなるべく、胃の負担(睡眠の質)も考えて、19時や20時に設定した方がいい。

    いずれにせよ、論文をコンスタントに出せる人というのは、とてつもなく自己管理ができる人、一度決めたことを断固実行できる人、同じことを実直に継続できる人なんだと思う。もしくは時間がたっぷりあって研究に集中できる環境の人。

    何ワードとか細かな数字は設定せず,毎日少し,本当に少しでもいいから前に進める.そこかもしれない.

  • 続編も読む。まあほとんど落ち着いて考えればわかるはずのことだが、とにかくこつこつたくさん書くのが大事だと。ただできない人がこれを読んでどれくらいできるようになるのかわからん。自己検証する。

  • 「一気書き」(binge writing)の戒め。まずは週4時間、執筆時間を確保すること。その時間を死守すること(pp. 14-19)。書けない言い訳をしないこと。
    そして書くべきもの、書きたいものに優先順位を付け、目標を立てて、日々の進行を管理すること。進行を管理することで、適切な目標を立てられるようになる(pp. 45-51)。

  • 「まずは書く、後で直す」→自分が考えていたことと同じ。

  • ビジネス

  • 論文生産術のタイトルに惹かれ、本書を読みました。
    書かれているのは、研究版ライフハックでした。

    執筆時間のスケジュールを決める。
    具体的な目標を立てる。
    優先順位を決める。
    アウトラインを作成する。など

    研究界における論文作成のヒントも散りばめられていました。

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